113 ラスカール王国でやるべき事を終え、ジュノリス大国でやるべき事を精査する。
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俺達は扉を使ってラスカール城に飛ぶと直ぐにラスカール王と会う事が出来た。
すると――。
「先生待っていたよ!! もーー待ちきれないくらいだったさ!」
「すまないな。習わしには従わなくては」
「そうだね! とても素敵な結婚式だった! ああ、畜舎だが担当の者を呼ぼう。ゾサーを呼んで来てくれ」
「畜産課は確か獣人だったな」
「ああ、彼らに先に来て貰い場所の選定をして貰っていたんだ。秋の領地と言えど、育ちやすい場所と言うのはあるらしくてね。チーズもまた少し寒い場所が良いらしいからそちらにも出来れば施設を……」
「無論いいぞ」
「ありがとう!」
こうしてラスカール王と一緒に待っていると獣人のゾサーがやってきて、直ぐに移動となった。
馬車での移動となる為馬車で移動しながら会話をしつつ、ダングル王国にそれなりに近いエリアに施設をつくる事になった。
此処の気候こそがレイバルモーの育成に丁度いい温度らしい。
レイバルモーはダングル王国に生息しているらしく、生息地域によって呼び名が変わるらしい。
そこで馬車から降りて大きな畜舎を建て、ミルクと肉用の二つの畜舎を建ててから、少し離れた所にチーズ工場を建てる。
地下でチーズを寝かせる場所もある為、その説明もすると喜ばれた。
地下はとても広く、幾つもの木製の棚がありそこで出来上がったチーズを寝かせると言う訳だ。
「チーズを作ればホエーと言う液体が出る。ホエーを食べさせたブタ科の肉はうまい」
「「ほうほう!!」」
「俺達のいた世界ではホエーブタと言われていたな」
「「ホエーブタ」」
「だがうちではブタはなぁ……」
「いえ、この地域でもブタ科の魔物はいますよ」
「そうなのかい? じゃあ先生、良かったらブタの魔物用の畜舎もお願いしたいよ」
「甘え上手だな。出来上がったらジュノリス大国でも売ってくれよ?」
「ああ、勿論だとも!」
こうして豚舎も二つ建てて、肉用と繁殖用とで分けた。
今後冒険者に頼んでこの地域に住んでいるブタ科の魔物を捕える作戦を命令する予定になったのだ。
既に鳥科の魔物の方は進んでいるらしく、そちらもその内鶏舎を建てて欲しいとの事だったが、今は数が少ない為増やしている最中らしい。
地域によってモンスターの肉は差があるらしく、霜の入った肉はダングル王国。赤みの強い肉はラスカール王国。柔らかい肉はジュノリス大国。赤みと柔らかさがあるのがノスタルミア王国らしい。色々と勉強になる。
「キャンプ場なんて作ったら、こっちだと楽しそうではあるけどなぁ」
「キャンプ場?」
「ああ、コテージでもいいが、温泉を作って広い土地にコテージ、まぁログハウスみたいな家だな。そう言うのを作って泊りに来て貰って、庭で野菜や肉を焼いて食べるんだよ。俺たちの世界では人気だったんだがな」
「そうね、私も両親と何度も行ったわ」
「ほほう……豪快に齧りつくと言うかんじですかな?」
「ああ、鉄串に刺した肉や野菜を炭を燃やした上で網を置いて食べるんだ。味付けは塩と胡椒だけとかな」
「むう、それは塩と胡椒が国民に広まってからになりそうだなぁ」
「ダングル王国では難しいので、そう言う場所が出来れば山のように獣人が訪れますぞ」
「ゾサー、そうなのかい? 私としては雪国に温泉があると良いなと思うよ。そう、こう雪見酒でも飲みながらね」
「そうなると旅館だなー。国外循環が上手く行き始めて、国民が裕福になれば出来る事ではあるが」
「先は長いと言うことですね先生」
「まぁそうだな。その時はラスカール王国にもダングル王国にも力を貸すよ」
「ありがたい!!」
こうして畜舎が出来た事でやっと受け入れ態勢が出来た為、直ぐにでもダングル王国に連絡を取り、畜産課と商業課のチーズ科に連絡も取りつけたいと言うラスカール王の為にゾサーさんも含めて城へ瞬間移動すると、ゾサーさんは固まっていたがラスカール王は今にもスキップしそうな勢いで城へと入り、執務室に戻ると畜産課と商業課のチーズ科を呼んで豚舎も作ったことやチーズ加工工場も作ってくれたことを語ってくれた。
商業課のチーズ担当はファルサリアと言う女性で、チーズ製造担当はモロッコイと言う綺麗に禿げたおじ様だった。如何にも職人って感じだ。
暫くすると固まっていたゾサーさんも入ってきて、ラスカール王との会議となったので「俺達はそろそろ失礼するよ」と伝えると「先生ありがとう!」とお礼を言われ手を振って部屋を出た。
あの調子なら良い感じに進むだろう。
「一仕事やり終えたな」
「そうね、次はジュノリス大国の大仕事ね」
「孤児院に終の棲家作り。取り敢えずジュノリス王に聞いてどこまで人員が確保されているのかも聞かないとな」
「そうね、一旦城に戻りましょう」
こうしてカナエと共に執務室前まで瞬間移動すると、ノックをして中に入る。
先ほどまでラスカール王国にいた筈の俺達が帰宅したので多少驚かれたが、「スキルの事があるからある程度ではもう殆ど驚かなくなったな」と宰相と話しているジュノリス王に、孤児院の規模や個数、それに終の棲家の規模も聞くと、出来るだけ涼しい北地区に作った方が良いだろうと言う案はあったらしいが、北は貴族が買いあさっており、空いているのが暑さの少し厳しい南しか広い場所が取れなかったそうだ。
「その南地区に200人規模の孤児院を作り子供達を集めようと思っている。孤児院の従業員になれそうな働き手は100人程集まった」
「「おおお」」
「無論虐待等せぬように定期的に医者を派遣して身体に痣や怪我がないかをチェックする。抜き打ちだな」
「それは大事ですね」
「それから終の棲家だが、こちらも200人規模の物を作って欲しい。働き手が無くて困ったが、貧困層から働き手が集まってな。150人の働き手が整ったところだ」
「素晴らしいですね!!」
「無論虐待等起きぬように徹底させるし、抜き打ちもさせる。個室に風呂と、歩けるまだ元気な老人達用の風呂場を作ってやってくれ」
「畏まりました。孤児院にも浅瀬の風呂場を作る予定です」
「そうか、それは良かった」
「それに衛生面も気になるから身体を洗ったり手を洗う泡石鹸もいるわね」
「そうだな……子供たちは泡石鹸で良いだろうが、お年寄りにも泡石鹸とかが良いだろう」
そう俺とカナエが話しているのを、ジュノリス王は眩しそうな瞳をして嬉しそうに笑っていた。すると――。
「後はお前たちに任せるが、文字や数字を覚えさせる所を作ると言っていたな?」
「ええ、出来れば大人も通える学校が作りたいなと思っています」
「王家が所有するタウンハウスがある。そこを使って構わん」
「宜しいのですか?」
「使わずにあるよりは使った方が良い。見た目はお前たちの好きにすればいい」
「ありがとう御座います」
こうして学校の準備も出来そうだ。
問題は先生だが、先生になりそうな若い文官たちを派遣してくれるそうで助かった。
何でも俺の話を聞いて学習課が出来るらしい。そこにいる文官たちと、先生を選んで出す形になるらしい。若い文官は多く、差別をするような教師ならば直ぐに変える手筈になっているらしい。
先生になる文官も大変だ。
「出来れば絵本等を取り揃えてやりたいんだがな……」
「それなら良い仲間がいるので何とかなりますよ」
「そうか、それならいい。それとお前に雇われている治癒師と言うのが連絡してきたぞ」
その言葉に水野がやって来たのを知ると、何でも西区にある冒険者の集まる家に住んでるらしく、帰ってきたら連絡して欲しいとの事だったそうだ。
「治癒院を建てるのか?」
「ええ、出来ればそうしたいですね」
「ふむ……冒険者は特に西区の門から冒険に出る。冒険者ギルドも西区にあるからな。西区の冒険者ギルド近くに空いているエリアがあるからソコに治癒院を建てると良い。引退した治癒師等を雇えばちょっとした建物にはなるだろう」
「商業ギルドで土地を買った方が良いですか?」
「ああ、ポケットマネーで出せそうか?」
「恐らく大丈夫でしょう。まずは治癒院を建ててからにします。連絡してきた彼女は何処に住んでいると?」
「冒険者の住むエリアの203番地だと聞いている」
「分かりました。今から行ってきます」
「「我々もお供します」」
「ありがとうランディールにメルディール」
こうして西区の冒険者の住むエリアに行く前に商業ギルドに向かい、冒険者ギルド近くの開いている土地を相談すると潰れて無くなった酒場があるらしく、そこの土地を購入し支払いを済ませる。
まずは商業ギルドのギルドマスターと一緒に土地を確認し、後で治癒院を建てることを話してから203番地へと向かうと、かなり広めの家が建っていて扉をノックする。
「はーい」
「水野、俺とカナエだが」
「先生! カナエ!?」
その元気な声にホッとしつつ扉が開くと、水野が嬉しそうな表情で立っていた。
中にはロゼさんもいて、中に入らせて貰い水野と会話をさせて貰う事になったのだが――。
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