59 菊池のスキルボードと、拠点の建て替えリニューアル!
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「所で菊池」
「はいっす、なんすか?」
「君のスキルボードを見せてくれ」
「え……」
「よもや、見せられない状態にはしておらんだろうな?」
そう迫ると流石に俺の怒りが通じたのか汗を流しつつ「み、見せるっす」と見せてくれた。
それをカナエもチェックする。するとそこには確かに見慣れた菊池のスキルボードがあった訳だが、この一ヶ月半忙しさのあまり菊池を放置し過ぎたか?
「なんか、色々取ったな」
「はいっす! 子供達にも人気でして」
「は――……なるほどね? なるほど? 男の子には分かるけど」
「女の子も遊ぶっすよ? 特にニノちゃんなんて上手っす」
「器用さ10だからな」
菊池が取っていたスキル、それは――『玩具専門店』『空気銃専門店』『児童本』で最大まで上げてあった。
取り敢えず言える事は、この『空気銃専門店』は暫く使わせないで置こうと言う事だ。
だが、『玩具専門店』『児童本』はナイスアイディアだ。
「だが、子供たちの部屋に玩具なんてあったか?」
「最近入ってないから見てないわ」
「各自ショーケースに飾ってるっすよ。特に男子とニノちゃんにはプラモが人気っすね」
「「プラモ」」
「後は海外で有名なあのレ、」
「それ以上はいけない」
「そうね。でもそれが人気なのね」
「大人向けあるっすからね。ダグラスさんはこう言った細かいのは余り得意じゃないそうっす」
「ふむ。玩具専門店アリだな」
「そうね、玩具専門店はアリね、隅に絵本も売れるし」
「菊池、自分の店持つか?」
「え、いいんっすか!?」
「空気銃は駄目だが、絵本や普通の子供向けの玩具ならまぁ、な。ただし、ぬいぐるみとかお世話人形とか、女の子が好きそうなおままごとセット、後はうちの男子組とニノが好きな奴なら売って良いぞ。ただしミニチュアの電車や車はダメだ。乗用玩具も三輪や馬を模したものならいいが、電車や車はダメだ。絵本も赤い頭巾の話とかは獣人に悪影響があるかも知れないから話の内容に注意するんだぞ!」
「マジっすか!? はは! 俺も店長!?」
「店長ではないが、店舗を貸すと言うだけだ」
「ボードゲームにパズルも売りたいっすね」
「ああ、そう言えば子供たちがやってたのをチラッと見たが、双六ゲームだったか?」
「そうっす」
「確かにそう言うのもありね」
「チェスがあるなら、他のもあって良いと思うんすよ。それにトランプとかも」
「まぁそうだな」
「ふふ~~ぅ! 楽しみ増えたっす!」
「俺の仕事がひと段落するまでは出来ないがな。まだもう少しだけ掛かりそうだ」
「オーバーワークっすね」
「この世界が俺とカナエにブラックすぎる」
そう言って項垂れるとカナエに頭を撫でられてしまった……。
とはいえ、子供たちの作品を飾る所は欲しいな。是非一階に作ろう。
それに仕事場も出来ればもう少し広くしたい。
段ボールを置く場所や、商品を置くスペースがニノの登場で足りないのだ。
大きい作業スペースを用意するか。
見た目的にはМサイズ的な小ささだが、中身はLLサイズくらいにはでかくしよう。
こうして諸々が終わってやっと眠りについた翌日、朝ご飯を食べている子供たちに俺は「注目」と声を掛けると、皆がこちらを向いた。
「さて、今日は久しぶりの休みな訳だが、拠点を大きくしようと思う。その間子供達は菊池と一緒に銭湯に行ってきてくれ」
「俺、引率っすか?」
「頼めるな?」
「いいっすよ」
「ニノはお留守番だ。魔物は入れないんだ」
「イイヨ」
「今回は一人部屋が貰えると思ってくれ。特に大人組は嬉しいだろう?」
「嬉しいわねぇ」
「そうね、菊池くんと寝るのも悪くは無いんだけど」
「俺はそろそろ限界だったっす」
「俺も出来れば一人部屋は欲しいな」
「と言う事で、各自お風呂の準備が終わったら菊池と一緒に行ってくる様に。シッカリ温まって来いよ」
「「「「わーい!!」」」」
こうして子供たちが前日から用意していた鞄を取りに行き、降りてくるとニノが俺の頭に乗り、その足で皆は銭湯に向かった。
そして外に出るとスキルボードを取り出し家を選んでいく。
見た目こそはタウンハウスらしい奴にして……中身はやはりドーナ様の家が理想なんだよな。
そこで外の外観と中身を選んで選択することにし、ボタンを押すと外観が変わりお洒落でシックなレンガ作りのタウンハウスが出来上がり、中身はドーナ様の屋敷と同じ感じだ。
中に入ると広い玄関、靴を脱いで中に入ると広々としたリビングがあるが、そこは変えていく。
入って左が応接室なのは前と変わらないが、その奥は大きな扉部屋となっていて、各場所の色のついた扉が並んでいる。何処に繋がるかプレートも付けておこう。
ドアは一つ一つが前より大きく、廊下も前よりも断然広い。
扉部屋を出て前の広々とした部屋の扉を開ければ仕事部屋で、そこには段ボールを畳んで置いておくスペースもでき、ガムテープも多く置ける場所も出来た。
更に大きなタブレットカレンダーが置かれ、「〇日〇〇納品」と個数が書かれてある。
これで仕事効率も上がるだろう。
タブレットは俺たち三人の電池の無くならないスマホと連動しているらしく、何時でも書き直し、書き足しが可能らしい。
「仕事がスムーズに行きそうだな」
「液晶タブレットはブルーライト大丈夫かしら?」
「そこはブルーライトカットのテープが貼られているらしい」
「至れり尽くせりね」
時計は前と同じもので、子供達も慣れ親しんでいるから安心だろう。
机や椅子に関しても、使い慣れた物をもっと広くした感じで、椅子はいつも通り人数分だ。
仕事部屋を出て子供達と過ごすリビングは木目調の壁で見えなくし、プライベート空間として強化ガラス戸を用意。プライベート空間は大事なのだ。
更に広い階段があり、その下は前より多くなったトイレに、広い脱衣所、大きなお風呂。
シャワーも増えて便利になった。
リビングのキッチンはコンロが二か所に増え、一か所で拠点用、もう一か所でお弁当用と作れるようになり、流し台も二か所に増えた。
冷蔵庫もさらに大きくなり、野菜を置くようの棚も設置されていた。
ここにストレリチア村の作物を常備するのも良いだろう。
ジャガイモ、ニンジン、カボチャ、サツマイモに果物あたりだろうか。
バナナを植えたら意外と人気が出て、今では甘味としてよく食べられるようになった。
ハウス栽培だが、上手く行っているようだ。
そして、壁一面にあるのはアクリルの巨大ケース。
ここに子供たちの作品を増やしていく予定だ。
無論子供たちの玩具箱や絵本棚も欠かせない。
今後増えるだろう玩具置き場も準備した。
また、皆で寛いで過ごす場所は良いソファーが三つ置かれ、中央の机は木目の綺麗な机だ。
ここでなら勉強も捗るだろう。
二階はトイレも増えたが、個室が全部で20個。
ちょっとした談話スペースもあるが、そこにもアクリルケースがあり、多分ここはニノスペースになりそうな予感がする。
「オヘヤ イッパイ」
「そうだな、お部屋を一杯作ったぞ。一人一人の部屋には名前のプレート付きだ。中を見るのはプライベート空間故に開けないが、皆掃除はしているか?」
「ミンナ ソウジ スキ!」
「そうか!」
「最後に応接室を見ておくか」
「そうね」
こうして一階に降りて応接室に入ると、大きさは前よりは少し広くなったくらいで、まぁ、中規模な店の応接室と言ったところだろうか。
だが物は良く、高級品だと分かる。
この家は『緑が多い家』を目標にしたので、家のあちこちに観葉植物が置いてあるのだ。
そしてもう一度外に出ると、キャンピングカーがあって、後二台大きな車が置けるスペースがあった為、金貨を投入して中規模のトラックを二人で購入。
側面には『ストレリチア』のマークが入っていて、直ぐに分かる。
後は、菊池用に配達用のバイクを置き、そこにも『ストレリチア』のマークを付けた。
後で使用許可を取りに来るだろうが、使用許可がない物は触る事も出来ない仕様だ。
車とバイクの為、子供達も無論NG。安全管理は大事だ。
車やバイクはダメだが自転車ならいいかもしれない。後でカナエ達に相談しよう。
「この中規模トラックなら、この国なら馬車とすれ違っても通れるしな」
「この国、道が広いのよね。オスカール王国とは大違い」
「そう言えば、水野と井上はどうしてるだろうな……」
「知らないわよ。今の今まで忘れてたわ」
そう会話した瞬間の事だった。
玄関がバーンと開き、ディアが飛んできた!
「家が変わっていて驚いたが何とかなったぞ! アツシ殿! 陛下からだ!」
「む? 中に入って読もう」
「そうね」
こうして三人で部屋に入りペーパーナイフで封を切り中を読むと、『本日11時に謁見の間に来なさい。話があります』とだけ書いてあり、時計を見るとまだ時間はあったのでホッとしたが、そうも言ってられない。
「すまんディア様、俺とカナエは急いで商業ギルドに行かないといけないんだ!」
「あ、ああ! 私もストレリチア村で書類整理だ! 後でまた会おう!」
そう言うとカナエの肩を抱き寄せ瞬間移動し、商業ギルドのリウスさんに「楽器店が出来ました」と告げると「既に人員確保済みです」と笑顔で10人程用意して貰えていた。
明日の朝楽器店に来て貰えるそうで、ホッと安堵しつつ「また店を作る時は前もって言って下さいね?」と言われたので「玩具屋を作るので土地と店員と用意して下さい」と言うと苦笑いされた。
「あなた方は何時も忙しいですね」
「ジッとしてる暇がないですよ」
「せめて一ヶ月に一日くらいはゆっくり温泉入りたい」
「そうだな」
「儘なりませんねぇ。まぁ落ち着いたらゆっくり入りに行くと良いですよ。菊池君に頑張って貰って」
「そうですね」
こうして店の場所はまた今度選ぶことにし、落ち着いたら店を買うのでと言うと笑顔で頷かれ、リウスさんと別れると瞬間移動で家に帰り、急いで風呂に入って特別なスーツに着替えた。
時間は10時45分……。用意が出来たカナエと俺が靴を履き、頷くと瞬間移動して城の前に到着。
そのまま城の門を潜り中へと早歩きで向かったのだった。
読んで下さり有難う御座います!
連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら
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とても多くてすみませんm(__)m




