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孤島奮起  作者: つふら
トカゲが現れた
121/126

話 其の五



スパコーン!!




どや顔でかっこよくそれっぽいセリフを言った俺の頭を、ルルが竹筒でどつく。


痛い。


「タケルが一番グジグジしてたのによく言うわよ。」


「うむ。そうですな。やれ電気がないだの、ガスが欲しいだのずっと言って降りましたからな。」


そうなんです。俺が諦め切れなかっただけなんです。


他の皆は簡単に運命を受け入れてしまったけど、俺、やっぱりあの電化製品で囲まれた世界に帰りたかったんです。


そりゃ、自分の手で作り出すのは楽しいし達成感はあるよ?でも、電気もガスも水道も・・・・あ、水道はなんとかなってるけど。でも、なんでも揃ってる世界に戻りたいって思うだろ?


人間、一回楽を覚えたら戻りたくなるんだよ。


「・・・・・・・カカカカカカカカッ!」


ジナツヒコが笑いだした。


「なんだよ、ジー!いいじゃないか!」


「いやいや、正直で何よりと思ってさ。」


「じゃあ!」


「帰れないのは変わらない。」


くぅ。


やっぱりダメか。


「なんだよー、タケルにーちゃん。さっきはカッコいいと思ったのにさぁ。」


「だってさぁ、皆といるのも楽しいけどさ、可能性があるなら、すがってみたいじゃんかよ。」


「僕も親父にもう一度会いたかったけど、帰ったところで生け贄にされるしなぁ。」


「タケルは無い物ねだりなのよ。」


うぅぅぅぅぅ、言われたい放題だ。


「カカカカカカカカッ!本当に仲が良い異種族同士だ。では・・・。」


ジナツヒコは姿勢を改める。それに倣うようにビハヤヒも姿勢を正す。


そして、彼らは俺達に向かって頭を下げた。


「君達の人生を、弄んでいるようですまなかった。」


ジナツヒコに合わせ、ビハヤヒも頭を下げる。


「でも、自分は皆様にお礼が言いたい。ありがとう。」


ビハヤヒが頭を挙げる。


「自分とジナツヒコは、きっと異種族でも争いなど起きない世界を夢見ていた。同僚からはバカにされ、頭がおかしいとまで言われた。しかし、自分はレプトゥリアン、ジナツヒコはアクトゥリアン。それでも手をとり研究を進めることができた。」


「そうだな。俺達は今、自分達の信じていたことを見ることが出来たんだ。異種族でもミー達が介入しなくても争わず暮らせるということが。」



「そちらさんはよくても、俺の気持ちは・・・!」


「ハイハイわかったから、タケルはもう諦めなさい!そんなに私達と一緒が嫌なの?」


「そうじゃなくて、もっと文明をさっ!」


「しつこい!!」


「カカカカッ、わかった。タケル、君の意見は善処しよう。」


ジナツヒコは笑いながら、俺を見る。


「但し、ミー・・・いやこのプロジェクトに関わってるスタッフ全員から願い・・・依頼を受けてくれればの話だけどな。」




話が終わらなかった

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