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112 結婚式を終え、蜜月を過ごしたものの、やはり気になる仕事の事。

お越しいただきありがとうございます。

本日も一日二回更新です。

次の更新は夜8時となっております。

応援よろしくお願いします。

いつかロスターナに良い相手が出来る事を祈りつつ、俺は結婚式までゆっくりと休暇を過ごし、その数日後――ついに結婚式の日がやって来た。


テリサバース宗教の本拠地ともいえる大聖堂で行われた結婚式は各自の王家の映像担当により大々的にこの島国の全国民に知らされた。

最も驚いたのはジュノリス大国の人々だった。

俺が死んだジュノリス王の息子、アルフォード王太子に瓜二つである事とカナエがその恋人カナリアに瓜二つである事。

これにはジュノリス大国の国民達は、異世界より王太子たちが戻ってきたと泣いたらしい。


少なくとも、俺は四つの国でそれなりに功績を上げていた為、「あのストレリチアのアツシは王太子だったのか」と広がったが、理由を知っている者、知らない者とでは差がありつつも大変喜ばれた。


特に顕著に震えあがったのは三国の貴族と重鎮達で、無礼が無かったかどうかなど王に掛け合う事も多かったのだと言う。

それだけ【法の国ジュノリス大国の王太子】とは強い権限を持っていたようだ。


そしてカナエもまた、唯一の妃であると言う事も伝えられ、恭しくされることになる。

今までは【先生の助手一号】だからこそついているのだと思っていたが、実は婚約者であった事等が明かされ、カナエにこそ無礼をしなかったかと不安になる者達は多かった。

その事にカナエはクスクスと笑い、「言われたら言い返してたもの」とベッドの中で笑った。


そう、今は蜜月。

カナエと共に幸せに浸る時間だが、俺とカナエの希望でストレリチア村の二人の家で過ごしている。

こっちの方が何かと気を使わなくて済むし、二人だけなので裸で歩こうと気にしない。

蜜月は1カ月とらされており、その間は二人で愛を育むのだ。

俺としては「1カ月も休めるんですか!?」と驚いたが、陛下から「休むのではない! 次代の為の時間だ!」と顔を赤くされながら教わった。

とはいえ、直ぐに妊娠する必要はないらしく、蜜月をどう過ごすのかは全て王太子が決めていいらしい。

その為、カナエと話し合って、諸々落ち着いてから子作りをしようと決めた。

何せ俺はやることがまだ多すぎる。

その間はカナエも付いて行きたいそうで、ならば妊娠よりも身軽に動ける方を選んだと言うのもある。


一ヶ月はゆっくりと二人で今後の事を話し合い、スキルボードのチェックを行い、作れるものの確認をしながら計画を練った。

その間家にある連絡用の魔道具でラスカール王に「蜜月が終わったら畜舎を建てに行っていいのか?」と問い合わせた所『蜜月にまで仕事をしないでくれ!』と言われたが『お祝いも兼ねて魔物を早めに送ってくれることになったので、蜜月が終わり次第お願いしたい。場所は既に選んでいる』と連絡があり苦笑いが出た。


ノスタルミア女王陛下には「蜜月が終わり次第ラスカール王国に畜舎を建てに行きますが、その後其方では俺の話はどうなっていますか?」と手紙を送ると『蜜月まで仕事をする阿呆がいるとは思わなかった。こちらの事は気にせずとも……。しっかり反省させている故放置でよい。取り敢えず【冷凍】【冷蔵】の魔石については発案者であるアツシへ権利は渡っている』と返事が返ってきて、その後お金は俺の銀行に随時振り込まれる事になった。

しかし漁業については、重鎮たちのやらかしを聞いている為現在厳しい沙汰を出しているらしく、漁業は後回しとなった。


こうなると残るはジュノリス大国の国を挙げての事業だが、そちらはどうなっているのか陛下に連絡したところ、やはり蜜月にまで仕事をするなと叱られつつ『アツシの都合のいい所で孤児院と老人たちの終の棲家を作ってやってくれ。結婚後の王太子の務めだ』と返事がきたので頑張ろうと思う。

また「国に文字の読み書きと計算が出来る学校を作りたい。大人も学べるようにしてやりたいのだがどうだろうか?」と言う質問に対しては『良い着眼点だと思うが、今は、蜜月を過ごせ』と、最早最後は命令のような感じで終わった。



「陛下も孫が見たいのね」

「孫はもう少し待って貰おう」

「やっぱり心落ち着けてこそ子育てよ!! まだまだやることあるもの! お手伝いは任せて!」

「ああ、妻いてこその俺だからな!」

「あら、嬉しい!」



こうしてイチャイチャしながらの蜜月を過ごした俺達は一か月後ジュノリス城に戻り、蜜月を過ごしましたと言う報告をする事となる。

恙なく蜜月を過ごした事を軽く報告したのだが――。



「はぁ……仕事熱心なのはいいが、何も蜜月にまで仕事の話をしてくるとは思わなかった」

「とはいえ、落ち着いてからでないと子作りできないのが我々でして」

「蜜月は……過ごしたのでは?」

「はい、それは恙なく」

「でも、子供は」

「「落ち着いてからですね!!」」



俺とカナエの笑顔で声が重なった事にジュノリス王と宰相は頭を抱えた。

しかしそれで終わる俺達ではない!



「では、今からラスカール王国に行き畜舎を建てに向かいますが宜しいですか?」

「待て、待て、待ちなさい」

「はい?」

「今日くらいは妃の身体を優先して休むべきであって」

「シッカリ休んできましたよ!」

「最後の日はゆったりと!」

「うーん……せめてラスカール王に聞いてからにしなさい」

「それもそうですね」

「その前に、シュウやナノたちにも香辛料を届けに行かなきゃ」

「先にそっちを済ますか」

「何故うちの王太子と妃殿下はこうも働くんだろうな」

「ジッとしているのが苦手なのでしょう」

「そこに憧れます!!」

「流石は妃殿下で御座います!」



と、いう事になり先にダングル王国に向かいシュウと会う前に香辛料を一気に卸していく。

しかも卸している相手がジュノリス王国の王太子と妃殿下なので料理人の方々もかなり緊張していたが「シュナイダー王には来ていることを伝えてあります」と言われ、シュウとナノに会いに行く。



「「先生――!!」」

「シュウ! それにナノ! 一か月見ない間にまた背丈が伸びたな!」

「虎獣人の子供は成長が遅い方なんです。番となる妃が出来たら一気に大きくなると聞いたことがあります」

「そうかそうか!」

「それで、二世は!」

「ん! まだだな! 色々落ち着いたらと話し合ってな。悪いな待たせて」

「いえ、男でも女でも俺とナノは大切にしますので安心してください!」



意気揚々と答えるシュウに、付き添っていた護衛騎士は目を見開き、宰相は口に手を当てて驚いている。

まさか俺達の子供を結婚相手に!とは思っていなかったのだろう。俺達に男の子が生まれた場合はナノがジュノリス大国に嫁いでくれるのだろうか?



「必ず惚れさせて見せますので!」

「かならずものにしてみせますので」

「心強いというか……一途だな」

「虎獣人は番に対して兎に角執着するのです。どうかお諦め下さいませ」



と宰相に言われたが、これは確かに諦めるしかなさそうだ。

だが、大事にしてくれると分っているからこそ安心できる面もある。

この二人は良い子だからな。



「はは、一途に愛してやってくれよ?」

「無論です!」

「はい! おとうさま!」

「ん、まだ子供はいないんだけどな?」

「この後どうなさるんですか?」

「ああ、ラスカール王に面会して畜舎を建てる所へ案内して貰おうかと思ってな」

「それは有難いです。こちらは何時でも輸出できる状態でしたので」

「すまんな、蜜月を取ったものでな」

「習わしですから。では、急ぎラスカール王に会って畜舎を」

「ああ、そうさせて貰おう。二人もまた三時になったらいつも通り来るんだろう?」

「ええ、オヤツ時間ですね。無論何時ものようにお伺いして頂きます」

「ニノにもあえるし、ニノッチ、なでなでしてもいい?」



そうナノがいうと俺の頭の上にいたニノッチがピョンとナノの手に飛び降り、頬をスリスリして「ニノッチモ ニノモ ナノダイスキダヨ」と言ってから俺の頭に戻ってきた。

その後俺達は扉を使ってラスカール城に飛ぶと直ぐにラスカール王と会う事が出来た。

すると――。



読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

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誤字脱字報告とても助かっております!

とても多くてすみませんm(__)m

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