97 我儘で癇癪魔のアジュリンダ姫(アジュリンダ姫side)
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――アジュリンダ姫side――
ストレリチアのアツシと呼ばれる男性が物凄い勢いで店を作りこの国を発展させている。
――そう話を聞いたのは一年ほど前の事。
わたくしの周りに届く品々は甘いお菓子ばかりだったけれど、どれも美味しくて目を見開いたわ。
こんなお菓子すら用意できるだけの財力がある男ならば、見目麗しければ嫁に行ってやらなくもない。
そう思っていた。
所が、アツシには既に婚約者がいる様で、その者以外を妻には娶らぬと言う話を聞いた時は流石に頭にきた。
その上、お母様たち三国の王がジュノリス大国に行った後、そのアツシと言う者はジュノリス大国王太子にまで立場を上げたのだから発狂しそうだった。
わたくしを未だに支援する数少ない貴族たちと話し合い、ジュノリス大国に『ノスタルミア王国』からの書簡を送ると返事が無かった。
可怪しいと思いつつももう一度手紙を送ろうと話し合っている時、貴族の一人が「そんな悠長な事をしていては駄目です! アツシ様を呼んで既成事実を作りましょう!」と言う言葉に、それならば確実にアツシと婚姻出来ると考え色々準備してからわたくしの執事にストレリチアのアツシの家に行って連れてくるようにと伝えた。
所が――やって来たのは怒り狂ったお母様だった。
「アジュリンダ。言いたいことは分かりますね?」
「なんの事かしら?」
「前触れもなくジュノリス大国王太子であるアツシ様を呼ぼうとしたことです」
「何故それを知っているの……」
バレないと思って紅茶を飲もうとしたけれど、まさかお母様にバレるなんて思ってもいなかった。
すると、アツシの家では四国の王が集まり『国の報告会』が行われていたそうで、レアスキルを持っているアツシ故に出来る凄い事なのだと教えてくれた。
その際に、私の執事が来てしまいお母様にバレたと言うのだ。
全く運のない……。
王家からの申し出に逆らうことは無いだろうと思っていたのに、お母様がいたのなら意味がないじゃない!!
「アツシとカナエは近いうちにジュノリス大国にあるテリサバース教会で結婚式を挙げるそうですよ。ジュノリス王も大変楽しみにしておられます」
「なんですって!?」
「貴女の無謀なお陰でもありますね。アツシとカナエはこれ以上馬鹿が出ないように身を固める決意をしましたよ」
「ば……馬鹿ですって!?」
「愚かと言えば良いかしら?」
「いくら何でも酷いわ!!」
「決定的な決断は貴女の無謀な呼び出しからですよ。しかもノスタルミア王国からの書簡と言う事で結婚の打診までしたそうですね。ジュノリス王も馬鹿げたものが来たと返事を返さなかったそうです。手紙を見せて貰いましたが、大変恥ずかしかったですよ。国に貴女は恥をかかせたのです」
「!」
「一ヶ月後の塔への幽閉でしたが、私も流石にこれ以上貴女を放置する事は出来ません。明日塔に入れます。今日一日自分がどれだけ恥ずかしい事をしたのかシッカリ反省しなさい」
「明日ですって!?」
「明日まで待つのが親としてのせめてもの情けです」
そう言ってお母様は踵を返すと部屋から出て行った。
わたくし、明日には塔への幽閉が決まるの……!?
ど、どうしたらいいのかしら!
塔に入れば死ぬまで出てこれないと聞いてますもの!!
何が悪かったのかなんてわかりませんわ!!
お姉様を亡き者にしようとしたことかしら!?
アツシを呼び出そうとした事かしら!?
それとも国庫に手を付けてストレリチアからお菓子を沢山買おうとした事かしら!?
色々ありすぎてどれが決定的だったのか分からないわ!!
兎に角何とかしないと明日には塔に入れられてしまう!!
それなら城から逃げてどこかの貴族の家に避難すれば――!!
そう思ったけれどドアの前には女騎士が立ち、外に出る事も出来なくなった。
――幽閉される!! お母様は本気なんだわ!!
そう思った時には既に遅く、翌朝わたくしはただの白いワンピースを着せられ北の塔に連れて行かされ、用意された部屋に入れられると数名の侍女だけを残し、塔での生活が始まった。
何度も逃げようとしたけれど出入口は一つだけ。
そのドアが開くことは無く、鍵までシッカリ掛けられていた。
食事は囚人が食べるような食事に代わり、一ヶ月はそれで我慢せよと言う通達があった。
なんと虚しい事か。
お姉様さえ死んでしまえば自分がこの国を乗っ取って好きにできると思っていたのに!!
唯一わたくしに優しかったお父様は、私が5歳の頃に亡くなってしまった。
流行り病だった……。
わたくしの心はそれから成長を辞めたかのように、兎に角お姉様を殺す事ばかり考えて生きて来たのも、きっと分かっているのね。
何時も美味しく食べていたお菓子も食べれなくなって。
お洒落に着飾っていた服も着れず。
宝石だって買う事は出来ない。
これから死ぬまで塔での生活は、若い私にとっては辛い現実しかなかった。
でも、きっとわたくしを支援していた貴族たちが助けてくれる!!
そう思って待ち望んだけれど、それは来る様子すらなかった。
後で聞けば、わたくしを助長した罪で囚われ、家が潰れたと言う話を聞いた。
これでは外に出る事も出来ないじゃない!
「お母様に連絡して頂戴。反省したら出して貰えるのかどうか」
「一生其方での生活だと言うお話です」
「反省したら出して貰えるはずよ!!」
「言葉だけの反省は見抜かれますよ」
「くっ!! わたくしの言う事が聞けないの!?」
外は見えないけれど門番がいるのは知っている。
だからこそ、こうして頼んでいると言うのに全く聞く気が無い!!
なんて無礼なのかしら!!
そんな押し問答を毎日していると、お母様から手紙を頂いたと言って侍女が持って来てくれた。
お許しが出たのだとワクワクしながら開けて読むと、そこには毎日門番に文句を言っている事や全く反省がないと言うお怒りの言葉が並んでいて、更に半年は囚人の食事とするとまで書いてあった。
嗚呼――……わたくしはまた半年囚人用の食事なの?
甘いお菓子も食べれない。
甘い飲み物も飲めない。
紅茶だってストレリチアの物が飲みたいのに飲む事すら出来ない。
なんて惨めなの……。
八つ当たりしたくても家具すら殆どないこの部屋では枕に八つ当たりするのが精々で。
侍女たちは用事が無くなると部屋から出て行ってしまう。
次第に心が弱って行き、ベッドから中々起き上がれなくなってしまった。
それでも尚外に出る事は許されない。
でも時間だけはタップリあって、只管反省する為の時間として使う事だけが許されていて。
「全てを持って生まれたお姉様が悪いのに……わたくしは悪くないのに」
そう呟いても、誰も聞いてくれない。
侍女だっていない。
昔は姉妹仲良くしようとしたけれど、結局わたくしが癇癪を起こして駄目だった。
どうしてわたくしばかり……そう文句ばかりでるだけで、反省する気持ちは何処にもないまま時だけが過ぎていき、流行り病で亡くなるまでずっとずっとお姉様とこの塔に入れたお母様を恨みながら最後は若くしてこの世を去る事になるとは、この時思ってもいなかった――。
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