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女神降臨Ⅱ  作者: 塔子
33/69

【33】


目を開けると、いつものように天井が見えて。


むくっと起き上がろうとしたら――。



「うっ!!」



右肩に一瞬、息が出来ないほどの痛みが走る。


そーっと、左手で傷を確認する。包帯が巻かれ、血が少し滲んでいる。



「目が覚めたか?――痛むか?」



声を掛けられ、その声のする方に顔を向ける。


窓辺に立つ、亜麻色の髪に黄赤色の瞳の男。


ゆっくりとベッドサイドまで近付いて来る。


え?え?え?……だ、誰?



「えーっと、誰?」



初対面の人にいきなり“誰?”なんて言うのも。


でも、私の部屋に知らない男の人が。



「――我は、おまえ達が言う『魔獣』だ」

「?!――って、人の姿にもなれるの?」

「当然だ」

「そ、そうなんだ…」

「――休んでいろ。あの小娘を呼んでくる」



そう言って、部屋を出て行く。


あ、あれが『魔獣』?


破壊の力を持ち、世界を破滅に導く――って…?


どう見ても、20代後半の好青年じゃない!


何なの、一体?


私にはどうなっているのか、さっぱり分からなかった。

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