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100 ハジメマシテ ボク ニノッチ!

お越しいただきありがとうございます。

本日も一日二回更新です。

次の更新は夜8時となっております。

応援よろしくお願いします!

「先生大変なの!!」

「どうした!?」

「ニノちゃんが昨日からずっと震えてて……」

「「ニノが!?」」

「作業もストップしてて、急いでみて上げて!!」



その言葉に作業部屋に入るとニノは小さくなってプルプル震えている。

慌てて駆けより手で救い上げ「ニノ!!」と叫ぶと「アル……ジ……」と震えつつ声を掛けてくる。

一体何が起きようとしてるんだ!?

フルフル震えるニノに何度か声を掛けるとニノは力を振り絞り――!!



「ブンレツ ……スル!!」



そう叫んでもう一匹のニノが現れた!

これには驚いているとニノは息切れを起こしつつこんな事を言い出す。

ずっと俺と一緒に居たかった。

でもずっと我慢していた。

守りたいのに一緒にいれないのは辛い。

だから、もう一人の自分を作ったらしい。

もう一人の自分と今の自分は精神が繋がっている為、もう一人の自分を連れ歩いて欲しいと言うお願いだった。



「ニノ、新しいニノを鑑定するぞ?」

「イイヨ」



こうして鑑定してみると――。

【(分裂後の為名前はありません):レジェンドモンスター・危険察知10・悪意察知10・制裁10(アツシとカナエに悪意を向けてくる相手に容赦はしない)・回復魔法10・攻撃魔法10・結界魔法特大10・治療魔法10・製薬10・消毒10・除菌10・素早さ10(今で成体)】

分裂10と器用さ10が消え、危険察知10・悪意察知10・制裁10・攻撃魔法10が追加になっていた。

しかも悪意察知と危険察知で俺に危害を加えようとする相手には容赦なく制裁を下すと言う有様。

どれだけこの子は俺が好きなんだ!?



「ナマエ ツケテアゲテ ホシイ」

「そうだな、ニノから生まれたから何が良いだろうか」

「ニノッチ、ニノツーあたりかしら」

「ニノッチは分かりやすいな。この子の名前はニノッチにしよう」



そう言うと契約の魔法陣が現れ、俺とカナエの二人を主と認めたようで二人分の血を少し与えるとニノッチは元気になって跳ねまわっている。良かった、これでこの子を連れまわして行けば大丈夫そうだな。



「イッパイ ハタラクヨ。ボク ニノッチ!」

「ニノノ ブンシン ツヨイヨ。 キットアルジタチ マモル」

「「アメモ ニバイ タベルヨ!!」」



ニノッチも飴が好きなのかと思わず笑ってしまったが、分裂したお祝いにとチュッパな塔を一匹につき10個プレゼントすると大変喜んでいた。



「ニノ、これで寂しさは無くなるか?」

「ニノッチ ツレアルイテネ?」

「ああ、そうしよう。ニノッチは俺の頭の上かカナエの頭の上が定位置だな」

「ボク アルジタチノ アタマノウエ テイイチ!」

「感覚も共有するのかしら?」

「「スルヨ!」」



つまり、ニノッチが俺かカナエの頭の上に居れば、ニノもおのずと寂しさが紛れて俺達と一緒にいる感覚になって最高らしい。

しかしレジェンドモンスターが分裂して更にレジェンドモンスターが出来るとは思わなかった。



「ニノちゃん寂しかったんだね」

「俺達だって寂しかったもん」

「シュウもナノもいなくなっちゃったし。でも時々帰ってきても王族だから前みたいには話せないし」



そう語る子供たちに俺は笑顔で「それはないぞ」と口にする。

何せ俺もジュノリス大国の王太子になっているからだ。

子供達も知っている事だが、「俺にはいつも通りなのにシュウやナノにはいつも通りが出来ないのは、きっと寂しいんじゃないか?」と伝えると子供達も安心したようで、俺もニッコリ笑うと子供たちの頭を撫でた。



「確かに国同士の交流会をしている時は難しいかも知れないが、終わった後はおやつタイムだし、前みたいに声を掛けて上げてごらん」

「うん、そうする!」

「皆いい子だ」



そう言って一人ずつ抱きしめてやるとロスターナがやって来た。



「先生、今後の予定聞いておきたいのだけれどいいかしら?」

「ああ、一応目安としての今後の予定になるが――」



そう言って明日のジュノリス大国でのウエディングドレス等の試着があった後は、手直しが入って多分一日ジュノリス大国にいるだろうと言う事を話していると、ニノッチが声を掛けて来た。



「ボクト ニノ ツナガッテルカラ アルジタチノヨテイ イエルヨ」

「おお、報告してくれるのか」

「アルジ タチガ ツタエテクレ タノンダラ ニノニツタエテ アゲルヨ」

「ニノ ソレヲ ミンナニイウヨ」

「あら、とっても便利になったのね。ニノちゃんとニノッチちゃん」

「「トテモ ベンリ!」」

「最近は仕事が終わるのが夜8時を回る事も多くて、もう皆食べ終わってる頃合いだからストレリチア村にある家に帰ってたんだ」

「ああ、夫婦用の家ね。帰りが難しい時は教えて頂戴な」

「そうする。すまんな」

「結婚式の準備にノスタルミア王国の事業参加に企画、これからも増えるでしょう?」

「ああ」

「偶には休まないと駄目よ? 身体あってこそなんだから」

「そうだな、気を付けるよ」

「ありがとうロスターナ」

「ふふ、お兄さんとの約束ね?」



そう言うと今日は皆と食事がとれることを告げ、久しぶりだったので喜ばれた。

ニノも元気になり「オシゴト ガンバルヨー」 と言って戻って行ってしまい、子供達も戻って行く。

ホッと安堵したがニノッチは俺の頭の上で飴を食べている。

ゴミも食べるので大丈夫だが、チュッパな塔はニノとニノッチにとっては最高のお菓子らしい。

その後確認と言う事でラスカール王国に行き、ストレリチア村の産直がどうなっているのか見にいくと人が沢山いて上手く行っているらしくホッと安堵する。

孤児院にも定期的に野菜を届けてくれているようで安心したし、水野の所に行って足りない薬の補充も出来た。

今ではラスカール王国で最も薬が効く治療院として有名らしく、冒険者だけではなく一般市民からも愛される治療院になっているようだ。

水野もその仕事に誇りを持っているらしく、毎月この世界の基準の給料を手渡してる。

売り上げ等はラスカール王国に銀行を作っている為、そちらに売り上げと一緒に入れて貰っている状態だ。


そして、各国の商業ギルドで会計士を雇い、月の売り上げを纏めて貰う人を雇っている為、俺の仕事もだいぶ減った。

売り上げが凄い分税金も凄いが、それは仕方ない事でもある。


最後にダングル王国に向かい、城に塩や胡椒等を収めてからシュウに会いに行き、今困っていることは無いかと聞くと、今のところは大丈夫らしい。

国内循環が上手く行き始め、ホッとしているとの事と、冷蔵魔石が出来た事で量産が始まっているので、輸出の面でも頑張りたいと語っていた。

そこまで話したところでニノが分裂してニノッチが増えた事を伝えると驚かれたが、「何時も先生と一緒なんて羨ましいですね」と真剣な表情で言われ苦笑いが出る。



「でも先生とカナエ姉さんの結婚式もう直ぐですよね! 俺も映像魔道具買ってるので、シッカリ記憶したいと思います!!」

「ははは! 失敗しないようにしないとな」

「責任重大ね!」

「そして是非俺の妻を! ナノにも!」

「それは子供がシュウを好きだと言ったら結婚を認めるけど」

「好きになって貰うよう頑張りますね!」



と、諦める様子は無い。

最早俺とカナエは諦めモードでもあるが、シュウならきっと相手を大事にするだろう。

そう言う意味では、娘が生まれた場合はシュウと結婚させてもいいなと思っている。



「もし娘がシュウと結婚したいって言ったら、その時は頼むぞ」

「はい!!」



こうしてシュウの頭を撫でてから俺とカナエはミスアーナの家に戻り手を洗いウガイをしてから久しぶりに皆と食事を摂り、色々な話を聞きつつ子供たちの成長と、ニノの頑張りを聞いてこれからはニノッチを頭に乗せて寂しがらせないようにしないと等、再度思ったのは言うまでもない。


読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

★をポチッと押して下さるかイイネ等で応援よろしくお願いします!


誤字脱字報告とても助かっております!

とても多くてすみませんm(__)m

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