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孤島奮起  作者: つふら
人間があらわれた
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仮拠点構想



5:32 起床


この生活が始まり3日目になる。


天気は晴れだが、やや雲が昨日よりも多い。


昨夜、色々考えた結果、この横穴岩場の上の高台に、生活拠点を移そうと考えていた。


スマホの日付は6/6、ここが日本と同じような季節であると仮定した場合、もうすぐ梅雨。雨量が増え川が増水した場合、この横穴にいたら動けなくなる可能性がある。もしくは集中豪雨。亜熱帯気候であった場合は、スコールで一気に増水するかもしれない。


幸いなことに、まだ雨は降っておらず、目下その危険はないのだが。やはり警戒しておく必要はあると思う。


俺、泳げないんだよ。


25年間、アイラブ浮き輪なんだよ。



そう決めた俺は、朝御飯を素早く済ませ(ゆで卵3個と昨夜のみそ汁)、リュックを背負い、川沿いから竹林を抜け、岩場上の高台に登る。


横穴から徒歩5分ほどだ。


流石、高台。景色はいい。


俺が最初に立っていた砂浜から海岸線、海から登っている朝日もバッチリ見える。


落ちないように下を覗くと、ちょうど横穴の真上辺りに位置していた。高所があまり得意ではないので、覗きこむのも早々にし、高台の探索をする。


太い木と木の間が約5m×7mくらい空いている場所を見つけた。その太い木の間に、細い木も数本生えているが、これは切り落とせるだろう。地面も比較的平行だ。


よし、ここがいい、ここに拠点をたてよう。


まず、その空間に生えているが草を抜き、石をどかし、細い木を切り落とす。細い木の根っこの処理は後回しでいいだろう。


そして、太い木同士をツタ(昨日水に浸けておいたツタ)で結んでいく。大体高さ2mくらいのところかな。ツタが一本だと心もとないので3本ほどを三つ編みのようにして太くした。4辺とも同じ様にしていく。


天井にあたる部分もおなじように三つ編にしたツタを30㎝間隔に張っていく。


そこで大量にとったと思っていた長めのツタがなくなった。


1:07、昼過ぎか。


今日の拠点作成はこんなもんにしておこう。


一度横穴へ戻り昼食、ゆで卵と干し肉。


そして、午後はツタと竹の採集に費やした。


4:22 少しずつ薄暗くなってきている。


少し早いが夕食の準備。川辺に水をいれる汲みに行く。


そうそう昨日、お玉を作りながら思ったのだ、もう少し効率よく水を運べないものかと。


先程の昼食後にさっと作ったのがコレ、竹のバケツ。いやいや、そんなドヤ顔で自慢するほど精巧な代物ではない。昨日作った20㎝くらいの竹筒の側面に千枚通しで穴を開け、そこをツタで結ぶ。短いツタならまだ残りがあったので、それを使用した。竹筒6本を結んだ後、短いツタ同士を結んで少し長めにした後、竹筒の端に結ぶ。


竹筒ショルダーバックの完成だ。このまま水にいれて、取り出したら一気に水を手に入れることができると思い、作ってみたのだ。


一応、試験運用したので問題はない、あくまでも今のところはだが。


で、それを持って川辺に向かう。


「!!魚がおる!!」


嬉しいときはついつい声がでてしまう。


横穴へ戻り、ナイフと木と靴紐で、簡易槍をささっと作成。そして、2日目に作った籠を持ち、再び川辺へ。


4・・・5・6・・・7匹とか!


神の恵みか!



結果、5匹。前回を大きく上回る戦果だ。

前回は1匹とった後、まごついたことも敗因と考えていた。だからこそのこの籠だ。金魚すくいの器みたいに『とったらひょい!』という風にしたらよいのでは?エコバッグだと生臭くなるから網みたいのがあれば、と思っていたからだ。


成功。よしよし。


内蔵処理して手早く開く。そして塩をふりかけ、干しておこう。


夕食は干し肉で出汁をとりに、塩と醤油で味を整えたスープに白滝を入れた『なんちゃってラーメン』。


あー、辛いラーメンが食べたい。


食後、竹の加工作業を行う。


昨日思い出していたゲームのように殴って木片を作ることは出来ない。そもそも木を加工するのはサバイバルツールセットの入っていた小さいノコギリでは全く歯が立たない。


ここは竹を利用し、壁や天井を作ろうと思ったのだ。


日中に三つ編みツタをはった辺の長さに合わせて竹を切っていく。ツタをはった時に、竹の長さも目星つけておきたくて、それぞれの長さに合わせた竹を切っておいたのだ。


看護師として働きだした時に新人教育係になってくれた先輩によく言われたものだ。『今やっている作業は次の次の作業内容を頭に想像しながら行いなさい!』


ありがとう、先輩。先輩のお陰で俺は少し考えられるような子になったんだよ。

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