119 ノスタルミア王国に【漁村】を作る手伝いをする!
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全てを食べ終えた陛下とメンデルさんに日本酒をそっと出して飲ませながら二人は盛り上がり、「では明日朝から作業を頼むぞ!」と言うと「大変美味であった!!」と言って二人は帰って行った。
ホッと安堵したが洗い物を手伝いゴミはゴミ箱に捨てて魔素にし、「プレゼンは成功かな」と苦笑いしつつミスアーナの家に戻った俺達だった。
翌朝からミスアーナの隣、馬車で一時間位の場所に大きな町をもう一つ作る事になり、まずは全体図を見せて貰う。
池を中心にして色々発展させ行く形だが、既に着工は始まっていて中央の池を待っている状態だった。
そこでまず転落防止の柵のある池をスキルで発動させて出すと、工事をしていた人々は驚いて様子を見ている。
ついでに魚を取った後の処理場をコンクリートバリバリで作り、巨大なゴミ箱を設置し、ゴミ箱に痛んだ魚や内臓等を入れればそれは魔素になって循環されるだろう。
水道も沢山作り、下水に流れていった汚い水や魚の鱗等も魔素となる。その為の施設だ。
無論氷製造機もドーンと大きく用意したので、釣った魚を氷水に入れる事も出来るし、氷で腐敗を防止する事も出来る。
ホースも用意して水道とセットで使えばいつでも床はピカピカだ。
その辺りもメンデルに説明しながら実際の使い方を見せる。
かなり大きな横長の建物にしたので、これを4か所に作り各場所で作業が出来るようにするのだ。
また馬車が通る道もあるので、そこには冷凍機能を施した馬車が止まるのだろうし、魚に関しては専門の冷蔵庫や冷凍庫はジュノリス大国に注文してくれと頼んだ。
これも一つの営業なのだ。
「市場は作って貰えますか?」
「余りスキルは使いたくないんです。大工職人さん達の仕事を奪う事にもなりますし。」
「では、先程の工場に大きな倉庫だけでも。冷凍した魚を入れていきたいので」
「それは構いませんよ」
こうして一つの工場につき大きなコンクリートで出来た倉庫を作って行く。両脇に作るのでそこから馬車に荷物を乗せていけるようにした。
倉庫にも念の為、氷製造機も用意してあげたのでこれで良いだろう。
「魚の加工を自動で出来る魔導具とかは難しいですよね?」
「それは出来なくはないです。が、国家予算一年分でも足りないですよ」
「そんなに!?」
「今のこの世界に合わない、時代にあっていないんです」
「でも……」
「魚の加工と言ってもどんな加工を望んでいるのかも分からない。私が用意したモノだよりになるのでは?」
「むぐぐ」
「それに皆さんが必要だと思う魔導具は魔導具師たちが頑張って作って行くものだと思います。そうしなければ魔導具師も育ちませんよ」
「そ、それもそうですね……はぁ」
こうして渋々諦めて貰い、必要最低限の協力にして、昼過ぎには作り終えることが出来た。
無論無理難題を言われる事はあったが、俺もそこまでお人よしではいられない。
魚加工に関しては何があっても教えなかったし「つみれ団子の作り方を知りたければストレリチア村から人材を派遣しますよ。お金は貰いますが」と笑顔で伝えて置いた。
後で陛下に言われたとしても、俺達の持っている知識だ。
知識の安売りはしない。
四国の発展に必要な知識は仕方なかったが、こう言う知識は出せば出すほど確かに発展はするが、問題もどうしても出てくるのだ。
特にミスアーナには俺の店、ストレリチアがある。
「これ以上この国の貴族に睨まれるのもな」とも思った。
工事の人や今後漁業で働く人の為に漁村にも銭湯は作ったが、漁村に住む人の家や食堂やお店等は作らなかった。首都から馬車で一時間位なら家が出来るまでは首都から馬車で通うことも出来る。魔物の出ない春の国だから職人さんの中にはテント生活の人もいた。ノスタルミア王国の人が働いてお給料を貰うのが理想だ。俺ばかりが儲けても仕方ない。
銭湯は職人さんの為にも、漁業で働く人の為にも用意した。魚は匂いが付くからな。
「漁業をする上で、私がいた地域ですと靴が特殊だったんですが、それはストレリチアで購入する事は可能でしょうか?」
「その地域から買い入れる事は出来ないのですか?」
「えっ!」
「まぁ、多分長靴ですよね?それくらいでしたら売る事は可能ですが、前に住んでいた地域にお世話になっていた職人さんがいるんですよね? その方たちに注文して恩返しした方がいいんじゃないですか? 特に今回は漁業を新規に始めるのに数が必要になりますし。」
「大量受注になるので、別の仕事の片手間に作っているあそこの職人さんでは間に合わないのです…」
「あーー」
「ストレリチアでお願い出来ませんか?」
「分かりました。長靴、胴付長靴と用意します」
「ありがとう御座います。少し高くとも買います。必要経費です!」
そう笑顔で言ってのけたメンデルに苦笑いすると、「それならミスアーナの家で予約を受け付けますので通信魔道具にてご連絡下さい」と伝えると笑顔で「働く人達の足のサイズを確認して、注文させて頂きます」と頭を下げられた。
「それから釣り用の釣り竿ですが…」
「長靴と一緒で、釣り竿も自分たちの必要な時だけ作っていたんじゃないですか? 釣り竿もストレリチアで購入しますか?」
「お察しの通りです。釣り竿も購入したいです…」
「まぁ、お値段がそう高くないのでしたらお売り出来ますが」
と、こうして其方も大量受注と言う事で購入が決まった。
無論釣り竿は4つある倉庫に各自本数を決めておくことが決まり、釣り竿とタモ網を一本だけ出してプレゼントすると使い方を教えて納得して貰った。勿論タモ網の注文も受ける事になった
「巨大な池だけでも相当なお金が動きましたが……もうこれからは魚釣り放題ですよ! もっともっと発展させなければ!」
「そうですね、その為にも早くこの漁村が出来上がるのを楽しみにしてます」
「はい! また足りない物が出来ましたらご相談しますので!」
「そうですね、今回は養殖用の池は用意していないので、皆さんが漁業になれてから考えていきましょう。」
「その際はよろしくお願いします!」
と、こうして漁業に関しては一先ず終わりという事になった。
後は頻繁にミスアーナの執務室に戻って注文が来ていないかどうかの確認となるだろうか。
ただ、俺が忙しい時に連絡が来ていると不味い。
「なぁカナエ」
「ん?」
「連絡係に菊池を走らせてもいいか?」
「ああ、ミスアーナの家に届いた依頼を運ばせるのね」
「そうだな、大体俺はジュノリス大国にいるかミスアーナの家にいるかが多いだろう? 夜こそ二人だけで過ごすストレリチア村に帰るけど」
「そうね、となるとアツシさんの執務室も必要になって来るわね」
「あーそうか、執務室を作ればいいのか」
「ジュノリス王に頼んでみる?」
「そうだな、その前にミスアーナの魔道具店で通信用の魔道具を幾つか買っておこう」
「それが良いわね」
こうして最後は二人でミスアーナの魔道具店に瞬間移動し、通信用魔道具を多めに購入してから空いた時間でジュノリス大国に戻り、ジュノリス王に「自分用の執務室が欲しい」と告げると、「翌朝には執務室を準備しておく」と言われホッとした。
今日はノスタルミア王国で漁村の準備をしてきたと報告したら魚を羨ましがられた。フッと気になってダンジョンには水場はないのか聞くとどうやらあるらしい。アレ?「鳥系魔物のモンバルコーと牛系魔物のモンバルモーと豚系魔物のモンバルブゴーがいるなら、ダンジョンの水場に食べられる魚系魔物はいないのですか?」っと聞くと盲点だったようだ。
ダンジョンの水場の確認についてはジュノリス王の号令で冒険者ギルドと共に確認に動くという事になった。 漁村を作ったことで更にレベルが上がったが、もう見るのも怖い。国の発展に携わっているのだから仕方ないのだが――。
「それと、ラスカール王国からもミルクが届くようになった。アイスを作る方法と、出来れば施設が欲しいのだが」
「そうですね……大きい施設があれば何とでもなりますが、空いている大きな場所はありますか?」
「東に広い土地が開いている、そこは住宅地に近いがいけそうか?」
「まぁ、働くのは住民でしょうから良いかと。冷凍の魔石は腐る程ありそうですか?」
「今受注している。もう少しすれば嫌程届くだろう」
「ふむ、なら何とかなりそうです。明日は工場を作りましょう。ただ、魔石を用いた工場にするので魔導具師とか関係者を集めておいてください」
「分かった、明日菓子部門大臣を呼んでこよう」
「「菓子部門大臣……」」
思わず真剣な表情で口にしたジュノリス王に思わず呆気にとられたが、そこまでして欲しいアイテムなんだな。
チョコレート工場もまだ出来てないし、東は工場地区になりそうだ。
「早くチョコレート製作も出来るといいんですが、バターがですねぇ」
「ミルクを沢山使うな……チョコレートは来年になりそうだ。ミルクが足りないし、魔物の繁殖には時間がまだ掛かる」
「では、チョコレート工場は来年と言う事で」
「うむ、それまでに各店舗等に冷蔵庫や冷凍庫や、店用の見せる冷蔵冷凍の棚も作らせねば」
やる気一杯のジュノリス王に俺も「そうですね! ちなみに魚用の冷凍庫の特別受注も来るので大変ですよ」と伝えると頭を抱えられたのは言うまでもない。
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