16 新しい子供達とおやつタイムを楽しみ、仕事に励み、夜は先生にもなる!
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おやつタイム。
それは昼3時に行われる幸せな時間。
どれだけ忙しかろうとも、この時間は大切にしたい。
無理な時は無理だろうが……。
「今日はプリンにしてみました!」
「おお、プリン!」
「ぷっちんなプリンだよ! 子供たちは私のお皿を見ててね? プッチーン!」
「プリーン!」
と俺が合いの手を入れると、プリンはプルンと皿に落ちた。
プルプルとするそれは幸せの味……。
俺のやり方も見てテリアとテリー、シュウはやり方を覚えたらしく、下のナノとテリアナにしてあげていた。
そしてスプーンで食べると、子供たちの尻尾がピーンとなっている。
余程美味いんだろうな!
「「「おいしいいいい!!」」」
「だろう――!!」
「美味しいです!」
「プルプルして美味しいー!!」
「牛乳も飲んで骨も心も強くなってね!」
「ははは!」
「どう? 奴隷であっても奴隷じゃない感じでしょう?」
「はい!」
「こんなの今まで食った事ねぇ!!」
「んっん!」
「此処ではこれが普通なの。だから気を張らずにね?」
「「「はい!!」」」
こうしてプリンと言う兵器が登場したことにより、カナエの株がグッと上がったようだ。
無論プリンも店に出す。
一つ銀貨50枚だが、買う人は買うだろう。
買わなければ俺の腹に入るだけだ。
シッカリオヤツ休憩した後は、皆で作業部屋に行き、終わった数を俺がノートに書き記す。
書き終わった分からカナエは店に持って行って棚に置く作業を始める。
俺の頼んでいたものはシュウがしていたのか、結構な数が出来ている。
「凄いなシュウ、これだけあればオープンしたその日くらいは持ちそうだ」
「その日だけじゃダメなんですよね……もっと一杯作ります!!」
「人手が足りなければ、またテリアみたいに困ってる子を連れてくるからな。その時は言ってくれ」
「はい!」
「現場監督も頑張れ!」
「はい!!」
こうして後は子供たちに続きを頼み、俺は店へと入っていく。
カナエは最後の陳列をしているようで、俺は最後の仕上げとばかりに異世界のレジを商業ギルドで買っていたので、それを設置して終わりだ。
「カナエ、終わったか?」
「ええ、コレで最後よ」
そう言って立ち上がるカナエの隣に立つと、ズラリと並んだ化粧品の数。
化粧水、乳液、化粧落としに、ニキビ肌用のクレンジング。その他の洗顔も置いているようだ。
洗顔も化粧水も、しっとりとさっぱりとあって、リップも多種多様だ。
化粧品には詳しくはないが、色々置いてあるのと、口紅も数を揃えて結構置いてある。
その場で試せるテスターもついていて、まずはお試しで使って色や発色を確認して選んでねって事だろう。
「まずまずの出来です!」
「いや、凄いけどな!」
「子供たちの手腕のお陰です!」
「それはあるな!」
「後は明日在庫をこちらに持ってきて番号を振って置けば、少なくなったり、無くなった分を補充出来ますね」
「それだけ売れればいいんだがな……少し不安になって来るな!」
「商売は賭け事と一緒です!」
「それもそうだな!」
「勝ちに行きましょう! 店員教育です!」
「一日で終わればいいんだがな!」
「明日でしたっけ?」
「明日だな」
「頑張りましょう!」
「うむ!」
こうして本拠地へと戻り、子供たちが作業している間にお先に珈琲タイムを楽しみ、カナエは人数が多くなった分料理は大変そうだったがコンロが大きくなったこともあり、楽しく料理しているようだ。
こうなると、料理人を雇いたくなるんだが……どうしたものか。テリアが料理スキル持ちなのに雇うんですか?
「カナエ」
「ん?」
「料理がきついなら料理人を雇うがどうする?」
「ん――……自分で作った方が美味しそうなので」
「そうか」
「それに、今は忙しいですけど、もうちょっとしたら忙しさも少なくなりますし」
「ふむ」
「先生、乗り切りましょう!」
「そうだな!」
そう会話していると夕方6時になって時計から音が鳴り始め、子供たちが手を洗ってからパタパタとリビングに入ってきた。
「お疲れ様!」
「お疲れさまでした!」
「作業大分進んだぜ!!」
「良い感じだな! もうちょっとしたらご飯だから、それまでは休憩してなさい」
「先生、もじおしえてー」
「俺は計算を教えて下さい」
「ん、いいぞ」
「ずるーい。私もやりたーい」
「俺もー!」
「ん!」
「じゃあ一人ずつノートと鉛筆と消しゴムがいるな。でもカナエの手が空いてないからまずはどういう風に勉強するのか見学からスタートだ」
「「「はい」」」
こうしてカナエが料理を作っている間は俺がシュウとナノの勉強を見てやり、その様子をジッと見ていた三人の表情は次第に暗くなっていく。
「どうした?」
「あの……アタシ達、まだ文字の練習もしたこと無くて」
「読めはするんだ、でも書けないんだ」
「そう言う子達は多いのか?」
「結構いると思う……この二人は多分家が裕福だったんだな」
その言葉にシュウの手がピタリと止まったが、直ぐに計算に移った。
誰にでも語りたくない過去の一つや二つはあるだろう。
「じゃあ、君たちは文字の読みが出来るなら、書く練習をしような」
「「「はい」」」
「はーい、もう直ぐご飯よ~!」
「よし、勉強はここまでにしてご飯食べるか!」
「食べるー!」
「お腹ペコペコだー!」
「手を洗ったら戻ってきてね~」
こうして皆で手を洗い、泡石鹸で手も綺麗に洗ってから食卓に行くと、今日は煮込みハンバーグに子供たちはパンに俺とカナエはご飯だった。
それに野菜たっぷりスープと言う、なんとも豪華だった。
「スープとパンはお代わりあるからね」
「野菜苦手ー」
「俺も苦手だったけど、カナエ姉さんのを食べたら好きになれたよ」
「マジかよ……スープだって塩のうっすい奴だろう?」
「でも匂いが違うわ」
「確かに」
「ま、食べてみて頂戴な!」
こうして「いただきます」をしてから食べることになったのだが、一口スープを飲んだ途端子供たちは顔を見合わせ笑顔が溢れている。
そうだ、この笑顔があってこそのこの拠点なんだ。
「うまいか?」
「うまい!!」
「「おいしい!!」」
「パンもフワフワで美味いぞ。煮込みハンバーグのソースをつけて食べるのをお勧めする」
そう俺が言うとフワフワのパンを口にして尻尾がピーンとなり、ソースをつけてまたピーンとなり、見ていて飽きない動きだ。
そして煮込みハンバーグの時は声を失う程に齧りついていた。
寸胴鍋一杯に作ったスープを平らげ、お腹いっぱいになった子供たちは牛乳で休憩し、俺とカナエは珈琲で一服だ。
「美味かったか? 後は風呂に入って寝るだけだぞ」
「はーい」
「ああ……ここ天国かよぉ」
「しぁわせぇ」
「分かります、俺もナノもそうなりましたから」
「よし、風呂は男組と女組で別れて入ろう。風呂もデカくなったから行けるだろう」
「そうですね」
「ほらほら、男子組! 食器を流し台に持って行ったら部屋に行って着替えを取ってきなさい」
「「はーい」」
「女子組は洗い物とか手伝ってね。テリアちゃんは生活魔法使えるんだよね? 後で洗濯手伝ってくれる?」
「はい」
「生活魔法使える子が一人増えて嬉しいわ! 一人じゃちょっと大変だったのよ」
「良かったです。お役に立てるよう頑張ります」
「じゃあ、テリアちゃんは自分たちの兄弟分を。私は将来の夫の先生と、二人の先輩獣人さんたちの洗濯物しちゃうわ」
「はい」
「お取り置きされてるんだよな?」
「そうですよー? キャンセル不可ですからね?」
「やれやれ」
「ふふ!」
こうして男子組が部屋から着替えを取ってきて戻ってくると、俺は男三人で風呂に入り、身体を各自洗ったりなんたりと身奇麗にしてから風呂に入浴剤を入れてから三人同時に入り、芯が温まるまでゆっくり入る……。
「あ――……今日も一日頑張った。明日も頑張るぞ」
「先生親父くせぇ」
「ははははは!」
「いいか? 女の子の前ではある程度恰好付けたいのが男なんだ。お前たちも年頃になれば分かる」
「ふーん?」
「でも、分かる気がします。好きな子にはカッコよくみせたいみたいな、そんなのですよね」
「まぁそうだな」
「俺はまずは自分の仕事に誇り持って取り組んでこそだな。それからでいいや」
「それもまたアリだ」
こうして会話をして芯まで温まったら上がり、女性陣と交代してお茶を各自飲んでから部屋で寝ることになった。
寝る部屋は各自好きにさせたが、俺も一人部屋を貰えて伸び伸びと寝れたのは言うまでもない。
しかし翌朝――。
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連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら
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