「さてさて、次は?」
フォン ヒュッ シュッ ヒュヒュン ウォッ フュン ヒュヒュヒュヒュッ シュンッ ゴォッ ヴォォォンッ ヴッ ビュンッ シュシュバッ ウホッ ティウンティウン バッ シュヒュシュヒュンッ ビュヲンッ デュンッ フォッ テュンッ ヒュッ ジュッ シィィッ ゴォォ ヒュヒュッ ウォンウォン ディディディウン
風を切裂き飛ばされて来る、『一般人が当たったらもれなく死にます☆』みたいな弓矢や鎗、斧に魔法を真っ向から二本の武器で撃ち落とし逸らし弾き防ぎ、それでもカバーできていないのは空気が少し歪んだように見えるなぞの障壁で当たる直前に防がれていた。少年は無傷、廊下はズタズタボロボロ。
「マジで巫山戯た野郎だぜ・・・ありえねぇっての・・・
お前ら!攻撃の手を緩めるな!いずれは隙ができるはずだ!暇を与えるな!相手はたった一人だぞ!こんなのにこの人数で手こずるなど有り無いはずだ!」
「くそっ・・・ンのヤローっ!(でも事実1隊対1人なんだよな・・・俺らの攻撃が通用しないのが変だぜ)」
隊長格の叫びに呼応するかのように攻撃の弾幕はさらに大きくなり隙間が減る。
城の廊下はというとそりゃあもう・・・
武器が刺さり、焼け焦げ、凍ったり、穴だらけになっていた。
しかし少年の通る床だけは無傷のままだった。
「流石にここからはしっかり防ぐ様子を見せるかな・・・」
誰に言うでも無く口にすると、
「《鳳凰ブレード》解除。【超盾】」
歪みが消えると同時に直径2m、半透明の黄色い円盤が少年の1mほど先に出現した。
ありとあらゆる攻撃がその盾に阻まれて一切合切通らない。
ゆっくりと歩を進める。ジリジリと交代する兵士たち。優劣は反転していることが明らかだった。いくらやっても攻撃が効かない、と兵士たちは一斉に手で持つ武器を構え、突撃する。はい、負けフラグ。
「【突風】」
刀を前に突き出すと盾を通り抜けて薄い灰色の渦を巻いた突風が通り抜けた。廊下の幅、高さギリギリで駆けるそれは武器を、魔法を、兵士を飲み込み奥の方で「ガハッ」だとか「グゲッ」とか「イギャッ」だとか様々な「ゴフッ」悲鳴を「グヘッ」「ガッ」上げ・・・「ハバッ」うるせぇよ!いつまで攻撃喰らった悲鳴遅れて出すんだよ!
(´・ω・`)ショボーン
叫んだ人とかそうでない人もまとめて廊下の奥にのびていた。
誰1人として刀による怪我はしていない。
階段を上がりながら
「さてさて、次は?」
大広間ではお待ちかねのさらに大量の兵士や階級が高そうな兵が攻撃の雨でお出迎え。
全て盾に防がれる→少年無傷。
誰もがたじろいだ。
その攻撃が緩んだのを見ると、
「【指定切り】」
何を狙うでも無く刀と剣を乱雑に振り回し始めた。あらゆる位置で悲鳴が上がった。
それは大広間全体、階段や二階部分からも生まれていた。
ものの数秒で静かになった。
「ま・・・待て・・・貴様は何者・・・なんだ・・・?」
おや。意識があったようです。
通りすがりにかけてきた声を無視しました。
もう一回刀を振り、あっさり気絶させました。
少年の歩く音が響いていた。
城突入から僅か20分。
あれだけ騒がしかった城はおとなしくなっていた。
人々は王を恐れて城に近づこうとしない。
それ故に、誰も異変に気がついていない。
3階に有るもう一つの大広間。真上が王室だ。
階段に向けて歩いていた時、
「止まれ」
階段から何者かが降りてきた。
「あの兵の数を潜り抜けたのか。称賛に値するぞ。名乗るがよい。我直々に倒してしんぜよう」
ただ者ではない感じなおっさんが現れた。
「名乗れ、って言う場合は自分から先に名乗るのが一般じゃないですかぁ?」
軽口を叩きつつ、少年はその男を視た。
【超盾】パールド
防御系
自分の目の前に円盤状の膜を発生させ壊れるまで攻撃を防ぎ続ける。
大きさは熟練度による。
【突風】つきかぜ
風系
正面一直線状に風の渦を発生させ回りにあるものを巻き込んでいく。
ちなみに右回転。
【指定切り】どこを斬っている?
空間系
自分で意識した場所が攻撃範囲に変わり、元々の攻撃範囲内には『攻撃』が存在しなくなる。範囲は使用者の半径500mくらい。