「貴様の目的は何だ?」
復活するかも
ゆっくりと不定期更新していきます
時は少し遡る。
洞窟の奥底にはいかにもボスがいそうな巨大な部屋に、事実ボスとなりうるものがいた。人と、巨大な龍。龍の首には巨大な剣が刺さって地面に縫い付けられていた。
「やあ『神龍』。気分はどうだい?」
「『死神』か。何年ぶりだ?500年以上あった覚えはないが」
「退屈だったろうね。おおよそ500と94年ぶりだよ」
「ふん。退屈だと言うことにそろそろ慣れそうだが未だにこの怒りが衰えることはなさそうだ。忌々しい1167年前の宗教協会最強の勇者が施したこの封印、彼奴にこの己自らがトドメを刺せなかったことがな」
「あれはね・・・。当時の教皇も大した考えを持ったものだよ」
『死神』は一度言葉を切った。
「封印だけを施して勇者を葬ったなんてね」
『神龍』は5人組の勇者一行と戦っていた。実力差は目に見えているもので圧倒的な力が4人を押していた。
勇者は後ろで封印術を用意していた。
勇者が叫んだ。4人はすぐさま離れ、がら空きになった神龍の頭上に巨大な剣が出現、それが首を貫いた。
そして弱体化した神龍に5人掛かりでトドメを刺すーーーことには至らなかった。
4人のうちの1人、シスターの少女はがら空きになった勇者の背中に戦闘用の杖の先でで心臓を狙い体を貫いた。
勇者は大きく目を見開き、そして息絶えた。
その封印は術者以外は本当に極めきるくらい年月をかけないと術者以外は解除ができないもので、術者が死んでも永続される。
永遠を生きる『神龍』はこの洞窟に封印された。
3人は少女を責め立てた。しかし少女は動じることなく証書のようなものを突きつけると皆何も言えなくなり帰っていった。
「せめてこの封印を解く、とは行かなくともあの勇者自身をここに呼び出して再び戦えたらいいのだがな」
「ふふふっ。呼び出してあげようか?骨になるけどね」
「それでは意味がない。そして、今日来た目的は何だ?雑談か?」
「まあ半分正解、半分不正解だよ。君に朗報、とでも言うべきかな?ボクからの依頼をこなすと言うのであれば封印を解くよ?」
「貴様が、か?910年前、貴様はこの封印を解くのは無理だろうと言ったと思うが?」
「あれからボクが何もしていなかったとでも?苦労したよ。この封印を解くためにスキル極めたのは。無理矢理習得するのは流石に神でも骨の折れるような仕事だったからね」
「内用にもよるが依頼を教えてくれ」
「ヒリュー・コーエイという人物と戦え。君の退屈潰しどころか全力解放できる相手だから」
「人間か?」
「たった一人のね」
「ほう・・・貴様が言うのならば確かなのだろう。もし殺してしまっても問題はないのだな?」
「そうだよ。死んでしまったらそれはそいつ自身の責任だ。逆に殺されないように気を使う必要もあるんじゃないかな?」
「戯れ言を。己が死ぬと?おもしろい」
「乗るんだね?まあそういうと思ったけどさ。準備体操してから挑みなさい。生半可な力しか出せないと本当に負けるよ?」
「そう、だな。偵察も出すとしておこう。ところで『死神』よ。貴様の目的は何だ?」
「ふふふっ内緒だよ・・・」
□ ■ □ ■ □
再び草原。夜の闇が深くなってきたので草原から少年と少女の影は無くなり、モンスターが闊歩していた。
そこに紛れる5つの人影。
「で、次の得物はどうするんだ?」
「西の海岸沿いにある小さな村なんか狙い目じゃないか?」
「あえて国境沿いにあるところもありじゃないか?」
「お前ら、なんか見えねぇか?」
柄の悪い男たちは草原に不自然な突起を発見。
近づくとそれが家だとわかった。
「こんな場所に家があるのかよ」
「まあいいじゃねえか。取るもんあったら取る、人がいたらぶっ殺すか連れ去る。たったそれだけの話だ。用心棒いてもこの人数なら対処しきれるだろう」
「「「「だな」」」」
5人は静かに、そして素早く家に近づいていった。
そして家のすぐ近くまで来た。
そう、来てしまった。
「よし、行くぞ!」
小さく、それでいて伝わる声で号令をかけて一斉に取り囲むように移動をした。
そして、一歩1人の男が踏み込んだ瞬間にその男は上に吹き飛ばされた。
「はっ!?」
「ちっ!ずらかるぞ!」
「うわああああ!?」
「ひええええ!?」
「おわあっ!?」
「馬鹿な・・・さっきは何もなかったはずだ!?」
「お仕事ご苦労様☆これが見たかったからこった仕組み作ったんだよ」
「悪趣味先輩」
「いや、それ名前じゃないから」
家の窓から2人はその様子を眺めていた。
事前のトラップの作動により目覚ましが起動して起きたのであった。
空中を飛んだ男たちはさらに吹き飛ばされて空中で一旦停止、その場で洗濯機の中に入れられたかのようにぐるぐる回り始め、そして5人全員が合流、もう一度床に叩き付けられると大砲の筒の中に落ちそして発射された。
「あははははは!終着点は牢屋だよ!」
「・・・まあ、これでトラップ尽きましたね?」
「ところがどっこい、トラップは自動再生だよ」
「自動再生?あとなんで同じ場所にトラップがあったりなかったりしたんですか?」
「トラップの作動設定の調整までしたから簡単にあんなことになるよ。【制作者創作】さまさまだね」
「・・・・・・」
翌朝。
「収納しました」
「すげえな、家ごと収納できるのかよ」
「できました」
一旦国の方向に戻っていく2人。
辿り着いたそこには『ギルド』と書かれた看板がかかっていた。
「ウォーミングアップもいいとこだし、そろそろいいとこ挑みますかぁ?」
「それってどういうことですか?」
「まあまずはこの中だね」
にぎやか、一言に尽きた。
ギルドのあちこちに張り紙があり、そこに人が集まって話をしていた。
「うるさい・・・」
「慣れだよ慣れ」
「あ、ヒノカゲさん!」
ギルドカウンターの受付嬢が声をかけてきた。
「おいおいアカリちゃーん無視しないでよ~」
「いやグレッグさんも1時間以上そうやってるじゃないですか」
「俺は話がしたいだけなのにさ~」
「はいはい」
「先輩?『ヒノカゲ』って呼ばれましたよ?」
「さすがに王の名前を書いてもまずいでしょ?ヒリュー・コーエイの元の漢字、甲『影』『陽』流からとった」
「なるほど・・・でもよくネット小説では本人の・・・ああ、【虚偽の真実】ですか」
「その通り。よって表示はレベル60とハイランクを受けられるようになるちょうどのレベルに設定してあるんだ(偽名考えといて。なんとかする)。」
「ヒノカゲさん、今日はどの依頼を受けにきたんですか?」
「ああ、近辺でランク10の依頼なんかないですか?」
「ランク10ですね・・・レッドドラゴン掃討やグラディノイズがいいですかね。そちらの方の実力は大丈夫なのですか?」
「大丈夫だ、問題ない。これでもレベル同じ60ですから」
「え、えーっとサーナ・キリと申します」
「サーナさんですね、2人ともその年齢にしてオーバーシックスとはどんな場所で修行してたんですか?」
「まあ、こいつも同じ場所で鍛えてもらったからね」
「その鍛えてもらった場所ってどこなんですか?」
「誰に聞かれても知っている人以外に言うつもりはないし情報屋に流れるはずのない情報です」
「それなら深追いはしませんけど・・・普通は天才を超えてますよ?」
「まあ、そこは内緒で。グラディノイズの方をお願いします」
「場所はティティール山ですね。サーナさんもご一緒ですか?その場合は登録お願いします」
「わかりました。サーナ、登録して」
「は、はい」
説明書を渡されその通りに動作を行っていった。
そのときヒリューが少し不自然な動作をしていたが気にしないことにした。
水晶に手を当てるとカードが出現した。
「わ!?」
「大丈夫です。それ、失礼しますね」
サナは思わずヒリューを見るとニヤリ、と返された。
「わ!やっぱり言われた通り!」
「アカリさん!静かにお願いします」
周りの人たちの目が一瞬集まったがその目が離れるのを2人が確認してから
「すいません!それでも驚きますよ・・・まさか本当にレベル61だったなんて」
「いえいえ。というか、これで問題ないですよね」
「あ、はい。グラディノイズの討伐の受注を確認しました。期間は7日以内です。それではこちらをどうぞ」
「わかりました。詳しくは僕の方から説明しておきます」
「え、えと、先輩」
「行こう」
紙を一枚受け取ると闇を出してその中に放り込んだ。
「あ、あの〜ギルド内でのスキルの使用はできるだけ控えてくださいね・・・できることならアイテムに付与しておいてください」
「あ、すいません」
「で、今回倒す相手とは?ティティール山というのは海岸の近くの山ですよね?」
「合ってるよ。グラディノイズってどんなのかって言われてもなぁ・・・「見つけましたよ」「うわぁ!?」」
街の中を歩いていた2人の後ろから急に話しかけてきた少女はマレッドだった。
「ヒリュー様にサナ様。流石に帰って来ないのはまずいかと私情を含めて申し上げておきます」
「いちおう置き手紙はしておいたはずなんだけどなあ」
「先輩・・・やっぱり。マレッド、それで捜索に来た、ということですか?」
「いえ。それで来るのでしたらもっと兵を引き連れてきますよ。それよりもヒリュー様にサナ様が付けた『はっしんき』を持っているのは私とグラナスの2人だけですがじきにジッツが気がつくことでしょう。そうなると本格的に捜索が始まりますので遊びたいのでしたら少しでも離れた場所で、がおすすめします」
「あははっ大丈夫大丈夫。グラディノイズ倒しに行ってくるだけだって」
「電気霊ですか・・・複数来なければいいですね。それでは私も失礼します」
「霊?ゴーストくらい平気ですよ?」
「ならいいや。とりあえず山へ向かおうか」
【制作者創作】クリエイターメーカー
闇属性
自分のイメージを具現化させる。ただし一部のものは作れなく、見たことが無いものだと不安定になりやすい。また、耐久値がなくなると光の粒となって消滅する。
様々な設定ができるが多少条件がある。