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110 ノスタルミア王国で揺れていた【冷凍・冷蔵】の魔石案件と、ラスカール王国の特産品。

お越しいただきありがとうございます。

本日も一日二回更新です。

次の更新は夜8時となっております。

応援よろしくお願いします。

皆頑張っているのだと思うと、俺も負けていられない。

やる事や頼まれていることも多いが、まだまだ国としての可能性を考えて行こう。

そう思えた日だった。

しかし――。

早朝ストレリチア村に必要な物を売り村の様子を見て回り、多くの貴族が温泉に来ているのも見たし、池と言う名の釣り堀は多くの貴族たちが釣りをしていて楽しそうにしていた為ホッとして帰宅し、忘れていたジュノリス大国にある魔道具師のいる魔道具店に向かい、冷蔵庫の形や構造を説明すると、「王太子様! これは是非ジュノリス王に許可を貰ってからにして下さい!」と泣きながら言われた為、その勢いのままジュノリス王に話をして【冷蔵庫】【大型冷蔵庫】【大型冷凍庫】三つの書類を作って名前を書き、国の印を押した為、再度その事を魔道具店で話すとホッとされ、「これからは何か閃いても王様に話してからで!」と注意された。

ノスタルミア王国でも【冷凍】【冷蔵】については書面と国の印を押して貰ったなと思い出し、謝罪してから昼からの会談に臨んだのだが……。



「え? 冷凍と冷蔵の知識を与えたのは先生なのに、重鎮たちはそんな事を!?」

「うむ、なんとも情けない事よ」



――そう、俺が知識として与えた【冷蔵】と【冷凍】の仕組み。

これはノスタルミア女王の名の元で俺の名がサインされて提出され受理されているのだが、重鎮たちは「あの者は異世界から来たので無効だ!」と騒いでいるらしく、これにノスタルミア女王陛下は頭を悩ませていた。

無論過去形だ。

成功するまでは文句を言い、成功したら全てをノスタルミア王国の物にしたい。

そう言う事だったんだろう。



「女王の名とアツシの名のが書かれ国の印まで押してある契約書を無かった事に出来るのか?」

「いいえ、それは流石に出来ません。重鎮たちはアツシの力を恐れているのです。使うだけ使って利用するだけ利用して後は捨てようと言う魂胆だったのでしょう」

「「うわ――……」」

「まぁ、そう言う古狸は何処にでもいますよね」

「その上でアツシ殿に池を用意しろと今度は要請……これには呆れてな……。冷凍と冷蔵のちゃんとした権利がアツシに行かぬのであれば、漁業の話は無かった事にすると伝えたのだ」



おお、意外と女王陛下はっきり言ったんだな……だがそれで反発は収まらないと思うが。

と思ったら案の定で、「力ある者が国の為に動いて何が悪い」と開き直ったらしく、これに怒った女王は「だったらお主たちで釣り堀でも作ったらどうだ?」と言い放ち、重鎮たちは何とかして俺と連絡が取れまいかと動き回ったらしい。

だが、肝心の俺が何時も家に居ない為、ダグラスが出て対応したらしいのだが――。



「一般人? アツシなら、ジュノリス大国の王太子になったが、重鎮なのに知らないのか?」



と言う一言で重鎮たちは顔面蒼白になったらしく、それからはまだ話し合いはないらしい。

相手が確かに法の国ジュノリス大国の王太子ともなれば、好き勝手言えないと思ったらしい。

確かにただの国民や、ただの村長ならば何だかんだ難癖付けて動かそうと出来るだろうが、生憎相手である俺はジュノリス大国の王太子と言う肩書がある。

自分達よりも上の人間に対し、冷蔵や冷凍についても、漁業に関しても【法の国ジュノリス大国の王太子となったアツシがしてくれているのに】と言うのがついてくると、話が全く変わってくる。

寧ろ頭を下げて「ありがとう御座います!」と言わねばならない立場だと今になって気が付いたらしい。

こういう時、アッチの世界でもそうだが【肩書】は強いなと思った。



「それで今沈静化している所ですか」

「うむ、全く馬鹿な事をするものよなぁ。相手がただの一般人であってもあれ程の知識を持っていれば国が召し上げる程のモノだと言う事を全く理解しておらぬ。まぁ、我が国が召し上げる前にジュノリス王に取られてしまったがのう?」

「ははは、これほどの男をただの一般人にはしておれんだろう?」

「「「確かに」」」

「我が国でもミスアーナで作られている冷蔵と冷凍の魔石である物をアツシが考案し、王命で作っている所だ。まぁ、作り始めたのは今日だが」

「また先生はどのような物を考案なさったのか」

「俺たちの所にも手に入るものなら良いのですが」

「我が国は冷凍と冷蔵の魔石を作るので手一杯よ。魔道具師たちも全員集まって作っているが、それだけで手一杯じゃな……」

「なんかすみません」



ノスタルミア女王陛下に思わず謝罪したが、本当に画期的なアイテムだからこそ今必死になっているのだという。

既に馬車への取り付けの研究も始まり、その為にも魔石は沢山欲しいらしい。

また魔石は1年に1回取り換える必要がある為、それもあって大変なのだとか。



「俺の国はようやく畜産が上手く行き初めまして、近々ラスカール王国に乳の出やすい魔物を国同士の諍いを今後しないようにと言う盟約の元、渡す事が決まったんです」

「おお、そうだったのか」

「ラスカール王国は何があってもこの盟約を破らない。そこで先生にお願いがありまして」

「畜舎ですね」

「はい! 是非お願いしたい!!」

「では、これはジュノリス大国からの祝いで渡して宜しいですか御父上」

「ああ、構わん」

「「ありがとう御座います!!」」



こうして近いうちにダングル王国からくる畜産に詳しい獣人と、畜産課を作りそこにも獣人を置き、乳の出やすい魔物【レイバルモー】のメス10頭とオス2頭が贈られるらしい。

その際、乳で作れる料理はないかと聞かれた為、俺からの友好の証として【チーズ作り】と言う本を手渡した。

あらゆるチーズの作り方が乗った本だ。



「これはラスカール王国の特産品になると思います。ダングル王国では寒すぎて作りにくい。ジュノリス大国では暑すぎて作れない。ノスタルミア王国では少し暑すぎて作れないと言う作る場所をとても考える食べ物です」

「「「「ほおお……」」」」

「ワインに合い口なのでワインと一緒にどんなものかお出ししましょう」



そう言ってワインをネットショップから購入し、チーズも幾つかの種類を購入すると、ロスターナにお皿とガラスコップ、シュウには牛乳をお願いして出して貰った。

それを皆で食べると全員目を見開き「うまい!」と声を出し、大人たちはワインを飲んで「これもうまい……」と口にしている。

シュウは未成年なので牛乳だ。



「これがチーズと言う物ですか……これが我が国でしたら作れると」

「そうですね」

「むう……これは国を挙げて為さねばなりませんね!!」

「ハンバーガーに入っていたチーズだ!! ラスカール王! 是非、是非ダングル王国に輸出を!!」

「我が国でも欲しいのう」

「いやはや、ワシの国にも欲しい」

「精一杯頑張ります!!」



こうしてやっとラスカール王国にも目玉となる商品が出来てホッとする。

畜産はジュノリス大国とダングル王国が輸出すると言う形で整うだろうし問題はないだろうと思うが、そこはまた様子見だなと思う。



「先生からの友好の証、必ずや国を発展させて見せます!!」

「ラスカール王ならば出来ると信じていますので、畜舎を作る時はご一報下さい」

「はい!!」



こうして本を大事そうに抱え笑顔を見せたラスカール王は、「やっと我が国にも特産が!」と喜んでいた。

やはり気にしていただろうなと思っていたのだ。

やれる事があって良かったとホッとしたのは言う間でもなく、その後おやつタイムに突入し、シッカリ甘いお菓子を食べてそれぞれ国に帰ったのは言うまでもない。

そんな結婚式まで数日と言ったある日――。



読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

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とても多くてすみませんm(__)m

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