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★祝450万PV★召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。【完結】  作者: うどん五段
第三章 ラスカール王国とダングル王国に光を!!

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87 アツシ先生の元での国王二人が揃った授業。

お越し下さり有難う御座います。

本日最後の更新です。

明日の昼12時の更新ですのでよろしくお願いします!

応援よろしくお願いします!!

上機嫌でナノの授業を受け持ってくれることが決まり、ホッと安堵してから明日シュウに話す事にした。

そして次の日の昼を食べ終えてから、扉を使ってシュウとラスカール王がやってきた。

授業の前にシュウに話さねばならないな。



「いらっしゃい」

「先生ただいま」

「はい、宜しくお願いします。授業の前にシュウに話す事があるんだ」

「はい、

なんでしょう?」

「ナノが先生と合わないと話していたな。それでこちらのノスタルミア王国女王陛下の妹君であり、侯爵夫人のナディア様に相談したところ、ナノの事を受け持っても良いと言う事になったんだ」

「本当ですか!?」

「午前中は勉強があると言っていたから、午後からダングル王国か此方での勉強になるんだが」

「それなら、是非こちらで。あちらでは監視されてるようで気が進まないのです」

「監視か……まぁ王族だから人は付くだろうが」

「ナノも我慢はしているようですが、どうにも合わない人は居ます」

「今はまだ追い出すには早いから我慢の時だな。 ナディア様も空気があわない事もあるから、此方で問題ないそうだ。ナノの授業は明日からでも出来るそうなんだが」

「きっと喜びます。今日おやつ時間になったら来ると言っていたので教えてあげます」

「ああ、その時は先生も加わろう」



こうして三人でリビングに移動し、既にノートとペンを持って待機していた菊池とカナエに驚きつつ国の成り立ちやどう発展させていくのかの勉強会となった。

国の成り立ちは二人共腐った王政から代替わりして現在頑張っている所なのである程度省略したが、【国の発展】には力を注ぎたい所だ。



「国の発展にはまず仕事と雇用があり、尚且つ国民や貴族がお金を落として経済を循環させて行かないと駄目なんだ。雇用を作るにも国が持つ得意分野、得意産業が無いと発展はしにくい。ダングル王国で言う所の畜産や塩だな」

「そうですね、畜産で国民の食を安定させる為にも家畜となる魔物を増やして行かねばなりません」

「なるほど、寒い土地で何を育てて食べているのかと思えば、ダングル王国は畜産に力を入れているのか」

「はい、食べられる魔物を飼育し、肉にする為に畜産に力を入れています。が、バルガスの所為で滅茶苦茶になってしまって、一から出直しです」

「家畜は残念な状態だが、家畜を増やすにしても飼料、餌が必要になる。幸い作物は豊富にあったが、獣人達が食べる分と家畜が食べる分の作物を育て収穫する為の雇用が発生する。だが、それだけでは到底足りない。まずそこまでがセットで一つの産業となる訳だが。次の第二の産業を考えなくてはならない」

「確かに」

「畜産だけでは『国民を飢えさせない』と言う考えで行けば何とかなりますが、それだけでは足りないのですね」

「そうだな。第二段階として国内循環、第三段階として国内での商売と外の国への輸出・外の国からの輸入と言う点が挙げられる」



この言葉に二人は目を丸くし、多分そう言う事を誰も教えてこなかったのだろうと言う事が理解出来た。

自国さえ回して行ければいいと言う考えだったのだろうが、それだけでは国はそこで止まる一方でそれ以上の発展は見込めない。

国を豊かにし発展する為に必要なのは、輸出と輸入も考えなくてはならない事を伝えると、二人はノートに書き記していた。



「輸出と輸入と言う言葉を初めて聞きました。外の国に物を売り、外の国の物を買うと言うのは盲点です」

「ああ、私もそこまで考えたことが無かった。国内さえ安定すればとばかり」

「それだと国の中で同じ物だけ作り飽和状態になり富まない。だから自国に多くある物を外の国に売り、自国に足りない物を外の国から買うんだ」

「先生凄いです!!」

「これは面白い視点だ。確かに輸出と輸入と言うのは新しい概念だ」

「だがその為には第一段階である国の中が富まねばならない。輸出も輸入もあくまでそれが整った第三段階と考えてくれ」

「「はい!」」

「話を第二段階の国内循環に戻すが、国内産業で潤った後は国民に還元する事が重要だ。還元の仕方も国が富んでからだが、国内の道を整備したり、学校を建てて子供たちが読み書き計算を学べるようにしたり、病気や怪我の治療費を国が何割か負担したり、孤児院や老人の終の棲家を国が運営したり色々だな。それに加えて国内で金がもっと回るように動かねばならないが、衣食住があって、仕事があってこその問題でもある。雇用を生み出すためには何が必要だ?」

「店を作る?」

「特化した専門店とかか?」

「それも一つの方法だな。国民が富めば自分たちに使うお金が増える。納める税金の額を増やす事も出来る。国が国民に還元しながら、国民からも国に還元して貰うと言う国内循環が必要になってくる」



そう伝えると、「国と民とで循環」と二人は驚き、急いで書き記していた。

書く内容が多いのか二人は無言でノートにペンを走らせている。

この授業が実を結ぶかは不明だが、間違いなく二人ならやってのけるだろう。

最初は二つの国からでも――。



「国内循環は、食べ物や服といった商品が主流となるのでしょうか?」

「それは様々な【職種】があってこその問題となるな」

「しょくしゅ……ですか?」

「仕事の多様さだ。服を作るにしても布を作る人たちが必要になり雇用となる。布があれば服を作ると雇用が生み出される。それを店に売るとなれば、店舗やそこで働く人々が更に雇用となり、手に仕事を得ることが可能となるのは分かるな?」

「「はい」」

「そう言う万遍無く雇用を生み出していき、狭い視野ではなく広い視野で様々な職種、仕事を受け持つ人々が居れば、それだけで雇用問題は安定し、国は更に潤う。その他のこれは俺がこの世界の人間ではないからこその考えだが、ダングル王国にもラスカール王国にも【冒険者】と呼ばれる人々がいる。彼らの持ってくる素材を使った品物も多いだろう?」

「確かに、我がラスカール王国では主な産業はないが、魔物が多い為冒険者の数が兎に角多い」

「ならラスカール王国では、冒険者を相手にした商売と言うのを国民がして行けば?」

「なるほど……酒場を作るだけではなく、もっと別の方法で……」

「そうなるな。ラスカール王国では武器や防具を作る産業も多いと耳にしたことがある。その為には冒険者の持ってくる品物と、後は武器を作る為の武器職人が必要だが、それ以上に忘れがちなのが――鉄を掘る為の鉱山、そっちの仕事もまた大きな重要性が出てくる」

「確かに、目を向けていなかったが、彼らが居ないと武器も防具に使う為の鉄や鋼と言った物は作れない」

「国の土台を支えるのは、専らそう言う人達が多い。その事を忘れないように」

「「はい!」」



そう言ってノートにペンを走らせる二人。

見落としがちだが、ライフラインとてそれを考える人、作る人、メンテナンス出来る人が居てこそ成り立つものだ。

縁の下の力持ちと言う奴だな。

そこにも目を向け、細々としているが目を配りつつその次に行く事はとても大事な事だ。

土台がシッカリしていなければ国はあっという間だからな。



「国としての土台はしっかり守ってこそだ」

「確かに国の土台となる彼らはそれこそ治療費の軽減や賃金を上げるなどして行かねば成り立たない」

「国の土台と言うのは、とても大きな事なのですね」

「そうだな、土台がシッカリしていれば早々崩れることは無い。その土台の上に国民もいて、国民の上に貴族が居て、その上に王や重鎮たちがいる。その事を忘れている古い狸たちは出ていって貰っても構わないんだがな」

「当たり前すぎて私たちも忘れるところだった」

「反省しないと行けませんね」

「反省したのなら大いに結構。その事を忘れず目を配り、その土台の為の役人だって必要だ」

「そうですね……地味な仕事だと嫌がる者たちが多いですが、彼らがいてこその国の安定なんですよね」

「そうだな、国の土台が無ければあっと言う間に……」

「そう言う事だ。その上で次の産業、次の産業と増やして雇用となり、国は安定して循環するようになる。下だからと蔑ろにしていては、あっと言う間だぞ」

「「はい!」」



土台がシッカリしていれば早々国は倒れない。

だが上が馬鹿だと実際の土台を見ず、頭の中の自分に都合のいい国民しか見えなくなる。

それでは国は破綻するだけだ。

耳にしたくない言葉でも耳を傾ける事はとても大事な事で、悩みながら進んでいくのが国と言うもの。

二人の国では臭い物には蓋をと言う考えの古狸が多すぎる気がする。

それでは古狸の思う壺で、蓋を開けたら国が傾きかけていたなんて事になりかねない。

重鎮は多くなくていい。

ある程度の人数がいて、それぞれが国民をしっかり見れる、声を聞けるものならば、国の発展は望めるのだ。

理想的ではあるが、それが出来る重鎮と言うのは少ない。

二人の国が、もっと風通しのいい環境で国を回して行ければいいが……。

そう思っていると――?



読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

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誤字脱字報告とても助かっております!

とても多くてすみませんm(__)m

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