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アラジンと魔法のランプ~Arabian Night~

作者: 見習いさん

夜の砂漠(さばく)でルシファーと名乗る男が、手下の泥棒(どろぼう)がある物を持ってくるのを待っていた。

「えーい、まだなのか?だったら、魔法(まほう)のランプを使うぞ」

そして、それを利用してランプのある魔法の洞窟(どうくつ)を呼び出した。

「洞窟よ、出てこい!」

洞窟が言うには、

「入れるのは内側に清らかな心を持つのみダイヤモンドの原石」

だが、「ダイヤモンドの原石」でなかった泥棒(どろぼう)は閉じ込められてしまった。

「誰か助けてくれ!」

その話を聞いたジャファーは「ダイヤモンドの原石」を探そうと(たくら)んだ。

砂漠(さばく)の王国アグラバーに暮している天涯(てんがい)孤独(こどく)の身で、(まず)しくも清らかな心を持った青年(せいねん)アラジンはいつか宮殿(きゅうでん)豪華(ごうか)な暮らしをすることを夢見ていた。

「僕は貧乏(びんぼう)な身だけど、宮殿に住んでみたい!」

一方、婚約に嫌気(いやけ)がさして王宮を抜け出そうとしたジャスミンという美しき(ひめ)(ぎみ)(おさな)なじみであるラジャーの制止を無視してまで家出を決意する。

「だめだめだめ!」

「私、家を出たいの!」

「どうして?」

「どうしても!」

「理由を教えて?」

「いいから!」

「待ってくれ!」

「もう待たないわ!」

そんなある日、市場でジャスミンは泥棒の()れ衣を着せられたところをアラジンに助けられたことで心を通わせる。

「助けて!」

「今行くからね!」

「シュタッ!」

「ありがとう!」

「どういたしまして!」

「ところで、あなたの名前は?」

「俺はアラジン」

「私はジャスミンよ」

「よろしく」

「よろしくね」

だが、アラジンは姫君をさらおうとした盗賊(とうぞく)と間違えられて(つか)まり、牢屋(ろうや)に入れられてしまう。

「えーい、(つか)まえろ!」

「助けてくれ!」

それは王国の支配を目論(もくろ)んでいる国務大臣のルシファーが、入る者を厳しく選ぶ魔法の洞窟から「ダイヤモンドの原石」として選ばれたアラジンに、洞窟の奥深くにある不思議な魔法のランプを取って来させるための策略だった。

「ランプと交換(こうかん)してくれないか?そうすれば、助けてあげよう」

ルシファーはみすぼらしい老人(ろうじん)の姿に扮装(ふんそう)して牢屋に現れると、ランプを取って来ることを約束させるのと引き()えに、アラジンを脱獄(だつごく)させる。

「これを使え!」

「分かった!」

魔法の洞窟の中で出会った魔法の絨毯(じゅうたん)の協力でランプを手に入れたものの、ウッキーがうっかり

「ランプ以外の物を()れてはいけない」

という(おきて)を破ってしまったため、洞窟は暴走(ぼうそう)し、さらにジャファーに裏切られたアラジンは洞窟の中に閉じ込められてしまう。だが、相棒の(さる)ウッキーのおかげでランプがルシファーの手に渡ることは阻止(そし)できた。

「ランプはどんな秘密があるのかな?こすってみよう」

さらにアラジンはひょんなことから(みずか)らランプを()ったところ、ランプの魔人(まじん)ジーニーの主人となる。ジーニーの力でなんとか脱出し、

「どんな願いも3つだけ(かな)えてあげよう。ただし、『人を殺すこと』『他人の気持ちを変えること』『死人を蘇生(そせい)させること』『叶えられる願いの数を増やすこと』以外なら、言ってもいいぞ」

とジーニーに言われたアラジンは、自由を求めるジーニーに対し、

「最後の願いで君を自由にする」

と約束しつつ、1つ目の願いとして、王子としか結婚(けっこん)(ゆる)されていないジャスミンとの(こい)を叶えるため、架空(かくう)の国であるアバブア王国のアリ王子に変身することを願い、王宮へと向かう。

「さあ、行こう!王国へ!」

「出発!」

頑固(がんこ)なジャスミンは、アリ王子も今までの求婚(きゅうこん)者達と同じだと思い、まったく相手にしなかったのだが、

「一緒に広い世界を見に行こう」

という(いざな)いに乗って魔法の絨毯で世界中を旅するうちに()かれていく。

「ここが、地球だ」

「なんて美しき瑠璃(るり)(いろ)の星なんだ!」

「すばらしい!」

「ここが、東京スカイツリーだ」

「グレートバリアリーフ、何て素晴らしいとは!」

「ここが、世界で一番高い山、エベレストだ」

「万里の長城(ちょうじょう)、どこまで続くのかな?」

途中で口を(すべ)らせた不注意からアラジンの正体がバレそうになるものの、アラジンがとっさに

「自分もお城の生活が(いや)で、時々平民に変装して抜け出している」

誤魔化(ごまか)したことでジャスミンは共感を()き、両想いとなる。

その頃、ランプを手に入れ(そこ)なったルシファーは自らの魔力でサルタンを操り、ジャスミンと結婚して王位に()こうとしていた。

「このわしが姫君と結婚してみせる!」

そこへアリ王子として現れたアラジンがジャスミンやサルタンに(またた)く間に気に入られていくのを邪魔(じゃま)に思ったルシファーは、アリ王子を暗殺しようと目論(もくろ)んで、部下を使いアラジンを捕まえる。

捕まったアラジンは声が出せないように顔に白い()(ぬぐ)いを巻かれて口を(ふさ)がれ、手足を重り付きの(くさり)(しば)りあげられ、海の底に沈められてしまう。

「う、息ができない…」

重りの重さで海底に(しず)むアラジンは呼吸ができなくなり気を失うが、偶然にもランプが手に触れたことで入浴中だったジーニーが現れる。

「やあ、また会えたね」

ジーニーは気絶しかけるアラジンに、

「2つ目の願いごとをするように」

と言うと、アラジンは無事命を救われた。

「ありがとう!」

「私たち、ずっと友達!」

「そうだね!」

それと同時にアラジンとジーニーは固い友情で結ばれた。

「ねえ、私と結婚して!」

「ありがとう、(うれ)しいよ!」

「よかったわ!」

アリ王子の暗殺に失敗した上に暗躍(あんやく)が発覚してしまったルシファーは失脚(しっきゃく)し、その犯行を(あば)いたアリ王子はジャスミンの結婚相手として大々的に告知される。

「よし、これで未来は(かがや)くだろう!」

順風満帆(じゅんぷうまんぱん)な未来が待つかに見えるアラジンだったが、ジーニーの魔法が解けて王子でないことがばれたらジャスミンに(きら)われてしまうと不安を感じ、ジーニーに、

「君を自由にはできない」

と言い出す。それを聞いたジーニーは怒ってランプの中に引き(こも)ってしまう。

「ジ、ジーニー!」

ジーニーに、

「本当のことを告げろ」

と教えられたアラジンは遠慮(えんりょ)なく本当のことをジャスミンに告げるため彼女の元へ向かうが、その(すき)を突かれてルシファーの手下のバオバブにランプを(うば)われてしまう。

「ランプをよこせ!」

「わー!」

「ランプはいただいた!」

「待て!」

バオバブからランプを渡されてジーニーの新たな主人となったルシファーが、1つ目の願いでアグラバーの支配者になり、ジャスミンが相手は支配者であろうがどうしても(さか)らうことから2つ目の願いで自分を世界一の魔法使いにする。

「アラジンめ、雪が()り積もる山へと連れ去って見せる!」

さらにルシファーは魔法でジャスミン達をいいようにする上にアラジンを元の姿に戻して冬山へ追放(ついほう)してしまう。

絨毯の助けを借りてアグラバーに戻ったアラジンは、アグラバーの危機を救うべくルシファーに戦いを(いど)むが、手強い魔法を(あやつ)り、遂には大蛇(だいじゃ)に変身したルシファーに巻き付かれて()め殺されそうになる。

「そうだ!」

ルシファーの手強い魔法に圧倒されて追い()められるアラジンはジーニーを見つめて策を(ひらめ)き、

「世界一の魔法使いとして我は世界で一番強い」

と主張するルシファーに対して、

「ジーニーこそが本当に世界で一番強いぞ」

と言い返す。それを聞いてジーニーこそが世界最強で自分は世界で二番目であったということを認めたジャファーは最後の願いで自分が真の世界最強の存在=ジーニーになることを願う。

「世界一強い存在にしてやる!」

ジーニーはシアンの体からマゼンタの体になってとなって最強の力を()たルシファーだったが、それはジーニーから教えられていたランプの魔人の制約である「脅威(きょうい)の力を持つ代わりに自由がない」ことを逆手(さかて)にとったアラジンの作戦であった。

「命を()けて、かかってこい!」

その結果、ジャファーはイアーゴを巻き()えにして専用のランプの中に閉じ込められ、ジーニーに砂漠の彼方(かなた)へ投げ飛ばされ追放された。

ルシファーとの戦いを終えてアグラバーの平和を取り戻した後、アラジンはジャスミンに(うそ)をついたことを謝罪して反省し、最後の願いでジーニーをランプから解放させて自由の身にする。

「ごめん、ジャスミン」

「気にしないで」

アラジンのアグラバーを救った勇気に感動したサルタンはジャスミンとの婚約(こんやく)を認め、自由になったジーニーはアラジンと別れて旅立つ。

「じゃあ、またね」

「またどこかで会おう」

最後に幸せにアラジンとジャスミンは結ばれた。

「どうだった?」

ジーニーはこう言葉を残して、どこかへと去っていった。

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