42 生えてくるレアスキル!? 菊池にネットスーパーが加わった!
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本日三回目の更新です。
明日も一日三回を予定してますので、朝8時から更新となります。
よろしくお願いします!
「ロスターナ」
「はい、先生。どうしました?」
「君と同室になる菊池だ。仲良くしてくれ」
「菊池っす……よろしくお願いします」
「まぁ! 初々しい反応ですこと」
「えっと……男? 女?」
「男よ、失礼ね」
「そうなんっすね……」
そう言って項垂れる菊池を他所に珈琲を飲み、明日からまた忙しくなりそうだと遠い目をした昼前、ドタバタとダグラスとカナエが帰ってきた。
何時ものダッシュと言う奴だな。今日はダグラスがついていてくれるから安心だ!
「こんな……っ 疲れる事を毎日お前たちはしてたのかよ!!」
「はははは!」
「良い汗掻いたわ! 先生、どこも売り上げ上々です!」
「うむ! こちらも話はある程度まとまった所だ。菊池を弟子二号にした」
「二号なんですね。良かったです」
「差し当たって菊池の服の準備と、明日菊池も女王陛下に会わせる為、スーツを用意して貰いたい。お金は俺が出そう」
「仕方ないですねぇ。菊池ー? サイズ幾つー?」
「え? え?」
「服のサイズよ」
「Lだけど」
「ならスーツも問題なさそうね。ネクタイは先生が赤だから、菊池は青にしましょう」
「うむ、ネクタイピンもいいのを用意してやってくれ」
「先生のよりはランク落としますけどね」
「ははは」
こうしてあっという間に服が段ボールで届き、菊池は驚いた様子で駆け寄って中を見ると「なんだ、どうなってんだ!?」と驚いていたが――。
「私のスキル、ネットスーパーなの」
「ネットスー……それで香辛料とか!」
「ピンポーン♪」
「拠点作れる人が居て、商品作れる人が居て……絶対二人共勝ち組じゃん!?」
「「あはははは!」」
「俺のスキルボードなんて何の変哲もないのに……」
「どれどれ、もっと詳しく見せてみてくれ」
「これっす」
そう言って菊池のスキルボードを見せて貰うと、確かに一見すれば何の変哲もないが、隠しスキルが出てきている。これはオスカール王国では見つけられなかっただろうな。
しかし、これは伝えていい物か……。
「どうっすか?」
「俺が見ているスキルボードと、菊池が見ているスキルボードで間違いが無ければだが」
「はい」
「運の良さにスキルポイントを振れるようになってないか?」
「なってますね。怖くて触れなくて」
「なるほど」
「鑑定よりスキルボードで見たほうがより詳しく分かるのか。当たり前だが」
「でも、運の良さだけじゃなぁ」
「いや、菊池もあるじゃないか。スキルを取ってないだけで」
「何があるんすか?」
「ネットスーパー(小)があるな」
「あ、それここにきて生えてきた奴です」
「生えてくるのか?スキルが!?」
「ええ」
「ポイントはネットスーパーに全振りで良いと思うぞ」
「じゃあネットスーパーにスキル全振りしときます」
そう言うと全振りしたらしく【ネットスーパー(小)】から【ネットスーパー】に変わった。
つまり、カナエが最初に持っていたモノと同じものになった訳だ。
「ネットスーパー持ちが欲しかったんだ。これでカナエだけに掛かっていた負担が軽減するよ」
「そうなんすね!」
「後は菊池もネットスーパーで商品を買って、こっちの世界で売ってみるといい。売れればスキルポイントが溜まるぞ。俺の店を貸してもいいし、商業ギルドやボルドさんの所でも喜んで貰えると思うぞ。」
「ボルドさんにはお世話なったけど、まずは先生の店でお願いしたいっす」
「俺の店は『お菓子店』と『酒屋』になる。美容関係の店はカナエにやった」
「流石先生っすね。でもお菓子と酒か……」
「どっちも直ぐ売れるぞ。ただし高いものに限るがな」
「ゔぅ、金貨20枚しか手持ちにないっす」
「それが化けるからつぎ込んでみろ。倍々ゲームだ」
「うっす」
そう言って20枚の金貨を全て投入し、そこから商品を選んでいく。
酒か菓子かで悩んだ結果、お菓子にした。酒は飲んだことがないから分からないと言う事らしい。
「この中でお勧め商品ってありますか?」
「うーん、カナエはこの辺を買っていたな」
「あー堅実な道っすね。俺はこの辺りとかどうかと思うんですが」
「うーむ」
「俺、小さい頃この宝石みたいな飴に感動して、何時か宝石沢山食べるんだーって言い捲ってたんすよ」
「なるほど。確かに女性受けはするかもしれないな。飴は出してる個数も少ないから狙い目だぞ」
「なるほど。後一つ選ぶなら……相手はやっぱ貴族っすよね」
「だな」
「貴族相手じゃないなら割れチョコとか選ぶんすけどね」
「そこは買わないだろうなぁ」
「なので、女の子が選びそうな猫缶のチョコを選ぶっす」
「良い選択だな。見た目も可愛いしプレゼントにもいい」
「これで金貨20枚。箱買いで売りに出すの、どうっすか!」
「昼から売ってみるか?」
「はい!!」
こうして、菊池の全財産金貨20枚で買った飴と可愛い猫柄のチョコだったが――、その夜の売り上げで見事売切れたらしく、『店舗サービスポイント』がついてスキルが上がったらしい。
届いた金貨の枚数を見て意識を失いかけた菊池だったが、何とか堪えて金貨を受け取り、更に全部ではないがネットスーパーに入れ込み、明日売りつける商品選びに余念がない。
「菊池もネットスーパーの闇に落ちましたね」
「そういうものか?」
「あれは一種の博打ですから」
「まぁな。貴族に売れなければどうしようもない事ではあるが」
「堅実にいくか、冒険するか」
「アイツは運がいいからな」
「そうでしたね」
その後、菊池の買った商品は爆買いされることになるが、それは運の良さ故なのか、天性の物なのかは分からないが、取り敢えず翌朝は女王陛下の元に行かねばならない。
――早朝、何時もより早く目が覚めた俺はダグラスに挨拶をし、顔を洗い髭を剃り髪も整えてからスーツに着替える。
何時もの、ではなく、特別なスーツに。
時計もいつもの、ではなく、特別なモノに。
今日の料理はテリアとロスターナが準備してくれているようだ。各店舗には昨日の夜のうちに多めに商品を入れているので、土日ではないし昼までは持つだろう。
朝ご飯を食べて、子供達の仕事を割り振って、身支度をシッカリ整えたら、商業ギルドマスターのいる場所まで三人で向かうと、既に馬車が待っていた。
「おはようございます、リウスさん、ボルドさん」
「おはようございます。そちらがキクチさんですか?」
「初めまして! 菊池です!」
「俺の弟子二号です。今回同行させます」
「そうですか。オスカール王国では大変苦労をしたようですね。この国では楽しく穏やかにお過ごしください」
「ありがとう御座います」
「では、皆さん参りましょうか」
こうして馬車に乗り込み、俺達はノスタルミア王国の女王陛下に会う事になった。
時間は10時に謁見。
果して、どう出てくるか――。
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