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【03】
あんな愛らしい天使に“待ってて”と言われたら、やっぱり待つしかないよね。
しばらく、待っているとさっきの少女を従えて1人の女性が入って来た。
「あらあらあら、本当だわ~。明日だとばかり思って…。わたくしったら、うっかりさん!相変わらずダメね~」
「もっと、しっかりなさって下さい!大巫女様!!」
少女に注意されながらも、ニコニコと微笑む女性。
金茶色の髪に深緋色の瞳。外見からすると20代後半かな?
「でも、貴女がしっかりしてくれてるから、わたくしも助かってるのよ~」
「所詮、私は見習い巫女です。大巫女様のお世話係ではありません!」
なに?この二人?どっちが大人で、どっちが子供なんだか。
呆気に取られて、二人の会話を聞いていると――。
「ほら、大巫女様!天人様が呆れています」
「あらあら、嫌だわ~。ご免なさいね~」
「こんな所で立ち話も失礼です。お部屋にご案内されては?」
「そうね~。では、天人様、こちらへ」
え?ちょっと、待って!!アマビト…サマ?
それって、私の事?