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シナリオがおかしい  作者: マイ
1/3

シナリオを書き直します。

コツコツ連載していきます。

大好きな、乙女ゲームの主人公に転生できたのに‼️



何で…。

なんで……。

なんで‼️


目の前で、愛を確かめあっているのは

アメジストの目をした黒髪細マッチョの美少年に、南の海を思わせる青い目の筋肉ムキムキの金髪ちょい悪風オヤジがヒロイン無視してイチャイチャと…!


「どうした?何時にもまして情熱的だな…」


黒髪の青年の顎を持ち上げキスした後、金髪オヤジが耳もとで囁きお尻を撫で上げる。


「アーヴィング…さまぁ!」

頬を染め上げ、乙女顔負けの艶やかな声で喘ぐ美少年は、

マスコット&お供のラグノオ、本体はヒロインの影に住むヒロインにしか見えない小型の猫型魔獣(・・・・)


「人の部屋で…なにしてんのよ!」


そう、この場所は私の部屋で!二人がイチャイチャしているのは、私のベッドだ!



事の始まりは数分前、金髪のちょい悪オヤジ

アーヴィングの恋愛イベントの第1段階の筈だった。


「アーヴィング様?」


部屋に迎え入れたとたん、アーヴィングの目から意思が失われたように見え、私は身体か動かなくなった。


「アーヴィング様!!」


私の影から、勢いよくラグノオが何故か人形(ヒトガタ)で現れてアーヴィング様に抱きつきキスしながらベッドへダイブ!


ラグノオが人形(ヒトガタ)になれるのは、信頼イベント第3段階でしかもまだ!


ヒロインとラグノオが出会ってすらない!


今の進行度だとラグノオは生まれてすらない!



だから、先ほどのアーヴィング様のセリフ「何時にもまして」なんておかしい!



「いゃん!アーヴィングさ、まん!」


いつの間にか、二人が半裸になってる


「今日こそ、孕ませてやるからな…」


アーヴィングがラグノオの腰を持ち上げ、下履きを脱がしにかかった 男は妊娠しません!

ってか、人のベッドで好き放題させるか!


「い、いかげんに~動きなさいよー!

さ サンダー‼️」


初級魔法が半裸の二人に…直撃した



チーーン。



サンダーの直撃した、アーヴィングとラグノオが何か(・・・)を盛大にぶちまけながら、気絶してしまった。


二人とも、ツヤサラの髪は縮れパーマをかけ染色に失敗した後のようだ。


「ベッド…が」


一番被害が大きいのは、私のベッドだ、そもそも私は女主人公受け(・・・・・・・)乙女ゲーム〈君との素晴らしき未来は〉に転生してプロローグを終え、第1話の初めての恋愛イベントを始めるはずだった。


間違っても、BLゲームしかも18禁に転生なんてしていない、キャラクターやシナリオは確かに乙女ゲームそのものなのに!!


「確かに、二人とも〈君との素晴らしき未来は〉のキャラなのに…」


二人がベッドにぶちまけた後、私はスンナリと動けるようになり近づきたくはないが、ベッドに近づき二人を見た。


「まぁ、とりあえず」


〈ヒール!〉


キラキラと半裸から、サンダーが直撃し全裸に近い二人の傷を直していく。



キラキラが収まった後、傷は治ったものの服など無機物に〈ヒール〉は効かないので、二人はキレイな姿で抱き合い密着し気絶中。


どうしてくれようか…。



いろいろ考えている間に、アーヴィング様が意識を取り戻した。


「ん…何だ?」


上半身をお越しながら、自分の下に何か在ることに気付きキョロキョロと見渡した目で私と目が合う。


「イ、イリス?」


「ごきげんよう、アーヴィング様」



アーヴィング様が呼ぶ私の名前に違和感を覚えながら返事を返す。


「お楽しみを邪魔してしまい、申し訳ありません」


私の言葉で、自分がどこにいるか思いだし慌ててベッドで自分の下にいる人物を認識したらしく。


「ぎゃー!!!!」


アーヴィング様が野太いイケボで悲鳴をあげた。


「イリス、ち違う!」


ベッドから立ち上がり、下半身をブラブラさせながらアーヴィング様が迫って来た。


「私の前で、私のベッドでどこからか現れた(・・・・)知らない男の子(・・・)とイチャイチャしはじめて…何が違うと?」


「知らない? ラグノオじゃないか、イリスのお供だろう?」


又、おかしな事を私はまだ、ラグノオと出会ってすらないし私以外ラグノオを認識(・・・)できるのは最終話(・・・)ヒロイン(・・・・)に告白し|ヒロインと結ばれた(・・・)エピローグ(・・・・)のみだったはず!


それに、アーヴィング様が私の名前を呼ぶのはヒロイン(・・・・)の事を女の子ではなく、大切な女性(・・・・)だとアーヴィング様が認めてくれる、恋愛イベント終了後、それまでは


「お嬢ちゃん」だったはず、なんで?


「アーヴィング様、あの申し訳ありません…そろそろ前を隠してはいただけませんか?」


全裸にしてしまったのは、私の拙い初級魔法だけど…私だって乙女なのだから隠すなりして欲しい。


興味が湧きすぎて、ついチラ見してしまうし。


(・・)のものなど、見慣れて入るだろう?」


「え、今なんと?」


引き締まった、腹筋から下にぶら下がった物に気を取られていると訳のわからない返事が帰って来た。


「それにしても、懐かしいなそのワンピースは初めてデートした時着ていたものだろう?」


全裸のまま、私の腰を引き寄せ私の耳もとで囁く。


「あ、あの?」


まだデートしてない、確かに初デートのためにワンピースを着ていたけれど、今日私を迎えにきていきなりラグノオとラブシーンを演じて、現在下半身ブラブラしてる人とデート行けない。


「ガルシアはどうした?乳母が見ているのか?」


私の腰から、手を這わせていつの間にかお尻をなでている手に抱き寄せられ、ぶら下がっていた物が当てられるが、私の頭は考えが追い付かない。


だから気づかなかった、この部屋にはもう一人いた事。


「私の、イリスに何をする! アーヴィング!」


怒りが籠った声と共に、アーヴィング様への落雷に・・・


私は、意識を手放した。




意識を手放した後、真っ暗な空間の中に私は居た。


「眠りが浅い時みたい、凄く疲れる」


真っ暗な空間をあてもなく、ふらふらしていたら、頭の中で声がした。



『こんな所にまで、迷い混んでくるなんてこの世界はもう終りね』


懐かしくて綺麗な声が聞こえた。


『私の可愛い子は大丈夫かしら?』


「アディリエールさ、ま?」

ゲーム内の唯一神(・・・・・・)

世界を作った、女神アディリエール

『記憶が戻ったばかりで、私が作った世界(・・・・・)だと思ったのでしょ?』


声だけが聞こえる、頭のなかで声が続ける。


『この世界は私の世界ではないの真似て作られたけれど、全く違う世界、だけど大きな力で縛られ壊れかかっているの』


「似た世界?」


『マンガと言うのだけど、覚えてる?』



「あ、はい!覚えてます!」


君との素晴らしき未来は、ゲームバージョンは中高生で知らない人はいないんじゃないかくらいに有名だった。


原作者の有栖川エリスさんは、乙女ゲームで有名作品連発する、有名なフリーのシナリオライターで、代表作が〈君との素晴らしき未来は〉だった。


公式から発表された、漫画化はゲームと違い評価は低いうえに詐欺だと訴える声が酷く連日ネットニュースに取り上げられた。



私も〈君との素晴らしき未来は〉が好きで、公式から発表された漫画が楽しみで買ってしまったのは、失敗だったといえる、しかもドラマCD付。


漫画のシナリオが、原作ゲームのキャラクターを使っただけの全く違うものだったのだ。


1、 主人公は私が転生した、イリスからゲームに居ない双子の弟イースと言う男の娘でイリスもモブのように登場。


2、 イリスに優しかった両親はイースを可愛がる(性的な)父親とイリスの味方の母親の仲は最悪。


3、 イリスの婚約者(男) は、何故かイース(男の娘)と肉体関係があるとしっかりと漫画内に表記され、周りのキャラクター達(何故か男性キャラクターしか登場しない)は男同士な上浮気者達を祝福し二人に結婚はまだか?など姉の婚約者を略奪した描写があり、イリスに対し反省orフォローを見せない。


4、 イースが攻略対象たちと、イリスと同じ恋愛イベントがある(・・・・)一番の女好きのアーヴィングがイースのお尻をさするセクハライベントでも、ゲームでイリスに囁く「いい尻だ、良い子が生まれるな」と呟く。


5、 漫画では、アーヴィングと結ばれゲーム世界の唯一神アディリエールへ祈りアーヴィングの子供産み育てたいと望みイリスを生け贄として叶えられ男のまま子供ができる体に。



6、 最終のページで何故か人形(ヒトガタ)になったラグノオとアーヴィングと元イリスの部屋で(・・・・)で…。



7、一番酷かったのは、ドラマCDでBLの絡みがあり、最終ページに記載されたようなシーンが再生された。


8、 大きな媒体で連載はなく本だけが発売され、あらすじも主人公と甘々な現在から未来へ!だけの物で何処にもBL、18禁でオリジナル主人公との記載もなくドラマCD付¥1400と小学生でも買える少女漫画として販売されたために、ゲーム主人公だと思い買ってしまってトラウマになる少女達が続出した。


発売を押しまくった、腐女子と有名なプロデューサーが言うには。


「ヒロインは個人で決めること!だから私のヒロインはイース君!なので漫画は間違いではありません!!」


全国紙全国放送で声高らかに宣言し、漫画家も


「男同士の恋愛が一番綺麗で、素晴らしいのだから、トラウマなんて可笑しい!私が書いた絵なんだから何を書いても自由でしょ!」


ヒステリックに叫ぶ、漫画家とプロデューサーに世間は呆れ果て続編は永遠に封印、ネットでも忘れ去られた頃に二人が事故死していたとニュースが流れた。



「漫画の流れだと、私生け贄に…。」


『大丈夫よ、偽物の私に愛し子を傷つけさせたりしないわ』


優しく、慰めの言葉が頭に響く。


「ありがとう…ございます。」


『それに、少し早いけれど漫画は終わりを迎える』



「え、そうなのですか?先ほどまでまだ最初の頃のページ…。」


まだ、半分も進んでなかったはず父がイースを可愛がるシーンがあって私と母が二人を止める…。


『このシーンの事?』


「…パパ…。」


父がイースの背後からイースを抱きしめてキスをしている。


イースも父と夢中でキスをしている…。

場所は…父と母の部屋である。


「イース大きくなったねパパによく顔を見せておくれ」

「うん」



「ついこの間まで、こんなに小さかったのに子供の成長は速いなぁ」


「パパが毎日、可愛いって言ってくれるから直ぐ大きくなったんだよ」


「イース、パパは嬉しいよ」


父がイースの口にキスを繰り返し、手はイースの中心をなで回す。


「ぐぅ、ん、ん」


苦しそうな声を出しながらも、父に体を預け惚けた表情のイース。



「あ、のアディリエール様?漫画ではもう母と一緒に二人を止めに」


BL漫画になってしまったが、流石にここまでの行為をする前に止めに入っていたはず。


『もうすぐね…。』


「?」


「ぐ、あぁ!」

イースにのし掛かり中心をもて遊んでいた父が、胸にてを当て苦しみだした。


「パパ?」


父の下から慌てて出てきたイースが父の肩を揺するが、反応がない。


「!」

「あ、アディリエール様!!」


『ゲームとマンガの世界が違い過ぎたのだから、この世界を終わらせましょう』


「アディリエール様?」


『私の可愛い愛し子の為の世界を…作り直しましょう』


「えぇ?」


目の前では、動かなくなった父を置いて裸で部屋を出ていくイースを追って行く。


「ママ!」


イースが入って行ったのは、リビングでそこには、イリス婚約者の母とお茶を飲む母との二人。


「イース!その格好はなんですか!」


「あ、でも大変なの、パパが!」


母が嫌そうに、顔を歪めイースを見る。


「あの人と仲良くしていたのでしょ? 私になんの用ですか、お客様もいらっしゃるのに。」



「まぁまぁ、落ち着いてイース君どうしたの?」


「あ、あのパパが急に動かなくなって…。」


「そう、それは大変ね」


「は、早くお医者さんを…。」


「イース君、無理よあなたのお父さんはもう起きないわ」


ゆっくりと、何でもないよな顔で婚約者の母がイースに伝える。


「あなた、うちの息子と関係を持ったでしょ?」


「え…はぃ」


恥ずかしいそうに、顔を染め小さく返事をするイース。


「息子に呪い(まじない)をかけていたの、あの子が産まれたとき予言があってね」


何でも婚約者の母の夢に、アディリエール様が予言されて神自ら呪いをかけたらしく。


『愛し子を裏切る世界の子だけれど愛し子の大切になるかも知れない子だもの』


今さらだけれど婚約者も攻略対象です。


『だから、男と契りを交わした後に相手が別の男と契りを結ぼうとしたらその相手が死ぬ呪い(まじない)をかけたの。』



「え…あの」


『大丈夫よ同性同士じゃないと発動しないようにしたから』


イース達の話は続く。


「息子はイリスちゃんを裏切るような子じゃないと思ってたの」


「ごめんなさい…息子が」


「貴女のせいじゃないわ、夫達が可笑しいのよ!」


イースを置いて、昔話を始める母達は父を放って置くらしい。


「何が、自分達の初恋を叶えるよ! 娘と息子が婚約したのだから、叶ってるはずでしょ!」


「自分達は父親に反対されたけど、何が自分の息子達は祝福して結婚させようねよ」


漫画の設定なのね、婚約者の父と私の父は余り仲がいいとは言えなかったし、彼とは母同士が決めた婚約者だった。


「そろそろ、神官兵たちが来る頃ね、イース服を着なさい。」


「!。」

「神に逆らったとして、教会が、貴方を罰してくれることでしょう…。」


「…。」


『さぁ、これでイースの話は終わりよ?』


「は、い?」



『本を閉じて、新しい貴女だけの物語を紡ぎ直しましょう。』





「全くあの人たち、私のシナリオを汚してくれちゃってどうしてくれようかと思ってたけど居なくなってんだからどうしようもないじゃない! 」


「作り直さなきゃね、インパクトがあるとしたら……エピローグ迎えた世界から攻略対象達が来てとか……。」



そんな声を聞きながら、私は眠りに落ちていった。







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