106 畜舎や鶏舎の建設と、魔物の鑑定で食べ物を調べよう!
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こうしてフォシューさんとランディールを連れてワープし、図案を持って来ていたフォシューさんはガクガク震えながらも何とか歩いてくれたが、暫く歩くと小さな小屋が見えて来た。
どうやらそこが乳を出す魔物の畜舎らしい。
数匹のメスらしき魔物が水を飲んでいたが、鑑定してみると――。
【モンバルモー:カボチャやジャガイモといった作物が主食。木の実は食べないが、果物は何でも好き】
この魔物、モンバルモーっていうのか。
モンバルシリーズで集まってるのかな。鳥魔物も【モンバルコー】だったし。
「もしかして、牛以外の肉系の魔物も【モンバル】が付きます?」
「おお、良くお解りですね!」
「鑑定してみると鳥もモンバルコーでしたし、この牛系だとモンバルモーだったので」
「今飼育している家畜は【モンバルコー】と【モンバルモー】と【モンバルブゴー】ですね。モンバルブゴーは多産なので肉にしやすいんですよ」
ブゴーって事はブタかな?
ブタ系なら確かに多産だし大きくなるのも早いかと納得した。
それに聞けば【モンバルブゴー】は既に大きな豚舎があり、国を挙げて捕まえた事で畜産はかなり進んでいるらしい。
ただ、食べ物に関してはまだ謎らしいので、後で見て欲しいと言う事だった。
「それで、この【モンバルモー】の食べ物ですが、主食はカボチャやジャガイモと言ったもので良いそうです。木の実は食べませんが、果物なら何でも食べるそうですよ」
「おおおお!! では【モンバルコー】も鑑定したんでしょうか!?」
「一応してますが、【モンバルコー】はトウモロコシや麦といった物が好きみたいです。ひまわりの種は特に好きだそうですよ」
「ほうほう!!」
そう言うとフォシューさんは興奮気味にメモを取り、後で作物の植え付けなどを頼むんだろうなと思っているとやはりそうだった。
後で【モンバルコー】の近くに畑を作って欲しいらしく、そこでひまわりとトウモロコシと麦の作付けをお願いされたが、「出来るんでしょうか?」と不安げに聞いてきたので「出来ますよ」と苦笑いすると手を上げて喜んでいた。
「では、後で【モンバルブゴー】も鑑定を!! 餌には苦労しているので!」
「分かりました。まずは【モンバルモー】の畜産用の牛舎が必要ですね。早速作りましょう。その上で近くに畑を作りますので」
「ありがたいです!!」
こうしてスキルを使い頭の中に図案はあったのでそれに合わせて大きめに作る。
モンバルモーは大きいし、オスとなると更に大きいだろうし強いだろう。
頑丈な造りが必要になる。
隣にオス用の畜舎を建てれば問題はないかと思いつつ二つ同時に用意をし、柵もかなり頑丈に作ったので突っ込んだとしてもビクともしないだろう。
無論柵に触れると軽く電気が通る仕組みにしているので、オスもメスもビリッとくれば危険だと感じて行かなくなるだろうと思いたい。
柵の説明をして「人間でもビリッと来るので気を付けて欲しい」と伝えると、「至れり尽くせりです!」とお辞儀され中のチェックに入る。
元々あった牛舎の上に上書きしたので、【モンバルモー】はオスとメスとで別れているようで奥に大きめのオスが見えるし、手前にはメスの【モンバルモー】が外で寛いでいる。
中はミルクを絞る為の場所も用意され、此処で働く従業員用の着替えをする場所やシャワーを浴びる場所は俺が追加で作った。
汗だくになったのにそのまま家に帰るのは辛いだろう。
広々と従業員用の休憩スペースも作り、そこは外よりはヒンヤリする程度に抑えた。
家畜が入る場所はかなり広く、【モンバルモー】を繋いで置けるようにしておいたし、何より水は常に新鮮な水が出てくるようにしている。
餌入れは菌が繁殖しないようにしたし、食事は繋がれてからする、搾乳も繋がれてからすると言う感じだろうか。
奥にはミルク用の大きなタンクを置き、そこから瓶詰めが出来るようにしてある。
この世界ではミルクは殺菌する為にアレコレしないそうだ。
「搾りたてこそ一番ですよ!」と語るフォシューさんの言葉には同意だが、殺菌は大事だと思うんだがな。
国には国のやり方がある。
特に畜産関係の人たちは自分たちの仕事に誇りを持っているので、搾りたてが一番! と言われては、殺菌等は中々言いにくい。
また、一日に何度も馬車が来るように手配するそうなので、日陰で餌を食べたり水を飲んだり出来る用に厩舎を用意しておいた。これからに期待だろうか。
繁殖はオスの牛舎で出来るようにしているので、そちらで致して貰って子供を作る方法をとった。
また別にオスを肉にする作業もしなくてはならない為、そちらは無菌室のようにしておいた。
【モンバルブゴー】を肉にする時は電気ショックで仮死状態にしてからするらしく、【モンバルモー】にも同じようなやり方で肉にするらしい。
「ノスタルミア王国の首都、ミスアーナの魔道具師たちには本当に感謝です。冷凍冷蔵の魔石が作れるなんて……これでどれだけ世界が更に発展するだろうか!!」
「そうですね」
「一体誰が考えたんでしょうね!!」
「誰でしょうね!」
「私は王太子が発案したと言うのは聞いておりますが!!」
「はははははは!!」
「次代は賢王! 実にいい!! 我々も仕事に力が入ります!!」
興奮気味に語るフォシューに若干引きつつも、ランディールは強く頷いていたので内心「お前もか」と思ったが、その足でカボチャやジャガイモを植えた大きめの畑を作り、果物は何でもいいと言う事だったので、この国によくある果物を色々植えておいた。
ついでに瞬間移動で【モンバルコー】の元へ戻ると、畑を作り麦にトウモロコシ、ひまわり畑を作ったので、収穫する時は農家を連れてくるとの事なので大丈夫だろう。
その後【モンバルブゴー】の鑑定をした所、好きな物は肉以外の雑食と出た為、その事を伝えると驚かれた。
「食べ物で肉質が変わるとかあるんでしょうか」
「そこは要研究でしょう。俺の居た世界ではチーズを作る際に出るエキス、ホエーを飲ませると言う所もありましたよ」
「なんと!? それはまた興味深い。なるほど……【モンバルブゴー】には色々な可能性が詰まっているのですね!!」
「研究し甲斐がありますね!」
「畜産課としてこれ以上楽しい事はありません! 頑張って結果を出したいと思います!」
こうして畜産の方は全面的に終わりを告げ、取り敢えず雑食であるブゴーの為に畑は作ったが、カボチャにジャガイモに大根も植えて、果物も畑を作ったが後は好きにお願いすることにした。
一日やり切った感はあるが、流石に汗をかいたので風呂に入りたい……。
「流石にジュノリス大国は暑いな」
「私達には慣れた土地なのでそこまでではないですが、王太子殿下は長らく常春のミスアーナで生活していたと聞きますし暑いでしょう」
「そうですね。一旦家に戻ってシャワーを浴びたいと思います。カナエに汗臭いって言われたらショックだからなぁ……」
「妃殿下となるカナエ様と本当に仲が宜しいようで」
「ははは! 仲は良いぞ、とってもな!」
こうして一旦皆を連れてジュノリス城まで戻ると俺はストレリチア村にある家に戻って、シャワーを浴びて身体を洗い、新しい服に着替え、着ていた服は袋に入れて空間収納に入れた。
やはり畜舎と言うだけあって匂いがどうしてもつく為だ。
本当に、そう言う人達がいるからこそ生活と言うのは成り立つのだと頷きつつ心の中で感謝を告げ、ジュノリス城に戻ると――。
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