48 ディア様の到着と、助かった子供達と、畑を作り作業を頼む。
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再度【(仮)アツシの村】に向かい孤児院のあった場所に向かうと、急いで子供たちの熱を測る。
38度5分。薬を一人ずつに服薬ゼリーに混ぜて飲ませて行く。
その後も看病は続き、気づけば朝陽が昇っていた――。
子供たちの寝息は荒いものではなく普通の寝息に変わっていて、鑑定すると【治療済み】と出ていたので、カナエが子供たち用にお粥を用意する。
少しずつ食べて行ければいいが、まずは胃を食べ物に慣れさせないと行けない。
朝8時、【(仮)アツシの村】の拠点にある扉が開き、ダグラスが「ディアって女が来てるぜ」と言ってくれた為、早速戻ってディア様とその執事のゼバズさんを拠点に入れる許可をすると入ってこられた。
「此処がアツシ殿の拠点なのだな! それで、避難所の様子は?」
「色々人間がやらかした後で不味い状態です。足りないものが多すぎたので此方で用意できるものは用意しました。孤児院をしていたシスターが育児放棄をしていて、子供たちは一命を取り留めましたが、昨夜は危ない状態でした」
「むう……私に出来る事は何でも言って欲しい。出来る事はなんでもしたい」
「では村へ案内します。こちらに靴を持ってどうぞ」
「失礼する」
そう言って中に入ると、四つある小部屋を通り過ぎて広い部屋に到着する。
ココが拠点となり仕事をする部屋となる事を告げつつ、魔道具を設置すると周りを見渡して「本当に昨夜は忙しくて何もないのだな」と言われた。
「昨夜は子供たちの命を優先しましたから。後でカナエを寄こしますので、必要な物は金貨を渡せば買って貰えますよ」
「心得た」
「では俺はまだやる事があるのでこれで失礼します。また後で伺いますので」
「うむ!」
そう言うと俺は孤児院に戻り、ドアを開けると子供たちが丁度お粥を食べている所だった。
ホッと安堵すると「助けてくれた村長さんよ」と二人が教え「お兄ちゃんありがとう!」と子供たちに言われてホッとする。
「おはよう皆、食欲はあるようだな」
「シッカリ食べれてるわ」
「やはりあの緊急用セットは効くな」
「ええ」
「ディア様が来ている。後で必要な物を買うとの事なので対応して欲しい」
「嫌ですけど行ってきます」
「時間は有限だ、喧嘩はするな」
「はい……」
「喧嘩を売られたらさっきの言葉を言え。俺が言っていたと」
「分かりました」
「それと、この八人用の子供服を一式とバスタオルとタオル一式をお願いしたい」
「既に用意してあちらに並べています。シャンプーにボディーソープに身体を洗うのも全部用意してます。先生の好きな入浴剤も二種類入れてます」
「助かる」
「では! 後の事はエミリーさんに任せます。先生と今後の打ち合わせもしておいてください」
「分かりました」
こうしてカナエが拠点に走っていくと、俺は一階にある風呂の準備に取り掛かった。
熱はもうないとの事だったので、軽く汗を流すだけでもいいが、少しぬるま湯にして軽くお風呂に入らせよう。
入浴剤も身体がホカホカする方を入れておいたので大丈夫だろう。
カナエは牛乳も用意していてくれたらしく、子供たちは牛乳を飲んでホッと安堵していた。
「エミリーさん、お風呂の準備を整えてますので、子供たちを入れましょう」
「では、女の子グループは私が入れます」
「では、俺は男の子を」
こうしてエミリーさんを含む女性グループから食後30分したらお風呂に入る事になった。その間に支援についてエミリーさんと話し合う。
孤児院の支援はお金や食事や牛乳と言ったものから、洋服に至るまで多岐にわたる。
彼等が畑仕事を手伝うと言うのなら給金を少なからず払う事も約束すると、エミリーさんは深々と頭を下げていた。
「本当に何から何まで申し訳ありません」
「子供たちが全員生きていてくれた事をまずは喜ぶべきです」
「そうですね」
「それと、駐在してくれる女性を一人置きましたので、俺との連絡が必要の場合直ぐに村の入り口にある役所に行ってください。まぁ、役所と言ってもまだ何もありませんが」
「いえ、そこまでして頂き本当にありがとう御座います」
「俺も子供たちを風呂に入れたら、畑の準備がありますので後はエミリーさんだけになりますが、まだ子供たちは治ったばかりですので、ゆっくり寝るように言って下さい」
「はい」
「まずは子供たちの栄養がちゃんと行き届くようにしましょう。ソコが第一段階です」
「分かりました」
話しているうちに30分経過し、女性グループがまず風呂に向かい、30分後出て来て俺と男子グループが風呂へと向かう。
初めてのシャワーに驚いたり笑ったりで、身体を綺麗に洗ってから湯船に入らせると気持ちよさそうにしていた。
疲労が取れて芯まで温かくなって血行が良くなる入浴剤をいれているので、ある意味チートなのだが、風呂から上がると皆眠たそうだ。
着替えを済ませてから水分補給をさせ、皆で階段を上がり子供がベッドに上がれば直ぐに眠り始めた。
「では、俺は仕事に向かいます」
「いってらっしゃいませ」
こうして拠点と言う名の役所に向かうと、色々と物が揃い、品のある様子に変わっていた。
二人は俺に気づき、今寝室を整えていると言う事で覗かせてもらうと、ディア様の部屋はピンクで統一され、ゼバズさんの部屋はグリーンで統一されていた。
「これで一応住めるようになったな!」
「トイレとお風呂もあって良かったですね!」
「無いと不便であろう!」
「そうですね」
「ディア様とゼバズさん、あとカナエは俺について来てくれ。さっき食堂に大人たちが集まっていたから畑を用意しようと思う。ハウス栽培だが、イチゴをメインにしたいな」
そう歩きながら構想を練っていると食堂につく。そして――。
「おはようございます! 良い朝ですね!」
「おはようございますアツシ様!」
「おはようございます! 昨夜は孤児たちをありがとう御座います!」
「いえいえ、どういたしまして。まずは挨拶をさせてください。こちらに常駐するシズリー辺境伯様、ドーナ様の御息女のディア様です。今後困ったことがありましたら、ディア様にまずはご連絡ください。その後ディア様から俺に手紙が即届きますので、動けるようになったら直ぐ向かいます」
「初めまして! シズリー辺境伯、ドーナの娘のディアと申します! アツシ様に頼まれ常駐させて貰う事となりました! どうぞよろしくお願いいたします!」
「困ったことがありましたら、私でも良いですのでお声掛け下さい。ディア様の執事のセバズと申します」
こうして挨拶も済んだところで「それでは畑を作りたいと思いますので、男性陣は集まって頂きたい」と告げると、子供も含めゾロゾロと畑予定地の広い場所に移動した。
だが、人数的にそう多くはない、まずは大の畑一つに、中の果樹園に、ハウスは大にして置こう。後で建て替えが大変だ。
こうしてまずはスキルボードを出して目の前にある荒れた土地に畑(大)を一つ合わせてボタンを押すと、土が変わり畑が出来上がった。
まずはこの一つで色々な作物を育てて貰いたい。
それと、この世界には芋が無かった。
「カナエ、この世界には芋がない、美味しい芋と言われるのを二つ程用意してくれ」
「了解です」
と、カナエは畑の前に立つと、キャベツの苗、ニンジンの苗、ジャガイモの種芋、二種類のサツマイモの種芋を多めに出し、笑顔で「植えてくださいね?」と男性陣に言うと、男性陣は頷いて受け取った。
次に畑の隣に果樹園(中)だが、こちらはなんと、俺がスキルで設置する段階で果物を選べた。
果物は幾つか選べるようだが、果樹園(キョがつく葡萄)(中)を選んで出すと、良い感じに絡み合った葡萄棚の果樹園が出来た。葡萄はまだ赤ちゃんのような小ささだが、コレにはカナエも驚いていた。
「先生凄いですね」
「ああ、ついでにリンゴも出しておこうと思う」
「あ、リンゴ良いですね! 栄養豊富だし!」
「この世界に無いし」
「ないのかー」
と、果樹園葡萄(中)の後ろに、果樹園リンゴ(中)を出すと、まだ子供のリンゴが出来始めの果樹園が出来た。
「この果樹園を無事育て上げてください。どちらも珍しいので育ったら高値で売れますよ」
そう言うと男性たちは気合を入れたようだ。
最後にハウス栽培だが、此方はイチゴハウス(大)を選んで立てると、ドーンとシッカリしたハウスが建った。
思わずカナエが用意した農機具を落とす男性陣……。
俺はカナエに机を用意するように言うと、アウトドアの机を用意させ、その上に先ほど植えた野菜と果物の育成本をカナエに出して貰い、ニッコリ微笑んだ。
「作物はただ育てればいいというものではありません。本を読んで学習してくださいね?」
「「「「うっす!」」」」
「農業用の水路も作りますので、暫くお待ちください」
そう言うと果樹園に一つ、作物畑に一つ、作物用の水場を作ると、頭にジョウロのついたホースが出て来て、これで作物全体に水をやる感じだろう。
ココは乾燥する地域だし、水はシッカリ欲しい所だ。
またイチゴは水耕栽培だった為、既に給水施設は備わっていた。
「まずはこんな所でしょうか。これから時間が出来次第様子を見に来ますので、覚悟してくださいね。男性陣は働いて貰っていて結構です。まずは女性陣と子供達から鑑定させて下さい」
そう言うと俺は女性陣と子供、そしてお年寄りにも集まって貰い、鑑定を行う事にした。
すると――。
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