話 其の一
「ジー、何もかも話す・・・って言ったな。」
「あぁ、壊されては困るから。」
「わかった。なら、居間で聞こう。」
俺達は居間に集合した。途中、ビーとジーが逃げないようにディディとルル、ハナとクジタ、タケコさんとシャインがそれぞれ持ち場についていたのだが、各自捕獲のスキルを披露することはなく終えた。
一応、罠も張っておいたんだけどな。残念。
今回、居間に全員集合したのは、皆で同時に話を聞くためだ。そして、逃がさない為でもある。これだけ人の目があり、出口をそれぞれ塞げば大丈夫だろう。
外にはダイヤ達を見張りにつけている。ファースト達も総動員。
「じゃ、皆が集まった。ビー・・・そしてジー。話して欲しい。まず、天井を壊そうとしたときに、言ったよな?ここは『空間の狭間』って。なんだそれ。」
ビーは黙ってジーをみる。
ジーはしっかりと俺を見て、答えだした。
「・・・・まず、改めて自己紹介をしよう。ミーの名はジナツヒコ。そして・・・・・」
「自分はビハヤヒです。」
「そして、この体はレプトゥリアンと呼ばれているミー達の使役みたいなものと思ってくれ。ミー達はこの体に精神を入れ動いている。というか、ミー達が肉体を持たないためにそうするしかないというのが、正しい表現に近い。」
「精神?」
「言うなれば、『憑依』みたいなものだ。伝わるか?」
頷く俺。
「では、何故ミー達がここにきたか。それはもうわかっているとは思うが、監視だ。」
「拙者らの何を監視していた?」
「と、なると、まずこの計画の目的を話すしかないね。ビー・・・じゃなくてビハヤヒ。この間、世界の成り立ちについては見せたんだろ?」
「はい。」
「うん、じゃあその部分は割愛する。あれはウソではない。君らが選ばれたのもたまたま同じ座標で死ぬ直前のメンバーだ。。」
ジー・・・ではなくジナツヒコは断言した。
俺達は死ぬ直前と。では、まだ死んでない、これが天国とかではない、夢オチではないことはわかった。
「この間のビハヤヒの話で、次元の少しずれた同じ星に住んでることは伝えたな。各星には様々な種族の生物が暮らしているが、何故か種族間同士の争いが絶えない。どの星でもだ。そして、最後はある一つの種族が支配をする。少数族は滅ぼされていく。そうなると、進化を止めてしまうのだよ。」
居間ではジナツヒコの声だけが響く。
「そこでミー達は、『他種族同士は数が多ければ争うが、数が同等の場合には争いは起きないのではないか』という仮説をたてた。・・・・察してきたか?それが、ここの実験場だ。」
雨ですね。