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女神降臨Ⅱ  作者: 塔子
25/69

【25】





そして、全てを話し終えたエレナは幸せに満ちた顔をしている。


愛してる人から愛されているという満足感。


深緋色の瞳は恋をしてる女の子のようにキラキラとしている。



「エレナ」

「な~に~?コウ」

「エレナは『魔獣』を封印したいの?」

「さぁ?」

「何の為に私を召喚したの?」

「分からないわ~」

「この世界を滅ぼしたいの?」

「どうかしら~?」



エレナが何を考えているのか分からない。


一つ分かる事は、エレナは大巫女として生きるより、愛してる人と生きて行きたいという事。



「コウ、わたくしは生きていたいの」


「例え、一瞬でも生きていたい」


「永遠より、アルスとロイと居たいの」



どうして?


死なないんだよ!生きていけるんだよ!


神が望む限り、長い時間と命が約束されているというのに…。


エレナはゆっくりと立ち上がり、窓の方へと進む。


柔らかい笑みを浮かべ、優しい風に身を任せている。







私は、大巫女の私室を後にする。


遣り切れない、納得の出来ない、言葉では上手く言い表せない気持ちが溢れてきて――。


この世界は滅びるの?


黙って見てるだけ?


でも、私に何が出来るというの?


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