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★祝450万PV★召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。【完結】  作者: うどん五段
第三章 ラスカール王国とダングル王国に光を!!

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73 ラスカール王からの依頼と、農地視察と復活の糸口。

お越し下さり有難う御座います。

本日最後の更新です。

明日も昼12時の更新ですので応援よろしくお願いします!!

暫くすると商業ギルドを訪ねて欲しいとの事で、俺達は歩きながら街並みを見つつ商業ギルドを目指す。

さて、この国は今どんな状態だろうか――。

商業ギルドに着くとギルドマスターは俺を覚えてくれていて、とても喜んでくれた。

応接室に通されると城から文官が一人やってくると言われ暫く待っていると、一人の男性が応接室に入ってきて「ラスカール王国で文官をしていますピシエールと申します。以後お見知りおきを」と挨拶され、俺達専属の文官として付くらしい。

何でも王からの依頼を伝える為にも来たそうで、農地をみて貰い、農地を復活させることが出来るか調査して欲しいそうだ。作物を販売する市場、それに銭湯の三つの依頼をピシエールさんに言われ、俺は頷いて「やってみましょう」と伝えた。

ギルドマスターからはワクワクした顔でこれまでの事を聞かれたが、俺も聞きたいことがある為その事を伝える。




「あ、そう言えば聞きたい事が」

「何でしょうか?」

「勇者として召喚された水野の遺体は埋葬されたんですか?」

「こちらではそこまでは把握していません。亡くなったとしか聞いていません」

「そうですか」

「ただ、どこかの冒険者が傷だらけの少女を助けたとかで、その名前がミズノだった気がします」

「「!」」

「此処には冒険者の家もそれなりにあります。ミズノという名前は此方では聞かない名前なので…、保護されているかもしれません。」



初めて得た水野の話に俺達は顔を見合わせた。

やはり水野は生きている――?



「なるほど。連絡が付く可能性は?」

「冒険者が相手であれば冒険者ギルドを通した方がいいと思います。此方から連絡を入れなくとも用事があれば向こうから連絡してくると思いますが…。此方での活動拠点を準備すれば訪ねてくるかも知れませんよ」

「なるほど。では商業ギルドに近い土地を紹介して下さい。」



そう要望を伝えると直ぐに良い場所を教えてくれて、その場所を買い抑えると四人で向かい、直ぐにホテル式の拠点を作り上げた。

生活に余裕をもっている雰囲気を町の人から感じなかったからだ。



「これがレアスキルと言うヤツですか。オスカール王国時代にハズレスキルと呼ばれた二人が居たと聞いています。それがあなた方なのですね」

「ええ、俺達が元オスカール王国時代にハズレスキルと言われて放逐された二人ですよ」

「オスカール王国も馬鹿な事をしたものですね。いえ、元々屑しか集まっていませんでしたが」



そうピシエールさんが口にしたが、余程オスカール王国が憎いらしい。

今の国王は良い人だが、良い人過ぎて国として成り立つのかも難しいと語る。

故に、宰相が頑張っているらしいが……貴族の納めていた税金がゴッソリなくなっているのだから貴族が戻ってくるようにまずは整えねばならないという事だろう。



「ある程度出来る事は頑張りますが、それ以上を求められても断りますよ」

「それで結構です。まずは明日の朝10時に商業ギルドにて農業ギルドマスターを待ちましょう」

「分かりました。農業ギルドへの連絡は商業ギルドからしておきます。遅くなりましたが私の名前はゾナードと申します。」

「よろしくお願いしますゾナードさん」



こうして各自解散となり、俺達は部屋に入ってフウ……と息をつくと、二人だけの家への扉を作りそこでまた甘い一夜を過ごしつつ次の日の為の気合いを入れた。

そして翌日朝10時前――。俺達は何時もの服装に着替えて外に出ると、王都の人たちは一夜にして出来た三階建ての建物を見に来ていたが、俺達を見て呆然としていた。



「おはようございます! 良い朝ですね!!」

「おはようございます」



そう大きな声で挨拶すると皆さんは道を開けてくれたので商業ギルドへと向かうとピシエールさんと商業ギルドマスターのゾナードさん、そして農業ギルドのギルドマスターであろう筋肉質な男性が待っていた。



「少し遅れました。家の前に多くの住民が集まっていたもので」

「それはそうでしょうね。ここからでも見えます」

「それでは、そちらが農業ギルドのギルドマスターでしょうか?」

「おう、ビスコスだ。死んだ農地に案内するのは気が引けるが……仕方ないな」

「色々お伺いしたいこともありますので、農地を見せて貰いながら話をしても?」

「分かった」

「じゃあビスコス頑張れよ」

「テメーに言われたくねぇや!」



どうやら商業ギルドのゾナードさんとビスコスさんは仲が余り良くないのか分からないが、話しながら農地へと向かった。

前は沢山の作物を植えて国の皆が飢えないように管理していたらしいが、斬首刑にされた元オスカール王らが、畑に薬物を植えさせた事により畑が死んだとビスコスさんは語る。

辿り着いた広大な農地を見て、確かにこれは……と思った。

土の上はひび割れて苔が生えた場所もあり、苔と言うよりはカビに近い気もする。

二人で鑑定を掛けてみると、土は確かに『表面は死んでいるようだ』と出た。

そこでスコップを出し畑だった場所の土をなるべく深く掘り、もう一度鑑定すると『作物を育てることは出来るが、栄養が足りない』と出た。

つまり、畑の栄養となる肥料があれば生き返るという事だ。



「ビスコスさん、畑には肥料を与えた事は?」

「昔はしていたな。肥料だけは薬物を作っていた時も作っていた。今も山のようにあるぞ」

「ソレですよソレ!!」

「は?」

「この畑は生きています。表面は死んでいますが、俺が今深く掘った土なら作物を育てる事は出来ます。但し土に栄養が足りていないので肥料を蒔かないといけません」

「本当か!?」

「ええ、間違いありません。表面は確かに死んでいますし、薬物を育てた事で土の栄養を殆ど吸い取られてしまっていますが、死んだ土を削り、肥料を蒔き畑を耕せばまだ農地として使えます!死んだ土は一箇所に集めておいた方がいいと思います。」

「流石ですね。鑑定を持っていなければ分からない事です」



そうピシエールさんが口にすると俺の腕をガシッと掴んだビスコスさんは涙を流し「本当なんだな!?」と口にした。



「元の畑に戻るまで年数は掛かるかと思いますが、また此処で農業をする事は出来ます。」

「うおおおおおおお!! もうダメかと諦めていた!! そうか、そうか!!」

「肥料は畑全体分あるんですよね?」

「ああ、ある、あるとも!!」

「なら直ぐにでも作業を始めた方が良いでしょうね。ここでの特産品はどんなモノでしょう?」

「大体ジャガイモやカボチャと言った物が多いな。後は人参に玉ねぎ、兎に角沢山だ」

「種も勿論ありますね?」

「ああ、種もシッカリある」

「ならこの事実を伝えて、計画を立てて進めて行った方が良いでしょう。ラスカール王国は常に秋の国ですが寒い日もあるでしょうし」

「ああ、このエリア一帯は常春のノスタルミア王国方面に作ってある。常に冬の国であるダングル王国付近には作っていない。あそこは霜が降りるからな」

「農作物には大打撃ですね」

「兎に角分かった、死んだ上の土はどかして、生きてる下の土に肥料を混ぜて栄養を与えるんだな」

「平たく言えばそうです。俺は農業には詳しくないですが、肥料を混ぜて行けば数年もあれば昔のように作物は育つと思います」

「ありがたい……この国に光が見えた。アツシ殿! 恩に着る!」

「では、直ぐにでも始めてください。話をしてまずは作業の手順等よろしくお願いします」

「おう! 待ってろよ! 必ず腹いっぱい食わせられるようにしてやるからな!」



そう言ってビスコスさんは凄い勢いで走って行き、俺達はもう一度街を歩きながら次に作るべき産直市場を考えていた。

大型とまではいかなくとも、中型くらいの産直くらいは作れるだろうか?

此処は一旦ストレリチア村に戻ってディア様と文官たちとの話し合いが必要だ。



「ピシエールさん。一旦俺はストレリチア村に戻って話し合いをしていきます。農作物を卸すにしても、場所をどれ位確保するか等話し合わねばなりませんので」

「畏まりました。農地と農業ギルドの事は陛下にご報告いたします」

「よろしくお願いします。話し合いが終わり次第戻ってきますので、その際はピシエールさんに連絡を入れた方が良いでしょか?」

「お願いします。商業ギルドに向かわれるでしょうから、そこから私宛に手紙を出して貰って下さい」

「分かりました。ではこれで」

「え?」

「カナエ、飛ぶぞ」

「はーい」



そう言うとニッコリと笑顔を見せて、そのまま腕輪の力を借りて瞬時に消えた。

きっと今頃ピシエールさんは驚き固まっているだろうが、ストレリチア村の役所前に到着すると中に入る。

中は文官たちが仕事をしており、俺の言った「ラスカール王国に農作物を」と言う話もまとめ上げているようで、俺が到着すると立ち上がって頭を下げていた。



「俺たちの事は気にしないで仕事を続けてくれ。ディア様、ストレリチア村からラスカール王国に出せる作物はどれ位か試算は出ましたか?」

「うむ、ストレリチア村の皆が飢えないようにするのと、ノスタルミア王国に売っている作物を考えて……」



と話をする事になったのだが、流石レアスキル【緑の手】の持ち主が三人もいることから農作物は沢山あるらしい。

ドンドン売りに出したいという事だったので、大体どれだけ毎日持って行けるか等を文官の方々が計算していた様で、俺の用意した作物用倉庫で六つあるうちの二つまでなら、毎日運んでも問題ないそうだ。

寧ろ野菜を循環させることが出来る為、助かるらしい。

またパンを焼く工場もストレリチア村には出来ていて、毎日美味しいパンが作られている。

そちらも数はそんなに多くはないがラスカール王国で販売することは可能だという。

一日二回の搬送なら可能だそうだ。

また、果物に関しては直ぐ大きくなる為、ジャムに加工して販売しているのだが、そちらも納品可能だという。

寧ろ出して欲しいと言われ、有難く出させて貰う事にした。

これなら大型産直市場を作れそうだ!!


読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

★をポチッと押して下さるかイイネ等で応援よろしくお願いします!


誤字脱字報告とても助かっております!

とても多くてすみませんm(__)m

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