25 朝からの訪問者に抱きしめられ困惑しつつ、商売の話を応接室で行う。
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「さて、レベルも上がったので」
「チェックしましょう!!」
こうして、恒例のスキルチェックが始まった。
前回俺はどのスキルも取らなかった事もあり、どんな結果になっているのかドキドキだ。
前回のスキルは、『一つ、拠点を増やす。一つ、拠点を更に大きくする(宿屋大並み)一つ、銭湯を作る(入浴剤は選べます)。一つ、店を作る』が選べたが、今回はと言うと――?
【四つのスキルをこの中から選びます。一つ、拠点を増やす(2)。一つ、拠点を更に大きくする(宿屋大並み)(追加:温泉宿)一つ、銭湯を作る(入浴剤は選べます)。一つ、店を作る(2)一つ、村を作る】
……なんか凄いのがあった。
村を作るってなんだよ。
村って簡単に作れるものなのか? 違うだろう? 違うよな?
「……カナエ」
「どうしたんですか?」
「村って簡単に作れると思うか?」
「え……そんなのが出たんですか?」
「出た……」
そう言うとカナエは俺のスキルボードを見て「うわ……」と口にした。
ちょっとその言い方はショックがある。結構辛い。
「カナエはどうなんだ?」
「私の方は前回が『宝石店、アウトドアグッズ店、ネットスーパーの拡張、ホームセンター』で、ネットスーパーを大きくしました。そしたら規模的にはネットスーパーが野球のチームがあるアソコみたいに大きくなりました」
「おお、凄いじゃないか!!」
「で、今回選べるのが【店舗ボーナス】っていうのがあったので、前回一つ取らなかったので三つ選べるんですけど、宝石店、アウトドアグッズ店、ホームセンター、本屋、CDショップ、下着専門店になってます。本屋とCDショップと下着専門店が追加になったくらいです」
「確かに無音と言うのもなーとは思ってたんだ」
「ですよね。お店に音楽流したいですし、でも、何でしょうね、下着専門店って」
「男のロマンが詰まってそうだな」
「ああ、エッチな感じのとかですか」
「そうだな、エッチな感じなのが多そうだ」
「私が着たら喜びます?」
「魅力的だが今は止めておこう」
「むう」
「取り敢えず今回はまだ保留だな……店が軌道に乗ったら考えよう」
「そうですね、此処まで怒涛の勢いでレベルが上がったので、これからはゆっくり上がるかも知れませんし」
「そうだな」
こうして、今回も一旦保留と言う事でホッと安堵し、お茶を飲んでから部屋に入るとダグラスはグッスリ眠っていた。
俺も隣の空いてるベッドに潜り込んで、そのまま疲れもあってグッスリ寝た訳だが、翌朝目を覚ますと、ダグラスが床で筋トレしていてビックリした。
「おはようダグラス」
「おはよう」
「朝から筋トレか?」
「ああ、鍛えるのは癖だな」
「替えの服があるだろう? 朝ご飯の前にシャワー浴びてくるといいぞ」
「そうさせて貰おう。しかしこのシルクのパジャマはヤバいな。癖になる」
「ははは! そうそう、髭剃りが欲しい場合はカナエに言うといい。出して貰えるぞ」
「それは助かる。だが髪を切りたいな」
「あ――俺もそろそろ切りたいが、どうしたものか。床屋とかあるんだろうか?」
「あるにはあるぜ? 獣人も切って貰えるらしいが……予約しないと無理なんだよな」
「ふむ、なら今度の休み、床屋を貸し切って全員で切りに行くか」
「良いなそれ」
「今日丁度商業ギルドに行く予定だったんだ。ついでに予約してくるよ」
「ありがたい」
こうして俺は起き上がり、何時ものスーツ姿に着替えてネクタイを締め、ダグラスと共に一階に降りるとカナエとテリアが食事の準備をしていて、子供たちは走り回っていた。
朝のちょっとした自由時間だ。
直ぐに朝ごはんの準備が出来たようで、子供たちがお皿の準備等をしている間、エリーナは子供たち向けのテストを作っていたらしい。
流石エリーナ先生だ。
「では、頂きます!」
「「「いただきます!」」」
こうして朝食は具沢山のサンドイッチで、ダグラスもエリーナも美味しそうに食べている。
無論野菜たっぷりのスープも美味しい。
「香辛料ってどれも高いのに、この家だとこんなに沢山使うんですね」
「うちは特別な取引先があるからね」
「そうなの」
「それに、お昼の3時になるとおやつ時間があるのよ!」
「甘いお菓子がでるんだ!」
「「おかし!?」」
「その為に頑張って仕事しようって思えるよな!」
「うんうん!」
そう言って首を縦に振る子供達。
そう言えば誕生日とか聞いてないがあるんだろうか。
「そう言えば皆、誕生日とかあるのか?」
「たんじょうびってなに?」
「無いのか」
「生まれた日の事よ」
「年に1回だけ家族で年を取りましたみたいなのはあったかな」
「そうね、うちもそうだったわ」
「なるほど」
と言う事は、年に一度贅沢な日を作っていいかも知れない。
それを思っていたのはカナエも一緒の様で、小さく頷き合った。
さて、この朝ご飯の間にすべきことがある。
子供たちのスキルチェックだ。
まずはシュウとナノからだが――。
【シュウ:悪意察知・危険察知・投擲7・器用さ3・素早さ4・知識4】
【ナノ:回復魔法2・テイマー・空間収納(小)・器用さ2・素早さ3・知識2】
器用さと素早さと知識が追加になって増えていた。
勉強のお陰だろうが、知識がある事は良い事だ。
それに一般の人でも知識があっても出てくるって事は、専門的な知識が身に付きつつあるんだろう。
では三姉弟はというと――。
【テリア:生活魔法6・料理6・器用さ8・知識2】
【テリー:器用さ7・水魔法5・緑の手・知識3・素早さ5】
【テリアナ:器用さ5・水魔法4・緑の手・知識2・素早さ3】
こちらも知識や素早さなどがついてスキルアップしていた。
このまま様子を見るとして、仕事量が仕事量な為、器用さと素早さは上がりやすいんだろう。
満足のいく結果にホッとしつつ食事を終えて珈琲を飲んでいると、ドンドンと玄関を叩く音が聞こえ「またボルドさんかな?」と苦笑いしながら歩いて行く。
「おはようございま、」
「初めまして~~~!!」
「え!?」
そう言って急に抱き着かれて頭が混乱する。
誰だこの女性は!!
「こら! ポリンズ!! はしたないぞ!!」
「許してアナタ! こんな感動的な事はそうそうなくってよ!」
「えっと……」
「申し訳ありませんアツシ様。妻のポリンズです。シャンプーや化粧品を気に入りまして、どうしても会いたいと」
「な、なるほど。出来れば離れて頂くようお願いしたいですが」
「まぁ、抱擁は苦手でして?」
「出来れば控えて頂ければと」
そう言うとポリンズさんは引き下がってくれてホッとしたが、後ろには更に――。
「ストレリチアのオーナー殿! 私も会いに来ましたわ!」
「えっと」
「シズリー辺境伯の娘、ディアと申しますわ! 今日は朝一番に化粧品を買いたくて来ましたの」
「こんな時間からですか」
「申し訳ありません、私も止めたのですが」
「私、ボルドーナ商会のボルドさんのお宅に泊まっていましたの。そしたらポリンズさんの髪が素晴らしい髪に変わっていて……慌てて買い揃えましたわ」
「それは良かったです。外ではなんですから、中でお話は聞きましょう。ですが靴は脱いでくださいね」
「珍しい家ですのね」
「我が家は土足厳禁なんです」
「なるほど」
こうして四人を応接室に案内し、ボルドさんと奥さんのポリンズさん、そしてディアさんが座り、執事のゼバズさんは立って話をする事になったのだが――。
「無理を承知でお伺いしますが、シャンプー各種と石鹸はまだ仕入れは無理ですよね?」
「いえ、一応数は余り無いですがありますよ」
「では、是非それを買いたいのですが!」
「はい、構いませんよ。俺も空間収納を持っていますので、今お出ししましょうか」
「是非にお願いします……予約が余りにも多くて困っていたんです」
「直ぐにお出しできればいいんですが、何かとこちらも忙しくしておりまして。机にお出ししますね」
そう言って空間収納からエリーナとダグラスが入れ替えてくれたシャンプー各種と、ナノが入れ替えてくれた石鹸の入った段ボールを出すと、目を輝かせるお二人。
金貨に見えているんだろうな。
数を数えてシッカリと代金を貰い、ポリンズさんが空間収納持ちだったので収納して貰い、その上で少しお話をさせて貰う事になった。
「実は、明後日にはオスカール王国に行く事が決まっておりまして」
「オスカール王国ですか」
「そちらで茶葉缶と角砂糖を売りたいのですが、明後日までに数は各種500個、用意できますでしょうか。無論無理なお願いをしているのは分かっているのですが」
「いえ、大丈夫です。では、明日の朝取りに来て頂いて良いでしょうか? 応接室に段ボールを置いて中身が何か記載しておきますので」
「ありがとう御座います……っ! 必ず宣伝してきますので!」
「ありがとう御座います」
「では次に私の話を聞いて頂きたいですわ」
そう声を上げたのは、ディア様だった。
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