50 農業ギルドへの登録と、アツシの怒り。
お越し下さり有難う御座います。
本日2回目の更新です。
次の更新は夜8時となっております。
応援よろしくお願いします!
こうしてディア様のいる役所と言う名の拠点に向かい、ディア様に書類を書くから机を追加する事を伝えて机と椅子を選んで、ディア様とゼバズさんにこの国の報告書の書式の確認をし仕事をし始めると、ディア様はニマニマしながらこちらに視線を送りつつ、カナエはピリピリとしていて、執事のゼバズは胃を押えていた。
兎に角陛下に報告書を書かねば。
最初の村の有様、人間の犯していた所業、行方不明のシスターと育児放棄。
そして現在の村の現状。
支援ありきではとてもじゃないがやっていけない。
幾ら稼いでいても、何時どうなるか分からない。
そこで、農業で得た作物を売りに出したい旨を記載し、魔道具に女王陛下宛で投げ入れる。
暫くすると返事が返ってきてビックリしたが、ペーパーナイフで手紙を開け、中を読む。
簡単に言えば、確かに支援ありきでは駄目だろうと言う事と、最初の村の有様と逃げたシスターについては女王陛下が沙汰を出すらしい。是非強めにお願いしたい事は後で記載しよう。そして、農作業で得た物を売りに出すだけでは、陛下としては満足出来ないと言う事だった。
だが、作物が珍しい物であれば、農業ギルドを通して売買契約を結んでも良いとのこと。農業ギルドなんてあったのか……。
その為には、村長が農業ギルドと契約する必要があり、村の名前を決めて俺に村長として振るまえと書いてある。確かに何時までも(仮)では宜しくない。
そうか、村の名前も決めないとな。
また、最後に書かれていたのは、村が落ち着いたら、是非温泉を作って欲しいと言う要望だった。拠点レベルを上げるには、戦闘をして経験値を溜めるか、商売をして経験値を溜めるかだった。村レベルを上げるってどうしたらいいのやら。
「村の名前か……」
そうボソリと呟くと「アツシ村なんてどうだ!」と言われたので却下した。
するとカナエに「ストレリチア村でいいのでは?」と言われ、確かにそれならと了承する。
そうだな、村の名前は俺の店と同じ【ストレリチア村】にしよう。
そう思い、陛下に返事を返信して村の名前は【ストレリチア村】にする事。
そして逃げたシスターや給料泥棒の三人については、厳しい沙汰をお願いした。
ついでに村のレベルが上がらないと温泉は用意できない事も記載し、温泉に陛下が入りたいのならもう少し便宜をはかって欲しい事も愚痴で付け加えて手紙を出すと、また直ぐ返事が帰ってきた。
陛下は暇なのか?
手紙を読むと【ストレリチア村】は了承して貰えたらしい。途端――脳裏に『村レベルが上がりました。スキルポイント20を得ました』と流れた。手紙を読んだ後でチェックする事にする。
陛下からは、村レベルを上げる為には農業ギルドは不可欠と言う事が書いてあり、やはり登録しに行った方が良いらしい、まだ昼だし行けなくはないな。
偶には何時もの面子とご飯が食べたいし、本来なら今日は木曜で仕事は休みだ。シュウとテリアには村の三人を頼み、テリーとテリアナは村の農作業に連れてきてしまった。ナノは一人ぼっちなんじゃないか?
確認したいことは山ほどある。
それから手紙には、他所にある小さな獣人の避難所からストレリチア村に獣人を集める事を指示したことも書かれてあり、頭を抱えた……。行き成り決めないで頂きたい。
総勢180人程来るらしく、仕事を斡旋して欲しいとの事と、頑張っているからと文官を数名送ってくれることになったらしい。ディアだけでは経験不足だろうと言う事だった。寧ろディアは仕事をしていないしな。
「ディア様、君の仕事はなんですか?」
「えっと……ココで皆を待つ!」
「違います。君の足で村を見て回り、気づいたことをメモしてまとめる事だ。座っているだけなら君を御父上に返していいんだぞ?」
「は、働きます!」
「それと、陛下が文官を寄こしてくれるそうだ。たぶん人間の文官だろう……、まずは村を見る目が欲しい……何人来るかは分からないが、文官の目から見てどうあるのか。あとは昨夜村のまとめ役のシリウスには話したが、彼らが今まで住んでいたいた家?小屋?は、ゆっくりでいいので片付けて貰いたい事、他の避難所から獣人が180人ほどやってくる事もディア様から皆に伝えてきてくれ」
「分かった!」
「お嬢様らしい言葉使いもいいが、そっちの方が自然だな」
「なるほど、ありがとう!!」
そう言ってディア様はゼバズと一緒に走って外に出て行った。
シッカリ働いて貰わねば困る。
「陛下の命令はなんて?」
「農業ギルドに村の名前と村長として俺の名前で登録をと言う事だ。それが無ければ色々進まないだろうと言う事と、まぁ、叱咤激励だな」
「なるほど」
「取り敢えずスキルも気になるが農業ギルドに行こう。ディア様には置手紙をして行く」
「分かりました」
こうしてディアに「首都の農業ギルドに行ってくる、食事は好きな方でしてくれ」と記載し扉を潜ってご飯を食べている皆に「俺とカナエ、ディアとゼバズの分を残しておいてくれ」と伝えるとその足で農業ギルドに向かう。
農業ギルドは冒険者ギルドの近くにあり、荒々しい作りのドアを開けて中に入ると、受付の女性が立っていた。
「あら珍しい、どうされました?」
「ストレリチア村の村長のアツシと申します。陛下から農業ギルドに登録しろとの御命令で来ました」
「まぁ陛下から! ギルドマスターを呼んできます」
「お願いします」
そう言うとドダドダと足音をさせて筋肉質な男性が現れた。
どうやらギルマスらしい。
俺の方をジッと見た後、「なるほど?」と口にしてから俺とカナエを別室に呼び、部屋に入ると乱暴にドアを閉められた。
「どんな野郎が村長かと思えば、ッハ! ストレリチアのオーナーか! 店でもやってた方が良いんじゃねーのか?」
「ああ。俺も実にそうしたいが、陛下からの命令では逆らえん。手短に話そうか」
「話が分かるじゃねーか。で? イヌっころ共は何を作っている」
「犬ではない。獣人だ。君はオスカール王国人か?」
「ッチ」
「ギルドマスターであろうとも口を慎め。俺の大切な村の者たちを侮辱する事は許さん!」
「先生……」
俺の気迫とギルマスの気迫。
だが、最初に折れたのはギルマスだった。
「中々良い目をしてやがる。確かに陛下が気に入る訳だ。謝罪しよう、悪かったな。俺の名はジャンだ」
「よろしくお願いします」
「で、農作物は直ぐ出来るのか?」
「農業ギルドのギルマスなら聞いたことがあるかと思うが、【緑の手】を知っているだろうか?」
「無論知ってる。農業をしている者なら喉から手が出るほど欲しいスキル、人材だ」
「そのスキル持ちが3人いる」
「なにぃ!?」
「だが皆子供だ、親元から離す気はない」
「そうか……」
「その上でだが、この世界にはない果物を三つ、この世界にはない野菜を二つ育てている。はじめたばかりなので上手く行くかは今後次第だが、育てば間違いなく売れる商品だ。無論、希少価値が高い」
「ほう……それは聞き捨てならねぇな」
「それをストレリチア村の特産品としたいと思っている。時間は掛かるだろうが、それを売り込みたい。どうだろうか? 悪い話ではないとは思うが?」
「お前さん、この世界の住民ではないと自分で言っているんだぞ?」
「そうだが?」
「……オスカール王国で勇者召喚に巻き込まれたハズレがいると噂で聞いたが」
「俺達がそのハズレだ」
「ははははは!」
そう言うとジャンは声を上げて笑いだした。
机をバンバン叩いているが、可笑しくて仕方ないらしい。
「マジかよ!? お前らがハズレ!? オスカール王国馬鹿じゃねーのか!?」
「ああ、馬鹿しかいないからな」
「あははははは!!」
「それでどうなんだ?俺達の村はギルドに登録出来るのか?出来ないのか?」
「ああ、悪い。そうだな、まずはこの世界にない物を食ってみたい。その育てている奴のうち二つでいい」
「カナエ、リンゴとイチゴを」
「はーい」
そう言うとネットスーパーでイチゴとリンゴを購入して貰い、ギルマスに「小さい方がイチゴで緑のヘタは食べられません。大きい方がリンゴで飛び出ている軸、枝のようなヤツです、その軸の下は芯と呼んでいますが食べられません。」と手渡した。
ギルマスは「ほう……見たことねぇな」と言いつつまずはイチゴを食べた。
途端目を見開き、俺とイチゴを見て目で何か訴えている。きっと味に驚いたんだろう。
続いてリンゴをガリっと齧ると、これまた同じ動きをしていた。余程驚いたらしい。
「こりゃ……っ! こりゃ売れるぞ! 特産品にするのか!? 畑はどれくらいある!」
「まだ村の働き手は少ない。陛下が周辺の避難所にいる獣人達を集めている所だ。それにこの世界にある野菜も育てている。どれも小規模からはじめたばかりだ。収穫までこぎつけても最初は陛下に献上する事になるだろう」
「は――……。分かった。ギルドに入れてやろう」
「ありがたい」
「特産品なら盗む事も出来ねぇしな。陛下に殺されちまう」
「だろうな」
「作物が出来たら農業ギルドの職員に通達するか、作物を持ってくるといい。もしくは、ストレリチア村の店を出すかだな」
「(アンテナショップみたいなものか?)分かった。ご提案ありがとう」
こうして農業ギルドに【ストレリチア村】の登録を済ませたら更に村のレベルが上がったようだ。
取り敢えずご飯を食べ終わってから見ることにして、俺とカナエは拠点に帰った。
すると――?
読んで下さり有難う御座います!
連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら
★をポチッと押して下さるかイイネ等で応援よろしくお願いします!
誤字脱字報告とても助かっております!
とても多くてすみませんm(__)m




