第壱章 新たなる道 中編
えー、皆さんお久し振りです、霊影です。
今回はいろんな私情の詰め込み過ぎで前作以上に空いてしまいました。(汗)
この場をお借りしてお詫びさせて頂きます…。
実を言うと見ていただいた方には申し訳ないのですが、後編としては個人的な許容範囲の量を越える事となってしまったので、急遽前・中・後とさせていただきました。(汗)
この回からは、後々誰のセリフか分かりやすく改善していこうと思っています!!
…え?…いや、確かに「霊」って入ってはいますけど、勝手に殺したりしないでくださいよ!?
えー…では、本編をどうぞ!!
「こいつが…俺の強器…。」
「そう。この剣は、ある意味お前自身の変わった形の全てと言ってもいい。この剣にお前の性格・身体能力・考え方…さらには潜在能力も表れている。」
「これが俺自身なのか…。」
「……さて、強器の説明も終わったことだし、これから実力の査定に入る。」
「実力の査定?」
「いきなり仕事を任せて、失敗して帰ってこられてもこっちとしても、依頼人さんに対しても迷惑だからな。」
(そこはしっかり考えてるんだ…。)
とかなんとか修が軽く感心していると…
「ドール、イン。
目標5、連続で。」
『訓練用ドール投入します。
目標は5体、1体ずつ投入を設定。』
「え?リーダー、ドールって…?」
「訓練用の言わば人形型の的だ。
一応無行動の設定はしておいた。向こうからは何もしてこない。安心して全力をぶつけてこい!」
「無行動の相手に全力って…やる気なくしそうだ…。」
ぶつぶつ文句を言いながらも剣を構えた瞬間、地面を蹴って一気に人形との距離を縮める。
(…まぁ、軽めでいいだろう…。)
…と剣を振ってみたが…!
ザクッ…
…剣が人形の途中で止まっている…
「…なっ!?」
「…おーい、全力でやれって言ったろー。そいつは半端な力で破壊できるほど生易しくないぞー。」
「…そんなのありかよ…。」
「…一応言うが、そいつは致死量のダメージを受けると消滅するからそれを目安になー。」
「…そんなのありかよ……。」
「はいはい、文句言う暇があったら早く倒す〜。」
「クソッ!それなら本気でいかせてもらうぞ!!」
一旦刺さった剣を抜いて刺さっていた人形を切り伏せると次の人形が現れた。
「…なら最初から本気だそうよー…。」
人形を次々に倒していく修を見ながら龍が呟いていると…
気づけば修が全ての人形を倒していた。
「…ふぅ、やっと終わったか…。」
「おー、お疲れさん。これなら次もいけそうかな?」
「…次…?」
「ボムドール、10体。
タイム、8s。
目標10、連続で。」
『訓練用爆発ドール投入します。
時間制限は8秒。 目標は10体、1体ずつ投入を設定。』
「はぁ!?爆発!?」
「さっきと同じだ。
じゃあ始めるぞー。
…セットアップ開始。」
『訓練を開始します。
…5秒前……3、2、1…スタート!!』
かけ声と同時に腹部にタイマーのついた人形が現れた。
「ゼロになる前に倒さないと周囲10mは爆風で吹き飛ぶぞー。」
「範囲広すぎないか!?」
「喰らいたくないなら時間内に倒せば良いんだから。
ほら、一体目、時間無いぞ。」
※この会話で既に残り1秒。
「……ッ!!」
なんとかコンマ数秒レベルで倒したが、まだ一体目…
すぐに次の人形が現れた。
「整息くらいさせてくれよ…。」
「いいけど、そのうちに爆発するぞ?」
「……こんのぉ…。」
息つく暇も与えられず、修はなんとか最後の一体まで切り伏せた、が…
「ちょっ…あの人形、遠くないか!?
絶対間に合いそうにないって!!」
「?あぁ、ギリギリで届くか否かって所に置いたが。
さぁ、行ってこーい。」
龍の言葉を一部振り切るように走り出した。
確かに、いくらその大剣が大きいと言ってもこの距離は突きの構えでなんとか、と言ったくらいだ。
しかも、突きでは有効的な威力はない。
「…クソッ!!間に合わないか!?」
人形の近くで修がそう言った瞬間、
人形が爆発した。
爆煙に巻かれてあまり分からないが、この爆発量では…
「……そう。まともに受けたら致死確実だ。
……まともに受けていたらな…。」
その龍の目線の先には、おおよそ拡散した煙と大剣を盾のように構えた修が立っていた。
「いやぁ、お見事。
ここまで反応が良いとは思わなかったよ。」
「…こいつを盾にしてなかったら今頃……うっ!」
「…?…あ、そうか…激しい運動は控えておけ…だったっけ…。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後、志保の忠告を完全に忘れて修に無理をさせた上に、あろうことか爆煙を浴びせた龍は査定後、気絶して倒れた修を治療室に送り志保に散々怒られた後、
自室への途中に…
「…さすがはアイツの息子、と言った所かな…。」
こう呟くのであった…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから更に三時間後…
「………うぅ…。」
「あ、起きましたか?修さん。
というか、一体リーダーと何をしていたんですか?」
あまり視界がはっきりしていない修に志保が声をかけた。
「…確か査定をするとか言われてジムみたいな所に連れられて…」
「多分、体力的に無理な運動をしたんでしょうね…閉じかけていた傷がまた広がっていましたので。でも、もう完治しましたよ。」
「そうか、それは良かった…。
…そういえば、リーダーは…?」
「説教を叩きつけて、リーダーの自室に送り返しました。」
(…怒るときは怒るんだ…この人。)
終始笑顔でそう言っていた志保に修が多少ながら恐怖心を覚えていると…
「あ、そうそう。リーダーが完治したら大広間に来るように言ってましたよ?」
「…?あぁ…わかった……けど、まだ動きたくない…。」
「フフッ、良いですよ?まだ休んでいても。」
微笑んで志保はその場を離れた。
「……もしかして…修さん…。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「お、来たか。」
「来たか、じゃねーよ。あれだけ好き放題させておいて…」
「悪い悪い。」
(絶対悪いって思ってないな…。)
「さて…とりあえずは合格だ。明日から依頼を受けてもらうから…と言っても実力はまだまだ…だから毎日鍛えてもらうからな。」
「はぁ…。」
「えーっと…はいこれ。無線イヤホンと…通信端末。」
と龍に言われて出されたものは…
「…どう見ても腕時計なんだが…。」
片耳分のイヤホンの先端の機具と腕時計である。
「ん?腕時計だが…何か問題でも?」
「いや…どう見ても関係無いだろこの二つ…。大体、イヤホンも先端だけって…」
「分かってないなーお前も。」
(ムカッ…。)
「まぁ、とりあえず両方着けてみろって。」
修が仏頂面をしながらも渋々着けてみると…
『どうだ?聞こえるか?』
イヤホンで完全に塞がっているはずの耳の方から龍の声が聞こえてきた。
「…どういうことだ…?」
「大丈夫そうだな。そいつには無線機能を入れているんだ。まぁ、機能はそれ“だけ”じゃないけどな。」
「それ…“だけ”…?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌朝…
修は自室で窓の外を眺めていた。
しかし、ただ眺めていた訳では無かった…。
「……この腕時計…余計な機能まで入ってないか…?
無線機・インターネット・検索エンジン…GPSならまだしも……歩数計に…電卓って…」
…呟きながら眺めていた…。
「入るぞー。
お、早速使いこなしてるな。」
「…リーダー…これ、何なんだ…」
そう言って修は窓を指差した。…としか見えない。
しかし、龍は見えているかのように…
「言っとくがそれは今お前にしか見えてないぞ。」
「……は?」
その時、修には自分と窓の間に多数の電子パネルが浮かんでいた。
「じゃあリーダーには…」
「ああ、見えてない…っと…。」
龍が耳に指をあてた。
「なんだ?……あーはいはい、分かってるって。すぐに連れてくからもう少し待っとけって…。」
「…?」
龍は少し深めにため息をついて…
「それじゃ、行きますか。」
「え……どこへ行こうって…?」
「ロビーにメンバーを集めてるんだ。ほら、行った行った。」
「はぁ?えっ…ちょっ…。」
言われるがままに龍に押されて歩き出す修。
「そんなに遠慮すること無いぞ〜。皆個性的だから一人二人増えたところで変わんないしな。」
「ちょっと待て。それどういう意味だ。」
「気にしない、気にしない〜。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さ、この先に皆いるぞ。」
そう言うと龍は修の後ろに回り込んだ。
「?…開けないのか?」
「こういうものはお前が開けるって決まってんの。」
そう言うと龍はまた耳に指をあて、小声で…
「連れてきたぞ〜。"迎え"入れろよ〜…。」
不審に思いながら修が扉を開けると…
「どーーーん!!」
大きな擬音語と共に何かが襲い掛かってきた!!
「っ!?」
反応は出来たが体が動かない修はその影に勢いよく飛び付かれた………飛び付かれた?
そして、修はそのまま後頭部から廊下に倒れこむ形となった。
「痛ったぁ……一体何なんだ…?」
修が頭を上げるとそこには笑顔でしがみついたままの…中学生程の女の子がいた。
「作戦成功、だな。」
…continue to the third time (後編へ続く)
えー、皆さんいかがでしたでしょうか?
これからはペースを数倍に上げていかないといけませんね…。
精進します。(苦笑)
引き続き、ご感想、ご意見の程、よろしくお願いします!
それでは、また第壱章 後編でお会いしましょう!!