28 忙しくとも、やりたい事をやらせたいのが教師心。
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「あ、テリアに洗い物を任せていいか? ちょっとカナエを借りたい」
「分かりました」
「どうしたの?」
「エリーナの仕事量が凄くてな。化粧水と乳液を更に補充と、空の奴を補充しておいてほしい。あとは各種確認しながらだな」
「分かったわ」
こうしてカナエに詰め替え作業分の補充するものは補充して貰い、ホッと安堵してから昼からは店舗で足りない商品の補充をしてから銭湯を作りにカナエと向かう事になったのだが――。
住宅地区は昼間なので女性がちらほらとお年寄りがたまに居るくらいで、子供たちの声はするが家の中だろう。
今の内に考えていた銭湯を出すべく、スキルボードを出して銭湯を選んだ。
すると瞬時に銭湯が出来上がり、ホッと安堵しつつなんとも懐かしい見た目だ。
俺の住んでいた地域にあった銭湯をイメージしたが……何というか、周辺と浮いている。
それも目立っていいだろう。
銭湯の出入り口外には家族を待つようの待機所があり、雨を防げるような作りで左右に並んでいる。
銭湯の出入り口には右に男湯、左に女湯の暖簾があり、それぞれに靴を仕舞う下足箱がある。
中に入ると番台があって、ウォーターサーバーが左右に五台ずつ並んでいる。
このウォーターサーバーは幾ら水を飲んでもすぐに水が補充される仕組みのようだ。
魔素を使っているのかも知れない。
青い暖簾をくぐれば、ずらりとロッカーが並んでいて、一つ一つ図で使い方と分かりやすい文字で使い方が書かれており、鍵付きのロッカーなので無くさないようにと書いてある。
また、トイレも六つ用意してあり、我が家にあるのと同じ謎の原理だ。
身体を洗った後は髪型を気にする方々の為にセットする場所が用意されており、ここも従業員に掃除して貰う事になるエリアだ。
男性は抜け毛がな……いや、女性もだろうが。
また、お風呂に入ったり出たりする時のマットは常に清潔なモノになるらしく、速乾吸収らしい。
お風呂はというと、入って右手が身体を洗うスペース。
壁一枚隔てて隣の客の邪魔にならないようにしてある。
男性一人優に入って身体を洗えるように広くしてあり、カナエにはイスと桶、リンスインシャンプーとボディーソープを此処に一つずつ置いて貰う事にした。
男性用のリンスインシャンプーだが、ボルドさんに納めている物より安いものにした。
ボディーソープも一般的にあちらの世界ではよくある奴だ。
シャンプーには赤いガムテープで『頭用』と書き、ボディーソープは緑のガムテープで『身体用』と書いた。それを二人で分担すれば早い。
シャワーの使い方も一つ一つの壁に図と文字で書かれているので大丈夫だろう。
鏡もあるので髭を剃りたい人は剃っても大丈夫なようにしてある。
続いてお風呂だが、まずは掛け湯、泡風呂、熱い湯、ぬるま湯、水風呂と用意した。
風呂に入る前は掛け湯をしてくれと注意書きをしている為、大丈夫だろう。
「さて、問題の入浴剤だが……」
「熱い湯にはこう、爽快感のある奴にして、ぬるま湯には我が家で使ってる芯までホカホカのでいいのでは?」
「だが長風呂しそうでな」
「確かに……風呂は一人15分って決めたらどうですか?」
「そうだな、風呂に浸かるのは一人15分まで厳守にしておこう」
そう俺が言うと壁に大きな張り紙がされ、厳守と大きく掛かれている。
此れなら問題はない。
そしてカナエから入浴剤のスーッとする奴を購入すると、熱い湯に五つ入れて、空間収納から我が家で使っている入浴剤を取り出すと同じくぬるま湯に五つ投入。
これで鑑定すると丁度良かったので、結構コスパは良いようだ。
次に女湯にも向かい、同じ作りの為カナエから購入するものは購入し、やはり同じガムテープのやり方で貼り付けて置いていき、お風呂は熱い湯にスーッとする入浴剤を、ぬるま湯には我が家で使っているのを入れて準備完了。
銭湯の裏手には倉庫と従業員用の控え室があり、倉庫に予備のイスと桶、詰め替え用のリンスインシャンプーとボディーソープを購入し置いておく。ついでに家と繋がるドアをイメージして設置しておいた。控え室には簡易キッチンとイスとテーブルがあった。銭湯の確認が終わったので帰りに商業ギルドに行き、「用意が出来たので何時でも人材が見つかったら呼んでくれ」と伝えてから家に帰宅。
昼三時前には何とか家に着いたようだ。
「カナエ、今日のおやつはどうする?」
「そうね、大人組もいるし……チョコパイとかにしようかな」
「いいね、チョコパイ。俺も昔好きだったなぁ。なんていうか贅沢な気分に浸れる」
「一人二個ずつって事で、午後も頑張って貰おうかと」
「うむ、それがいい。今は忙しいが落ち着けば少し楽になるだろうしな」
「そうね……また忙しくなる未来しか見えないけど」
「ははは! 店はまだ増やす予定はないからなぁ」
「私も先生の店舗が増えないとお店出せませんし」
「うむ、もう少しスキルも『店舗を増やす』を優先して欲しいな」
それが後々問題になるのは置いとくとして、丁度三時のおやつ時間になると子供たちとダグラスとエリーナが手を洗ってやってきた。
机に並ぶチョコパイと牛乳に子供達もエリーナもテンションが上がる。
そしてダグラスは何気に甘党であることが判明した訳だが、美味しそうにチョコパイを食べていた。
「先生、これからどうするの?」
「店舗確認だな、そこは外せない」
「ですよねー」
「あの、先生」
「どうしたテリア」
何時もは大人しいテリアが手を上げて俺に声を掛けてきた。
「あの、仕事も頑張りますけど……私、カナエさんに料理を教えて貰いたいんです」
「料理を?」
「何時もカナエさんに任せきりで申し訳なくて……」
「でも、テリアちゃんはその分皆の洗濯をしてくれてるから助かってるのよ?」
「私も料理を覚えたいんです……駄目ですか?」
「ん――。先生としては」
「先生としては?」
「カナエ、君はテリアちゃんの料理の先生になりなさい」
「え!?」
「やりたいことはやらせる。それが俺の信条だ」
「もう、じゃあ料理を作る時になったらテリアちゃんに声を掛けるね」
「ありがとう御座います!!」
こうしてテリアは此れからカナエが料理を作る時は一緒に作る事になった。
一人で作った方が早いかも知れない。
だが、生徒がしてみたいと言う事は、先生としてはさせてやりたいんだ。
カナエには悪いが、我慢して貰おう。
その後食器洗いまでカナエとテリアがしている間に休憩を終わらせた子供達とダグラス達は仕事部屋へと向かい、テリアも食器洗いが終わると仕事に参加していた。
「よし、二人で店舗に行ってみるか」
「在庫が少ない分から補充ですね!」
「頑張ろう!」
こうして店舗に入ると持ってきた靴を急いで履いて商品確認をして行く。
すると――。
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