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孤島奮起  作者: つふら
人間があらわれた
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冷静になれ、俺

 「よし、まず冷静になろう。」


 そう声に出し、まずは現状を理解しようとした。


 勤務明け、俺は買い物した帰りに、電車に突っ込まれた。


 が、何故か五体満足で傷もなく南の島風の砂浜に立っていた。


 「これが俗に言う異世界転生か?」


 いやいや、異世界転生ってのは生まれ変わるわけだから。俺は生まれ変わっていない。手荷物も全てあの電車がぶつかりそうになる瞬間と何ら変わりはないのだから。


 と、なると異世界に俺だけ飛ばされたという可能性。流石にライトノベルやらゲームをやってきたおかげでそういう設定の世界があるのは知っている。だが、所詮フィクションだ。それにそういう世界だと9割5分の確率でチートスペックか可愛い女子がつくものだ。


 俺は手に持っていたビールの缶を置き、右手を前に突き出す。


 「・・・ファイヤ!!」


 あぁ!!恥ずかしい!!俺は一人で何してるんだ!!

 

 無論、炎の玉なんて出ず、出たのは俺の唾液だけだった。25歳にもなって、俺、反省。余りにも恥ずかしくて、誰かに見られてなかったか辺りをキョロキョロ見わたす。


 よし、誰もいない。人っ子一人いない。よかった・・・よかったのか?


 つまり、わかったことはチートスペックもない、誰もいない、そこに俺は放り出されたわけだ。もしかしたら俗に言う『神隠し』のようなものなのかもしれない。次元の歪みとか、狭間とかに俺は落ちたのかもしれない。たとえ『神隠し』により地球のどこ何飛ばされたとしても、今の現状がどこだかわからない限りは、何も対策はできない。そして今のこの状態をどうにか切り抜け、人を探すしかない。あとは、助けを呼ぶか。今頃、妹たちは仕事に行っているから母さんにでも連絡・・・!!


 そうだ、電波は届いているかもしれない!


 俺はなんて大事なことを忘れていたんだ。リュックの横ポケットからスマホを取り出す。そして画面を見ると、『圏外』のマーク。


 ですよね。そんな気がしてました。ちょっとでも期待した自分が馬鹿でした。


 さて、気を取り直して考えよう。


 まず、ここが無人島として考えると、まずは生きるために何をすべきか。


 『衣食住』という単語を思い浮かべながら、ワードを脳内で探っていく。


 ・・・そうだな、まず水。飲める水だ。そして、安全な寝床や防寒なんかもないといけない。ここが昼は暑くて夜は氷点下とかだったらまずい。更に外敵・・・どんな生き物がいるかどうかもわからない。今俺がいる場所は海のすぐ近くで見通しはいいが、外敵からも逃げられない。それに海水を飲み手段・・・なくはないが、手間がかかりすぎる。海があるということはそこに流れてくる川があるはずだ。とりあえずそこを目指そう。


 移動を開始する前に、まずは荷物の整理の確認をしておこうと思い、リュック・エコバックからすべての所有物を並べた。

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