第二話:重ねた運命
女性の目は閉じたまま、もう取り返しはできないと、そう認識せざるを得ない
『ヴィーナス卿、オリビア陛下はもう亡くなりました、役目を果たしてください』
『…君たちはいつもそうでしたね、わが国の陛下は亡くなったばかりに、何も感じないのはあんまりではないか?』
『お気持ちわかります、だか、我々も宿命がありますので』
命ほど大事な事が起こったばかりなのに、目の前の男はそれはどうしたと言うように、先に進んでいる、これは信仰なのでしょうか?まるで全ては、運命に記されたように、進むだけすれば良いと言う振る舞いとしている。
『…わかった、私も、役目を果たそう。姉妹は王族ではなく、貴族として、我がもとに育ちしよう、そのいつの日が来るまで。そして、わが国の事情ですが、そちらの手合わせはよろしく頼む』
『はい、既に整っています、オリビア陛下は賢王の修行として、我が国、聖国ビアナに滞在する予定です。そして、双子の姉は聖女として育てるように、教育に介助します、ご理解いただけますか?』
『あぁ、わかってる…ねぇ、長い付き合いだし、聞かせてくれ、君はそれでいいと思ってるのか?他の感情とか何もないですか?大司教ベラムよ』
『厳しい言葉ですね、私なりに考えもありますよ。でも、努力の結果は良いと限らないだからこそ、自然にこうなりましただけだ、君も神への信仰があるとしたらわかるはずだ、すべては神の意のままに』
『全く理解できないわ、すべての事はもう決めているとも言うか!』
『はい、ご理解ができる日が来るように祈りますよ』