15_タイマン
主人公視点に戻ります。
俺は子ゴブリンからゴブリンキングに完全にターゲットを変えた、何がどうしてなのかは分からないがどうやら戦く気になってくれたらしい、で、どうするんだ戦術を変えないと先ほどと結果は同じになるぞ、先の俺の拷問でHPは何割か削られているぞ、お前の切り替えしはどうする。
そんな事を考えていると、ゴブリンキングが叫んだ、とてつもなく響く声だったが耳を塞ぐ程ではない、その声を聞いた周りのゴブリン達がダンジョンの奥に引いていく、どうやら今のは撤退の合図だったらしいな、なるほど俺とタイマンかこれじゃ俺は先ほどのクッションを使って距離を離して戦闘を仕切り直す事ができなくなったな、さてどうしたものか。
初撃はゴブリンキングが仕掛けてきた、先ほどより明らかに速度が速い、上段からの振り下ろし、俺は横に飛び避けたが振り下ろされた剣はすさまじい威力で風が起こった、剣速もすさまじくなっている、これは下手に近づけないな、とりあえず避けに徹するか。
ゴブリンキングの猛攻は激しさを極めた、避けに徹していなかったら今頃俺はバラバラになっていただろう、俺は背中を壁に合わせないようにするために戦う場所を円になるように後ろに逃げている、これで逃げ道がなくなる事はないが、捕まるの時間の問題だろうな。
だが俺もただ逃げるだけではない、一応策はある後はタイミングと度胸だ、そして俺が待っていた大振りの横振りをしてきた、一歩前に出た。
俺の胴の高さに来る剣を飛び込むようにして剣の上にいく、そして俺の持つ剣をゴブリンキングの大剣の刃先に引っ掛けて、そのまま大剣の上に乗った状態で横に引っ張られて行く、大剣が止まったときは自分の剣の反対側を盾を引っ掛けて、勢いで吹き飛ばないようにした。そして何とかゴブリンキングの大剣の上に留まる事ができた。
ゴブリンキングから見たら俺が突然消えたように見えるだろう、俺はすかさず大剣の腹の部分を上を走りゴブリンキングに近づく、おそらく大剣に伝わる振動でこちらで気が付いたのかゴブリンキングがこちらを向いたがすでに遅い、俺は大剣を強く蹴りゴブリンキングの顔に向かって飛び掛かる。そして俺は手に持つ剣をゴブリンキングの瞳に深々と突き刺した。
目に剣を刺されたゴブリンキングは苦しみながら顔を触ろうとしているが、捕まったら即死なので俺は剣を引き抜かず、ゴブリンキングの健康骨に足をかけ上半身に力を抜き、足を畳んだ状態で足の裏を中心にして逆さになり健康骨を蹴り上げ、ゴブリンキングの膝に手をついて縦に一回転して地面に着地し、ゴブリンキングから距離を離す。
ゴブリンキングは苦悶の表情で目に刺さった剣を引き抜いている、まぁ目に爪楊枝が刺さったら絶対痛いしな、しかしゴブリンキングの戦意は衰えていないようだむしろ怒りで気迫が増しているな、ゴブリンキングは抜いた剣を地面に叩きつけてこちらに向かってくる。
まずは戦うために剣を拾う必要があるが、まぁ問題ないな視界が半分の相手に剣を拾うだけなら造作もないな、俺はひたすらにゴブリンキングの死角になった所には入るように移動すれば、自然と攻撃が当たる確率は各段に下がる。俺は避けながら移動し問題なく剣を拾う事ができた。
人間の場合視覚で得られる情報は全体の7割と言われている、そして片方の視覚を失うと3.5割の情報が入手できなくなると言うことだ、よく漫画などで隻眼のキャラクターが問題なく戦っているキャラクターが要るが、あれはあくまで何年も訓練や戦闘を行って慣れているから問題なく戦えるのであって失ってから直ぐに対応できる化け物などいないはずだ。日常的に歩いている道でも目隠しなどで視覚を行為的に失った状態で歩いた場合は恐怖は半端じゃない、それだけ視覚とか重要な機関と言える。だからこそ絶望的にステータスの差があるゴブリンキングを倒す為に片目潰したんだかな。
さて、もう片方を潰して完全に視覚を奪って初めて対等に戦えるかな、俺はゴブリンキングの攻撃に合わせて潰した目の側の足元に移動する。通常時でも見にくい位置なのに片目を失い死角が増えた状態でならほぼ俺の姿が見えない位置だ、当然ゴブリンキングは俺を見つけるために体を動かすが俺もそれに合わせて常に死角に入るように移動する。そうするとゴブリンキングからすると俺は確実に存在するはずなのに姿が見えない不思議な状態になる、そのうちゴブリンキングは体は大きく動かさなくなり、待ちの体制になった、予想以上にいい状態だなとりあえず攻撃されないように死角に潜んでいたけど、これならもう片方もいけるかな。
俺は盾を外し持つ側を上に攻撃を受ける側を下にして地面にいい感じの位置に置いた、後は潰した目の横側に少し離れて大声を出す、うまく行けばずっこけるはずだ。
ゴブリンキングは俺の声に反応して片足を引いてこちらを向いた、その時に俺の置いた盾を踵で踏みつけている、実に幸運だ、俺は盾を踏まれたのを確認した瞬間から俺は盾に向かって走った、そして俺は踏まれている盾をゴブリンキングの前方向に思いっきり蹴った、結果ゴブリンキングは後ろ側に大きく体制を崩した。
本来体格差大きい俺とゴブリンキングを俺が体制を崩す事はできないが、昔ながらの知恵を使って解決した、重い家具などを一人で移動しなければいけない時に家具の下に布などを敷いて引きずって移動させる方法、今回はそれの応用がうまい事いったな。
色々な好条件が合わさりゴブリンキングに尻もちをつかせる事ができた、俺は自分に何が起きたか理解できていないゴブリンキングの体を駈け上った。そして手に持つ剣で残った瞳を切り裂いた。
目つぶし(えい)
正直ご都合展開が多い回