56 キャンピングカーでシズリー辺境伯領へ到着し、拠点を作る。
お越し下さり有難う御座います。
本日2回目の更新です。
次の更新は夜8時となっております。
応援よろしくお願いします!
こうして明日出発の前に賃貸契約を二軒結ぶことになり、商業ギルドで待ち合わせしようと言う事になった。
モルダバルド侯爵家はストレリチアの後ろ盾となり、良い関係を今後も続けていけそうだ。
それに相談役のシズリー辺境伯。ある意味鉄壁の守りでもある。
何より二つの家が派閥争いのない中立立場である事も運が良かった。
王家の事は良く知らないが、争いに巻き込まれるのは遠慮したい。
こうして挨拶をして俺達はそれぞれ戻る事になり、明日の朝商業ギルドに集まる事になったのだが、その時二つ程問題が起きた。
一つは、ドーナ様から話しを聞いたボルドーナ商会長であるボルドさんも拠点を借りたい、将来避暑地にすると言って賃貸契約を頼まれ、今後も良い付き合いをしたい為了承。
その流れで商業ギルドに行き、応接室で話を聞いたリウスさんが発狂。
リウスさんは大の釣りマニアらしく、貴族で知らない人間はいない程の釣りマニアらしい。
そしてもれなくリウスさんも賃貸契約を行い、計4つの拠点を貸すことになった。
ボルドさんとリウスさんは、拠点は俺に任せると言い好きに作って良いらしい。
要望としてはお洒落な物をと言う事だった。
ではドーナ様はと言うと、木造作りの落ち着く二階建てが欲しいらしい。
テラスがあれば尚良しとの事だった。
きっと村を一望したいのだろう。
「では、無事賃貸契約書が出来ましたが、各自ストレリチア村に拠点を借りてからの施行となります。宜しいですね?」
「ええ、構いませんわ」
「俺も構わん」
「ああ、早く釣りを!! アツシ様急いで下さいよ!?」
「やる事がとても多いんです。もう少し待ってください。釣りは逃げません」
「くう!!」
こうして話が纏まると、テリアが用意したサンドイッチをお弁当にキャンピングカーに乗って一路シズリー辺境伯領を目指す事となった。
無論後ろにはドーナ様とディア様、ゼバズさんにカナエが乗っている。予定どおり護衛の方は馬車や馬で移動するらしい。キャンピングカーで時速60キロで進んだとして3時間で180キロ。今回はドーナ様達もいる、途中で車を停めて休憩も入れるだろうが、単騎で駆けたとしても馬では到底追い付かない。馬車で一日50キロ進めばいい方じゃないか?馬にも休憩が必要だし、日が暮れる前に途中の村や町で宿か、野宿する場所を決め食事の用意をしなければいけない。馬車での移動日数はあえて聞いていない。
「では出発しますよ」
そう言って車は走り出し、門を顔パスで通過するとシズリー辺境伯領へ向かって運転を進める。
初めて乗るキャンピングカーに驚いてあちこち見ていたドーナ様とディア様だったが、ある程度すると落ち着きを取り戻しソファーに座ったようだ。
「しかし実に凄いな、このキャンピングカーとやらは。これは売れないのか?」
「これは売れないようですね。俺しか運転が出来ないので(ネットスーパーに自動車販売店が増えて車を購入しても、俺の拠点のキャンピングカーじゃないから、ここまでの設備や広さは無理だろう……)」
「なるほど……」
「しかし揺れも馬車に比べ全くないぞ!? お尻はふかふかのクッションだし、机の上の物も零れない! 凄いな!! しかも二階にはベッドルームがあったぞ!」
「実に素晴らしい乗り物ですね」
「うむ……。このような乗り物がある世界とは、どんな世界なのだろうな」
「それは秘密ですよ」
「ははは!」
こうして3時間も走ればストレリチア村が見えると話していると、そこでハッと思い出したかのようにドーナ様が口を開く。
「シズリー辺境伯領の道と、ストレリチア村の道を繋げないとな」
「良いんですか? スキルで繋げられますが」
「繋げてしまって構わん。これから俺もまだまだ忙しくなる」
「ええ、ストレリチア村は宝の宝庫ですわ」
「そろそろお昼にしましょうか。先生も降りてきてお昼にしましょう」
「そうだな」
そう言って車を停め、中に入って来るとカナエが珈琲を入れてくれる。ディア様とカナエはカフェオレを、俺達はブラックだ。
それにテリアの作ったサンドイッチが山のようにあり、タコさんウインナーに卵焼きも入っていた。
卵焼きも一つは俺の好きな甘い奴で、もう一つはだし巻き卵でカナエの好きな味だ。
全員で食べることになったのだが、俺とカナエはいつも通り、ディア様とゼバズさんは既に経験済みなので幸せ笑顔だったが、ドーナ様は食べた瞬間目を見開いた。
「なっなっなっ!!」
「どうしましたお父様」
「何と言う美味さだ! この世にこんなうまい物が!?」
「アツシ様の拠点とストレリチア村では当たり前の料理ですよ」
「何ということだ……」
「しかもお父様、ストレリチア村には食堂があって、一日三回食べる時間があって、事前に食べに行くと連絡しておけば村人に交じって料理を食べる事が出来るのだ!」
「ディア! それは真か!?」
「んふふ~♪ 私は毎回頼んでゼバズの分も作って貰ってるのだ」
「では、拠点が出来た暁には」
「池が出来れば、新鮮な魚料理食べられるでしょうね。無論食堂で出ればですが」
「捌いて貰う事は」
「慣れないと魚を捌くのは難しいとは思いますが、回数を重ねればうまく捌いて貰えるかもしれませんね」
「むむむ……正に理想郷」
「まだ殆ど何も作っていない状態ですけどね。もうじき別の避難所から180人の獣人が来ますから集団住宅を作らないとですし」
「ええい、美味い食事に釣りに温泉! 盾がモルダバルド侯爵でなかったら喰われているぞ!」
「だからお願いに行ったのではありませんか!」
「そうだったな!」
そう言ってやっと落ち着いてサンドイッチを食べて珈琲を飲んで……30分休憩すると俺は運転席へと移動して車は走り出す。
綺麗な道だと思っていたが本当に運転しやすい道だ。
それから2時間も走れば門が見えて来て、門の前に到着するとドーナ様が顔を出し、慌てて通して貰う事が出来たが、そのままキャンピングカーで街の中を走り、屋敷と言うか要塞に到着。
全員降りて車を消すとドーナさんは大笑いしながら屋敷と言うか要塞の中へと進み、俺達も着いて行く事になった。
出来れば商業ギルドに行き、拠点を作りたいのだが致し方ないだろう。
「実に良い旅だった! 全く、生きていれば不思議な事もあるものだな!」
「その通りですわね」
「良い体験が出来ました」
「それは良かったです。では俺は商業ギルドで領内に土地を購入してから門を繋げますので」
「その後、俺もストレリチア村に行こう」
「「え」」
「早く村を整備したいからな」
「そう言う事でしたらお父様、屋敷の使っていないエリアがあるでしょう?あの場所を間借りさせてはどうですか?」
「「え!?」」
「ああ、今は使っていない魔獣を飼っていた頃のエリアだな。屋敷からは少し離れているが」
「良いのでは? 確認ですが、移動用の拠点ですよね?」
「そうですね」
「では、無料で宜しいのでは?」
「うむ、案内しよう」
「しかし屋敷内にストレリチアの物を」
「作って良いではないか。相談役とその家が繋がっているのは楽だぞ」
ああ、コレは絶対譲らない奴だなと俺は思い諦める事にした。
そして到着した場所は確かに屋敷の裏手だが、寂れた頑丈な小屋があるだけで特に問題は見当たらない。
「此処に好きな拠点を立てるが良い」
「とは言ってもな、頑丈な要塞に似合う拠点は無いので、ログハウスでも良いですか?」
「ああ、ストレリチア村にある役所の」
「あれは一応仮の見た目だぞ」
「そうなのか? 意外と心地よいのに」
「という事でログハウスを建てさせて貰いますね」
そう言ってスキルボードを取りだすと、ドーナ様は「ふむふむ、ほうほう」と口にしていたが、そこから拠点を選びログハウスを選択してボタンを押すと、スウッといつも通り拠点が出来上がる。
中に入ると広い部屋とキッチン、奥はお風呂場とトイレと個室が4部屋あるだけで要塞に比べれば小屋程度のものだ。
うち、一つの部屋に入るとそこの壁に手を当て『ストレリチア村』と口にするとオレンジの扉が出来て、もう一度離れた場所で手を当て『ミスアーナの拠点』と口にすると、何時もの扉が出来た。扉の許可はこの場にいる5人にした。
「まずこの二つあれば十分でしょう」
「ふむ、これで毎回馬車に乗ってノスタルミア王国に行かなくて済むな」
「使う際には前もって連絡してくださいね? うちには幼い子もいるので驚きます」
「うむ、使う際は手紙を出そう。だが俺一人、もしくはディアを連れてなら?」
「それでも一報お願いします。親しき仲にも礼儀ありと言う言葉がありますからね」
「貴殿は頭もいい、頭の回転もいい、土壇場の勝負強さもある。実にうちの娘の婿にならんのは惜しい男だ」
「それはどうも。ではストレリチア村に行きますよ」
「うむ、行こう」
こうして俺達は扉を開け、何時ものストレリチア村へと入って行った。
それから一ヶ月弱、怒涛の建築ラッシュになったのは言うまでもなく――。
読んで下さり有難う御座います!
連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら
★をポチッと押して下さるかイイネ等で応援よろしくお願いします!
誤字脱字報告とても助かっております!
とても多くてすみませんm(__)m




