僕は君に恋してると想っていたが、本当は愛してたんだと思う。
”僕は君に恋してると想っていたが、本当は愛してたんだと思う。”
彼女と付き合ったのは、“軽いノリだった。”
たまたま入った風俗店で知り合ったこの女!
“一回だけの体の関係。”
でも? この時、初めて風俗店で働いている女性と僕は親密的な話しを
したんだ。
彼女は? 親の借金で風俗で働いている事や夢は看護師になる事らしい。
普通、こんな店でこんな話をしないのだけど、、、?
たまたまだったんだと思う。
何気なく彼女に話しかけられた僕もつい、今の不満を話してしまった。
職場で僕は少し浮いている存在で、若いのに仕事が出来るから歳のいった
職場の長老みたいな男に僕は妬まれて嫌がらせをされていた。
今までは誰にもこの話をした事がなかった。
僕にとってどうでもいい話だと思っていたし、いつか会社を辞めて自分の
会社を立ち上げるつもりでいたから気にしていないフリをしていたんだ!
・・・でも? 本当の僕は凄く気にしていて、心が傷ついていた事を僕自身が
知らないようにしていた事も分かった。
彼女に話した事で、僕の心が少し楽になったからだ。
知らず知らずのうちに僕は心に傷を負っていた。
そこから僕はちょくちょくその風俗店で、彼女を指名するようになったんだ。
彼女とは顔見知りになり、お店以外でも会うようになった。
『“いつまでアノお店で働くつもり?”』
『借金を全額返済するまでは、仕方ないじゃない。』
『僕も一緒にお金を返していくから、普通の仕事してほしい。』
『“・・・普通の仕事? 大暉がそんな事言うと思わなかった、”』
『ガッカリした?』
『まあね、』
『でもさ、やっぱり辞めてほしいと想ってるんだ!』
『・・・分かったわ、そこまで言うなら、辞める。』
『うん、ありがとう。』
『別にいいわよ、大暉がそこまで言うなら辞めるしかないじゃない。』
『そっか。』
『うん。』
彼女はその日から、風俗店の仕事を辞めてくれた。
僕も少しホッとしていた。
僕が知らない男にお金で抱かれる彼女を見たくない!
借金があるなら僕も一緒にその借金を払っていくから、あんな仕事は
やっぱりしてほしくないんだ。
“男は好きな女には普通そう思うのだろう。”
・・・ただ彼女は少し僕にこれで不満を持ったらしい。
彼女にとって、“この仕事は体を売るだけのモノ、割り切ってしてる仕事に
すぎなかったのかもしれない!”
高収入のこの仕事を辞めて、パートの仕事を始めた彼女は今の仕事の給料に
納得出来ないと僕に言う。
『“パートの仕事って、本当に給料が安いし遣り甲斐もないのよ。”』
『まだ仕事に慣れてないだけだよ。』
『違うわ! 私はやっぱりアノ仕事が好きだったのよ!』
『“初めて会う男に抱かれる事が?”』
『嫉妬してるの?』
『えぇ!?』
『“彼氏気取りしないでよ!”』
『・・・そ、そんなつもりはないよ、』
『じゃあ、私はまたアノお店に戻るわ。』
『・・・もう勝手にしろよ、』
『勝手にするわよ!』
・・・初めてこの時、僕と彼女は口喧嘩をしてそのまま別れる事になる。
いや? 元々付き合ってなかったんだ!
僕は彼女に付き合ってほしいと言った事もないし、彼女に好きだと一回も
言った事がなかった。
だから彼女が僕に、“彼氏気取りしないでよ” と言ったのだろう。
今思えば? 確かに彼女が言った通りだ!
軽いノリで彼女と一緒に居る時間を作り、僕は彼女に恋をしていたと
思っていたが、彼女が僕から離れて行って初めて自分の心に気が付いた!
“僕はいつの間にか、彼女を愛していた事を知る。”
だが、彼女はもう僕の所に戻って来ることはないんだと思う。
“僕の愛する女性は今も、風俗店で働いている。”
そして今日もお金を貰い、知らない男にまた彼女は抱かれているのだろう。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。