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103 ニノッチによる粛清が終わった後に、会議は踊る。

お越しいただきありがとうございます。

本日最後の更新です。

次の更新は明日昼12時となっております。

応援よろしくお願いします!

「どうした、ナジュール殿」

「この度の王太子殿下とその妃殿下となる方に一つ言いたい。妃はもう少し多い方が良いのではないのか?」



やはり俺に取り入ろうとする馬鹿はいるのか……。

そう思っているとあちらこちらからその声は上がった。

ワイズ侯爵は必死に止めているが、先ほどの尻叩きが余程痛かったのだろう。

貴族たちの声は大きく、これはうちのニノッチが――そう思っていると、頭の上にいたニノッチがいつもは真っ青なのに真っ赤になって机にちょこんと降り立った。

そして――。



「アルジ タチヘノ アクイノ ニオイ!!」

「な、なんだこの魔物は!!」

「王太子、魔物を連れて歩くなど」

「シュクセイ!! セイバイ!! ブンレ――ッツ!!」



ああ、始まってしまったと思った。

ワイズ侯爵と同じ止めに入っていた者たちは無事だったが、他の45名程の貴族たちはニノッチ軍隊による猛攻撃を受けたのだ。

アチラこちらから『パアアン!!』と言う気持ちがスカッとするような音が鳴り響き、頭を抱えて悲鳴をあげる老いぼれ達は尻を叩かれ悲鳴を上げている。



「「「「アルジノ!! アイテハ!! カナエダケデ!! ジュウブン!! コノ ゴミムシドモメ!!」」」」

「「「「ひいいいい!!」」」」

「「「「アルジニ!! トリイロウトスル!! ワルモノメガ!!! シュクセイ! シュクセイダ!!」」」」



パァアアアアン!!



と言ういい音と共に、周囲は静まり返り痛みで泣いている老人達も多かった。

ニノッチは分裂を解き一匹に戻ると赤から青に変わり「アクイ キエタヨ」と嬉しそうにピョンピョン跳ねている。



「ニノッチ、偉かったぞ。俺もカナエ以外を妃に娶らせようとした者たちを粛清しなくてはならなくなるとこだった」

「エッヘン!」

「先に言っておけば良かったな。俺の妃はカナエ一人だけだ。今後増やす気は全くない。それと君たちを粛清したのはレジェンドモンスターで俺の従魔のニノッチだ。反省した者には回復魔法を掛ける。だが反省をしていない者はそのまま会議に参加せよ」



俺の笑顔での声に震えながら立ち上がった者達は小さく頷き回復魔法をニノッチに掛けて貰った。

約20名程だろうか。

他の半数は震えて椅子に座りこちらを真っ赤な顔をしてみている。



「ランディール」

「はっ」

「今無言で座った者達を覚えて置け、総入れ替えだ」

「畏まりました」

「そ、総入れ替え!?」

「なんて横暴な!!」

「ニノッチは悪意察知10,危険察知10を持っている。ニノッチが反応していると言う事は君たちに悪意があってこの場にいると言う事だ。そんな者たちを国の今後を左右する会議に参加させ続けると思うか?」

「「「「!?」」」」

「悪いが悪意を持って国に携わると言うのなら追い出すだけだ。それに、そろそろ新しい風を入れたほうが淀んだ空気も良くなる。そうですよね? 父上?」



そう俺がニッコリと笑って口にすると、ジュノリス王は笑いながら「確かにそうだな!」と口にした為治療をしていない者達は王に助けを求めようとしても無駄だと感じたようだ。



「ワシは三国の王たちと『国の報告会』と言うものに参加していてな。そこでは古い風より新しき風を入れて国を更に発展させているようなのだ。我が国もそれに従って古い風を捨て去り、新しい風を入れ込む。そうだな? 王太子よ」

「ええ、その通りです。無言で座った者達はこの場から去って貰いましょう。自分で動けないのならニノッチ、手伝ってやってくれ」

「イイヨ」

「「「ひ、ひいいいい!」」」



そう言うと半分の重鎮たちが悲鳴を上げて出て行き、会議室はスッキリとした。

彼らは今後除籍となる。



「さて、これだけの人数が減ったのだから新しい風はフィリップとワシとで選んでいこうと思う。左程人数は要らんからな」

「そうですね」

「さて、先だって国内を発展させる為のモノがあるのだが――」



と、此処でカカオの話をしだす陛下。

無論カカオと言えば捨てるだけの物と思っている重鎮たちは驚いていたが、俺がメルディールの名を呼ぶと彼らの前にチョコレートやチョコの菓子が並び、飲み物も並んだ。

それらがカカオを使った菓子と飲み物であると陛下が伝えると、重鎮たちは恐る恐る口にし、目を見開いて驚いていた。



「美味いと思わんか?」

「こ、これは美味しいです!!」

「これが本当にカカオから作られているのですか!?」

「ああ、作るにはミルクから作るバターと砂糖が沢山いるらしくてな。その為には畜産でミルクをよく出す魔物を育て、増やす所から進めねばならん。その為の畜産施設は王太子がスキルで作るそうだ」

「ダングル王国でも畜産は主流でしたので、先だってアチラに畜産用の畜舎を作っております」

「「「「おおお……」」」」

「また、畜産でミルクが多く取れるように成れば、メルディール、カップアイスを」

「畏まりました」



こうして残っている重鎮たちにカップアイスが振舞われ、彼らはその冷たさや美味しさに目を見張り、俺の方を見ていたのでニッコリと微笑んだ。



「こちらはミルクや砂糖で作ったアイスクリームとなります。ジュノリス大国はとても暑い地域ですので、冷たい甘味は喜ばれるでしょう。また、アイスクリームのケーキと言うのも存在します」

「それはまた……」

「凄い……ですな」

「また、アイスには違うものがありまして、果物を用いたりして作るアイスキャンディーなるものもあります。メルディール」

「こちらとなります」



そう言ってフルーツタップリのアイスキャンディーを出して貰い、それを舐めて貰うと冷たくて果汁の味が堪らないだろう。

重鎮たちの間では「私はアイスキャンディーが好きだ」と言う者と「私はアイスクリームだな」と語る者で賑わっている。

貴族の間ではどこからか用意した高価な氷を砕いて飲み物を冷やしたり、そのまま食べる事もあるそうだ。

冷凍の魔石があれば氷なんて作り放題だ。

夏の気候であるジュノリス大国では様々な果物もある。

それらを利用して作るアイスキャンディーやアイスクリームは貴族たちに飛ぶように売れるだろう。氷も薄く削って甘い味付けにしたら庶民も飛びつくし、貴族向けに果物で盛り付けてもいいだろう。


一つ目の議題として、ミルクを沢山出す魔獣を冒険者にドンドン集めて貰い、オスは少なめでメスを多く捕まえるように指示を出すことが決まったようだ。

その上で畜産用の村を作る事となり、ジュノリス大国の首都からほど近い場所に畜産加工所を作る事になった。

それは俺のスキルでなんとかしよう。

冷たいお菓子でクールダウンした後は、次の議題へと移って行く――。


読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

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とても多くてすみませんm(__)m

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