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孤島奮起  作者: つふら
トカゲが現れた
120/126

話 其の四

俺はジナツヒコの目を逸らさずに続ける。


「俺達は去年から何度も何度もミーティングの時に話し合ったよ。色んな未来をな。まだ俺達が3人だった頃から・・・・。」


レビルさんとルルを見る。二人とも少し微笑む。


「死んでいたはずの命、これは天国なのか、それとも俺達に残された死ぬまでの僅かな夢なのか。そして、シャインとハナが来た。また、死にかけた人たちだった。」


ハナとシャインがお互いの手を握る。


「もし戻っても幸せにはなれない。最悪、確実な死が待っている。でも、それぞれ会いたい人もいる。会いたいけど、戻れば死ぬかもしれない。俺達はずっと考えたよ。」


そう。俺達はずっと考えてきたのだ。この約二年間。寝ようとすると不安に苛まれ、考え出すと寝れなくなる。体を酷使しても頭に廻る不安。そんなのとずっと抱えてきた。


「だから、確かめるために俺達はまず知ろうとしたんだ。この島を。」


無知とは恐怖だ。


知ることで不安と立ち向かえるならば、調べてみようと思った。


あの夜、レビルさんと話した。


■■■■■■■■■■■■■■■■■


「いや、タケル殿が部屋を出るときから拙者は起きていた。悩みでもあるなら拙者が相談にのりますぞ?」


「悩みっていうより不安かな。」


「不安、そうであるな。拙者も毎日が不安である。だからこそ、新しいことに挑戦して、余計な事を考えないようにしているのかもしれん。」


「ごめん。レビルさん。ちょっと弱音を吐きたくなっただけなんだ。」


「よいのだ。弱気にならぬ者などこの世にはいない。悩み、考え、苦しみ、答えをだす。拙者はそう生きてきた『弱気』は『弱さ』ではない。当たり前の感情故、案ずるな。」


「・・・・ありがと。ごめん、聞いてくれて。」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■


あの日から、俺だけではなく、皆で不安にぶつかろうと思った。俺達は生きている。生きているからこそ悩み不安なんだと。


「私は私達が日々調べたデータを演算したわ。色んな可能性を加味して、皆と何度も何度も討論したわ。」


ハナは時間がたっぷりある。作業をしながらも動植物や鉱山、気候等のデータから、色んな仮説を立てていった。それを皆で検証し、討論し、更に検証し・・・・そうやって探索を始めた日以降、ミーティングを重ねた。



「カムイ一家やディディも増えたけど、それでも不安とずっとぶつかってきた。それで俺達は決めたんだ。ビーやジーがここに来る前から決めていたんだよ。」



「見えない壁が壊せなかったら、ココで生きる事を。」


話は終了


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