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孤島奮起  作者: つふら
トカゲが現れた
122/126

ビーとジーの願い


「金はない。」


俺は、ピシャリといい放つ。金の貸し借りはよくない。まずは宣言しておかねば。


「ミーがそんなものお願いするか、バカ。」


一蹴された。


「タケルはショックのあまり、頭の(シナプス)が3000本ほど切れたようね。」


「クククッ、愚直だとは思っていたが、心の衝撃を受けると思考が破壊するようだな。」



さっきから俺への当たりが強いよみんな・・・・・。


「わかってるよ!冗談くらい言ってもいいだろ。で、願いって何?」


「ごねた割にはあっさり現実を見るんだな。ミーはキミのそういうところ、割りと好きだよ。」



「ジナツヒコ・・・あー、めんどくさい。さっきは真面目に話さなきゃならないところだったから、ジナツヒコって呼んだけど、長いからもうジーでいいな。」


「え?あぁ、うん。」


「ジーの話は長いから要点まとめて話せよ。歴史とかいらないから。」


「わかった。では、君達に迷子のお守りをしてほしい。」


「は?もう少し詳しく。」


「タケルが簡潔にって言ったから!!!」


「ジー殿、タケル殿に構わなくてよいから、説明してもらえぬか?」


「・・・やっぱり説明するんじゃんか。タケルのバカたれ。」


くうっ!ムカついたが、確かに今のは俺のたいどが悪かった。だから、グッと堪える。


感情委せに怒ったり声を荒げるのは、俺自身恥ずかしいってのもあるけど、幼児の癇癪と変わらないんだよな。俺の周りにもそういう奴がいっぱいいたけど。


「先程も言ったが、ここは次元の狭間。次元の歪みに謝って入ってしまったものが迷い混む場所。運が良ければ元の世界・・・いや、そことは少し次元の違う世界に戻れるが、ほとんどの場合、ここで野垂れ死ぬ。」


「え?そうなの?」


「だからタケル、キミの生命力には驚いた。色んな幸運が重なったのかもしれないが、よく最初を生き延びた。勿論、実験のために生物や自然環境を整えた後というのもあるが。キミが生きてくれたから、続くルルやレビルも生き延びたのだろう。」


「今までは、こんな自然じゃなかったの?」


「ああ。実験が始まるまでは、ここは暗闇に覆われただけの空間だった。」


「そりゃ死ぬわ。」


いや、本当にラッキーが重なったんだろう。


当直明けで、思考能力が乏しかった事。買い出しの帰りだったってこと。バックの中にサバイバルセットがあったこと。今まで色んな漫画やアニメ、ゲームや小説に映画・・・なんとなくみていたものから得た知識を海馬の片隅に置けたこと。


あ、それにダイヤ達と会えたってのも大きいな。それに迷いついた先も食料があったし。


きっと、どれが欠けても俺は生きていなかったろう。


そうだ。俺、スゲー頑張った。一人しかいなくて孤独で怖かったけど、不思議と死のうなんて思わなかった。


多分、死を覚悟したからだろうな。あんな経験は二度とごめんだ。


ルルがきて、風の聖霊パワーで話ができるようになり、俺一人では出来なかった、わからなかったことをルルが補完してくれて。


レビルさんも俺達にはない技術をこれでもかと披露してくれた。


そうだよな、ハナやシャインもそうだ。カムイもキヌコさんも・・・・皆、出来ること、得意なことが違ってそれぞれ補完して生きてきた。


あー、今ならわかる。


あのアニメのエンディングの意味。


地球の上に立って、サブキャラ達が次々に『おめでとう』という場面。


そして、その主人公の父親がしていた意味も理解出来る。『人類補完計画』って、こんな感じなんだろうな。みんな何処か欠けてて、それを補う誰かがいて。うまく補え合えなくても、また他の誰かが補完してくれる。


そうか。俺はこんなちっちゃなコミュニティーで、『人類補完計画』に参加していたのかもしれない。


「つまり、迷い混んだ人を助けてほしいってことだな?」


「だから、そう言ったではないですか。」


うぎゅう、可愛くないぞ、ジー。


もちろん、人が増えれば揉めることもあるだろうし、うまくいかないこともあるだろう。それでも、俺の答えは決まっていた。


「うん、いいよ。」

遅くなって申し訳ありません。リアルな仕事の方で疲労困憊でした。

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