54 目まぐるしく忙しい日々の中、ついにナディア様達に会いに行く!
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「さて、その間にカナエと一緒に商業ギルドで2店舗手に入れてくる」
「分かった。夜19時半にはボルドーナ商会で待ち合わせしよう」
「分かった。では行ってくる」
「え?」
そう言うとカナエの肩を抱き、そのまま瞬間移動だ。
これは便利だ。
目の前は既に商業ギルドで、通行人が驚く中、俺とカナエはギルドの中に入った。
中に入ると、直ぐに受付のお姉さんが気がつき、一人はリウスさんを呼びに行き、もう一人は俺達をそのまま応接室に案内してくれた。
毎度の事だが申し訳ない。
直ぐにリウスさんがくると、「ストレリチア村の作物を売りたいので良い場所はないか」と「貴族に楽器を売りたいので良い場所はないか」と聞くと、大変驚かれたが土地を直ぐに探して貰った。
「農産物なら、商売が盛んな市場がいいと思いますが、何処も一杯なんですよ……」
「困りましたね」
「一か所空いてなくもないんですが」
「と言うと?」
「場所代が高くて……ただ、管理はシッカリしやすいと評判の所なんですが」
「ええ」
「農業ギルドの真横です」
納得した。
ジャンさんが毎回見に来たらそりゃ嫌だわな。
だが、俺は気にしない。
「そこでお願いします。土地の広さは分りかねますが、そこを買い取ります」
「ジャンさんは煩いですよ?」
「従業員の派遣をお願いします」
「準備はしておきましょう」
「作物が取れるまでもう少し掛かるので、ボチボチ行きますよ。作物が取れたら陛下に献上もしないと行けませんし、リウスさんやボルドさんにも是非食べて貰いたいですね。この世界にない食べ物ですから」
「それはそれは……是非頂きます」
「はい!」
「それと楽器でしたね。楽器……また金の成る木ですね。貴族街に用意するか、ストレリチアの通りにするかどうします?」
「ストレリチアの通りって空いてましたっけ?」
「撤退したお店が二軒ありますよ。両方隣同士で空いてます。楽器は大きいですからね。展示品として置くだけでも大変だと考えれば、この二軒を買うのがお勧めかと」
「酒場の隣が潰れたんですか」
「そうですね、潰れたと言うより場所を移動ですから安心していいですよ」
「それは良かった。ではその二軒買います」
「合計三軒ですね。纏めて金貨1000万枚になりますがいいですか?」
「今お支払いしていきます」
「ありがとう御座います。契約書を作りますね」
と、いつも通りなのでトントンと進む。
後で土地を見に行く事になるが、両方共に知っている場所と言えば知っている場所……サッサと店を作ってしまおう。
「って顔してますね」
「ははは、流石にリウスさんも分かるようになりましたか」
「ええ、でもそうですね。アツシ様はとてもお忙しいので、出来る時にすると言うのは大事かと」
「ええ、そうなんです。まずは市場の方から行こうかと。近隣に合わせた作りにしたいですし」
「分かりました、では契約書です」
「受け取りました。では早速行きましょうか」
「はい」
「ではお隣に来てください」
「ええ、どうしま、」
「行きますね」
そう言って遠慮なくアイテムを使い、農業ギルド前に到着するとリウスさんが頭を抱えて座り込んだ。大丈夫だろうか。
「敢えて聞きますが、それはスキルですか?」
「似たようなものですね」
「なるほど、なるほど?」
「それで、確かに農業ギルドの隣ですね。土地は広いけど買い手が無かったのが頷けます」
「ええ、立地は良いんですよ。どうします?」
「もう買いましたからね。隣接してる店を見て建てる店を決めようかと思ったんですが……なるほど、皆さんテント系で作っているんですね」
「そうですね」
「テント系の店あったかなぁ……無かったら浮いちゃいますがいいですか?」
「ええ、それでも構わないと思います」
そう言ってスキルボードを見ながら【拠点を作る】のテント系を探したが見当たらない。
迷った挙句、小さい個人商店の野菜売り場みたいな家を選んでポチリすると、スウッと店が出来た。
周りとは多少異なるが、近いと言えば近い作りだ。
引き戸のドアを開放すれば結構開放的になるし、奥は業務用冷蔵庫が鎮座している。その隣に拠点へのドアを作り、トイレ完備で、学習したのかこの世界のレジも置いてあるし、冷蔵庫も幾つか並んでいる。
そう言えばこの世界では氷を食べないのだろうか?
「リウスさん、この世界では氷は食べないんですか?」
「食べるには食べますよ? ただ貴重なので貴族しか買いませんね。もし氷を売るのならそれもいいかと思いますよ。買い占める人が居ると思うので」
「参考になります。では今度は酒場の隣に飛びますよ」
「覚悟しましょう」
そう言うと酒場の隣に移動したら、二軒確かに空いている。
その上から上書きをするのだが――楽器店か。
木造の木目が美しい作りにしたい。
ログハウスでもなく、こう……お洒落な木造建築。
そう思いながら家を選んでいくと、とてもいいものが見つかった。
これはお洒落だ。これにしよう。
そう思いポチリと押すと、二軒が木目の美しい建物に変わり、二階建ての良い家が出来上がった。
「ほう……これはこれは」
「中に入りましょう」
そう言って中に入ると、全て木目調で綺麗な家になっている。
実は俺はオルゴールも売りたいと思っていたので二階建てにしたのだ。
一階は楽器、二階はオルゴール。
良い出来栄えだと思う。この店はちょっと拘りたい。
無論拠点への扉も設置する。
一階の客から見えない位置に扉を作って一旦は完成だ。
「実は、二階にはオルゴールを売ろうかと思いまして」
「オルゴール……とは?」
「えっと、こう言うのです」
そう言ってネットスーパーから手のひらに乗る宝石箱のようなカメオのついたオルゴールを出すと、リウスさんは目を見開き「カメオじゃないですか!」と叫んで、俺がネジを巻いて蓋を開けると、綺麗な音が流れ始める。
これには驚き「ほう……いいですね」と口にしている。
「売れると思いませんか?」
「革命が起きますよ」
「では革命を起こしましょう。これだけ広ければ楽器を置いて良いですし、各種並べても問題はありませんね」
「そうですね」
「足りなければ二階にも場所を取らない物を置けばいいですし」
「なるほど、宜しいかと」
「楽器店は力を入れたいので、オープンまではまだ時間が掛かりますが」
「了解しました。楽器に強い従業員を集めておきます」
「お願いします」
こうしてリウスさんは商業ギルドへ、俺達は拠点に帰り時計を見ると皆の仕事が終わる時間。拠点に入ると丁度手洗いをしている所で、俺達が帰ってきたのを手洗いしながら「おかえりなさーい」と言ってくれる。
「ただいま皆、ジューダスさんにニヨンにリヨンもお疲れ様でした」
「いえいえ、美味しいご飯も食べられて幸せですよ」
「「オヤツ時間幸せでした!」」
「そう言って頂けると嬉しいです」
「「「ただいま――!!」」」
と更に仕事を終えたのだろうディアとテリーとテリアナも帰ってきた。
手を洗う場所が混雑した為、終わった子達は移動し俺達も手を洗い終えるとジューダスさん達と話をする。
「どうですか。慣れそうですか?」
「ええ! やり甲斐があるから楽しいですよ。料理に洗濯も教えて貰って。今度洗剤と柔軟剤を村で支給して欲しいです!」
「そうですね、売店が開いている時間にでしたら支給しますが、給料が入ったら買うようにして下さいね」
「勿論です。そこは弁えております」
「「同じくです!」」
「分かりました。ではお疲れさまでした」
そう言うと三人はオレンジの扉から帰り、さらに増えた扉の色に「拠点増えたなー」と口にしつつ移動する。
お風呂も入らねばならない為、先にお湯を入れて溜めて置く。
今日の夜は忙しいのだ。
「カナエは音の良さそうな高いバイオリンを購入してくれるか?」
「ええ、いいわ」
「ケースも一緒にな」
「勿論」
「俺は各店舗回りをしてくる。久々だからな」
「行ってらっしゃい」
そう言うと化粧品店に久々に行くと「お久しぶりですね!!」と声を掛けられたのには苦笑いが出た。
「聞いてますよ。陛下に頼まれて村を作ったと」
「ええ、それで忙しくて菊池に任せていたんですが、不都合などは無かったですか?」
「ええ、頑張ってくれたので売り上げも伸びています」
「それは良かったです」
「在庫確認でしたら、菊池さんが今回ってますよ」
「そうでしたか、では俺は違う店に行きましょうかね」
「売り上げも菊池さんにお渡ししてますので」
「ええ、毎晩受け取っています」
「安心しました。ではまた」
「ええ、また」
その後酒場に行き、足りない分の補充を一気に終わらせると菊池が来た。
「あれ、先生どうしたんすか?」
「俺もネットスーパーを使えるようになってな」
「おおおお!! ついに、ついに楽が出来る!!」
「根性を身につけるのはどうした?そう言う子にはもっと厳しくしないといけないか?」
「すみませんっす」
「だが、頑張っているのは聞いている。後数か月頑張れ」
「はいっす!」
「俺も村で更に忙しくなりそうだ……相談役を決めねばな」
「そうなんすね」
「取り敢えず今夜は早めに出るから俺とカナエは先に風呂に入って特別なスーツに着替えて向かうが、売り上げ等はその後で頼むぞ」
「はいっす」
「では先に帰る。菊池は残りをしておいてくれ」
「はーい」
「ダグラス、菊池を見てくれてありがとう」
「ああ、頑張ってるぜ、偶に尻叩かねーと動かねーけどな!」
「ははは!」
こうして拠点に帰り、俺とカナエが直ぐに別の場所に仕事が入っていることを告げると、ロスターナがサンドイッチを作ってくれた。
それを食べつつスキルボードと俺は睨みあい、カナエは楽器と睨みあう。
バイオリンも幾つか種類があるようで、一般的な物をまずは選んだ方が良いと伝えると、カナエは頷き音色が綺麗で木目の美しいとされるバイオリンを選んで購入し、ケースも良い物を選んだようだ。
そして、ケースにその輝くばかりに美しいバイオリンを入れてケースを閉めると、空間収納に仕舞いこんだ。
俺もオルゴールでカメオがついたのを渡そうとは思っているが、もう一つディア様には何時も世話になっているので、くるくる陶器人形が回るオルゴールを選んで空間収納に入れた。
そして互いに風呂に入り、特別なスーツに着替えると「では行ってくる!」と言ってカナエと二人瞬間移動。
ボルドーナ商会前に到着すると、丁度ディアとドーナ様が出てくるところで、馬車に乗り込み貴族街へと向かう。
「気合を入れて贈り物も選んだ。後は大丈夫だと信じたいが」
「頑張るのだ!」
「頑張りましょう!」
「そうだな……それと、ドーナ様には実はお願いがあるので、後でお話して良いでしょうか」
「うむ、時間は作ろう」
「ありがとう御座います」
こうして馬車は、とても美しく巨大な屋敷に到着し、俺達は深呼吸して馬車を降りることになる。
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連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら
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とても多くてすみませんm(__)m




