86 ナノの為に最高の先生を!!
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俺も色々と質問されてもいいように気合を入れるか。
その前に、モルダバルド侯爵夫人のナディア様にお伺いだけ立てておこう。
そう思い応接室に向かい手紙を出し、手紙が来るまでの間、月の売り上げを計算して目を傷めていたのは内緒にしたい。
その後暫くしてからナディア様から連絡が届き、依頼を受けてもいいが支払いはどうするのかと言う話が飛び込んできた。
確かにこれだけの大物に習うとしたらそれ相応のお金が動くか。
そう思っているともう一つ手紙が来て、そこには一般的な金額と自分がした場合の金額の差額が書かれていて目を見開いた。
流石ノスタルミア王国女王陛下の妹君……値段は半端ない。
だが、これを出し渋れば間違いなくナノのこれからの人生に関わる。
そう思い筆を取った時、もう一通手紙が届いた。
そこには金額について驚いただろうと言う文面と共に、姉の持つピアノと同じものをプレゼントしてくれるなら、それで請け負うと言う内容が届いた!
どっちにしろ高額!!
だが、出し渋りは良くない!!
俺は「是非ピアノを送らせて頂きたく存じます。ご相談したい事もある為、急ではありますが本日夜8時にそちらにお伺いするのは可能でしょうか? その際ピアノも届けたく存じます」と返事を返すとまた直ぐに…
「遅い時間なので気を付けて来るように、楽しみにしている」と言う連絡が届いた。
「よし、後はシュウの許可を貰うだけだな。とは言っても流石に寝ている時間かも知れない。明日うちに来た時に聞いてみよう」
「どうしたっすか?」
「先生どうしたんです?」
「ああ、菊池に井上か。ナノの事でちょっとな…。王族としての教育が始まったんだ、先生と合わないそうで困っていたらしいんだ。そこでノスタルミア女王の妹で、侯爵夫人のナディア様にご指導をお願いしたら了承して貰えてな」
「「凄い先生選びましたね」」
「他国であっても元王族から学べる事はナノにとっても人生のプラスになる。それにナディア様ならナノを上手く導いてくれそうな気がするんだ。まあ、女王陛下に贈ったのと同じピアノを御所望なので、かなり痛い出費だが……」
「「うわ……」」
「ナノの人生と、シュウに群がる古狸は一掃する。その為には知識が必要だ。出来るだけ多くの知識が必要だが……正直俺の管轄外ではあるんだよなぁ」
「先生珍しく自信ないっすね」
「珍しい」
「国の発展についてとかは歴史学でも学ぶ分野だが、完全なる知識となると難しい。とはいえ手を抜くつもりはないし、出来る限りこの世界にあった教え方をしなくてはならない」
「ああ、アッチの世界とこっちの世界とではまた違うから」
「そこっすね先生が悩んでたのは」
「大体はそう言う所だな」
「ぶっちゃけ、先生の教え方って素人でも解りやすいっていうか、入り口は凄く分かりやすいんすよ。問題は無いと思うっす。俺も参加したいっす!」
「俺は仕事があるから無理だな……」
「井上は酒店の店長に気に入られてるからな。そっちで頑張ってくれ」
「はい」
「俺とカナエは一緒に授業に参加していっすか?」
「ああ、構わないぞ。勉強時間は昼食後から3時のおやつまでだ。仕事は今迄どおりきちんとすること、効率よく各店を回ってくれよ」
「はいっす!」
こうして菊池も一緒に勉強に参加することになったが、新しいノートと万年筆が彼等には使いやすだろうか。これで一応書いて行けば問題はないだろうが。
するとカナエが入ってきたので、ナノの教育係をナディア様に依頼したことを告げると、「何を対価に?」と言われたので、恐る恐る「女王陛下に贈ったピアノと同じものを」と答えると、カナエに頭をポンと叩かれ「安い金額で最高の教師雇ったじゃない?」と反対に笑われた。
「安いってことは無いだろう」
「いいえ、ナノのこれからの人生を考えれば安いわ」
「それはそうなんだが」
「ナノには武器が必要になる時が来るわ。王女としての武器も、女性としての武器もね。両方を教えて貰えるなら安いもんよ」
「カナエ……」
「良いわ、ガッポリ稼いだ私のお金でピアノは買う。その代わりサポートはさせて貰うわよ」
「ああ! 本当にカナエは理想の妻の形だな!」
「あら、早く嫁に貰っても構わないけど?」
「君がハタチになったら妻に貰う」
「んー? ま、しょうがないか」
こうしてカナエの許可を貰いホッと安堵し、これでナノの問題は何とかなりそうだ。
後はラスカール王とシュウと菊池、それにカナエも交えた勉強会となるが……、両国になんとなく、ジュノリス大国が送り込んだ大臣も数名居たような気がする。
彼らは古い考えが特に強く、俺達の事を利用しようとしたのもその一派だと思う。
――宗教国家と言う割には、金にがめつい匂いがするな。
何れ追い出す算段だが、何かしらの尻尾を掴めればいいが。
向こうも俺を排除しようとするだろう。
使うだけ使った後は排除して、異端者と言う扱いは良くある話だ。
特にああいう奴等はそれが得意分野と言うか、お家芸だろう。
その夜、カナエが女王陛下に贈ったピアノを空間収納に入れて何時ものスーツではなく特別なスーツに身を包み、夜8時前にモルダバルド侯爵家に到着した。
俺達は馬車を持っていないので瞬間移動だが、モルダバルド侯爵の家令が待機しており「ようこそおいで下さいました。ナディア様がお待ちです」と言われ中に着いて行く。
案内されたサロンには古びたピアノが置かれていて、バイオリンとの差が激しい。
それから直ぐナディア様は夫のロディ様とサロンに来られ、ナノの授業の御礼としてピアノを取り出した。
「ああっコレよ! お姉様が持っていらして、わたくしも欲しかったのよ!」
「それは良かったです」
「しっかりと頼んだものは貰いましたし、ナノさんの授業はわたくしが担当致しますわ。」
「引き受けてくださり、ありがとう御座います。」
「授業はダングル王国で行うのかしら?」
「その事をご相談出来ればと思っております」
「アチラの国にもメンツがありますので、ナディア様にダングル王国で授業をして貰うに何か危険があってはと…」
「そうね、空気が合わない場合もあるわね。」
勘の良い方で助かる。
「そこで、ミスアーナの俺の家でと言うのはどうでしょうか?」
「そう、必要な物があったらドンドン言うけど宜しいかしら?」
「ええ、構いませんよ」
「では、あちらと話を付けてくださいな。」
「それでしたら昼食後から昼の三時まで、シュナイダー王とラスカール王が俺の家で勉強会をしますので、ナノも俺の家で勉強することにします。」
「時間が短いわね。その後もレッスンは続けられるけど、何故お昼の三時に終わらせたかったのかしら?」
「俺の家の決まりで、昼三時にはおやつタイムと言われて子供も大人もお菓子や飲み物を楽しむ時間があるのです」
「なら、わたくしも参加したいわ。それもレッスンになるわ」
「え!?」
「おやつタイムの後は淑女としての授業を続けて夕方5時に終わらせます。長いように感じるけれど、これも大事なことなのよ」
「そうなんですね。シュナイダー王とラスカール王はおやつタイムの後は各国に戻り仕事になりますので。」
「わかったわ、ナノさんの事はわたくしに。それからドレスはうちの娘が小さい頃に着ていた物を持ってくるわ。安心して頂戴」
「はぁ……分かりました」
「わたくしも娘たちの授業は担当していたの。任せて頂戴ね」
こうして上機嫌でナノの授業を受け持ってくれることが決まり、ホッと安堵してから明日シュウに話す事にした。
そして次の日の昼を食べ終えてから、扉を使ってシュウとラスカール王がやってきた。
授業の前にシュウに話さねばならないな。
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