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孤島奮起  作者: つふら
トカゲが現れた
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就寝前の近況報告


ハナ暦 9/14


寒くもなく、暑くもなく、ほどよい気候だった。


俺は床につきながら、今日の出来事を思い出す。


ビーとジーがここに来てから2週間。特に大きなトラブルなく過ぎている。


そんな2人に任せた屏風作りだが、レビルさん曰く思った以上に順調のようだ。


ビーが精巧なデザインを描き、ジーが色付けをしている。


1度、気になって様子を見に行ったら、


「その襖から風が入るだろ!このボケナス!ミーの傑作をダメにするきか!!」


と、ジーに怒られた。


チラッと見ただけだけど、綺麗にできていたと思う。


「これまでこっそり貯めていた色の鉱石が、やっと使えるときが来たのである。」


と、レビルさんは嬉しそうだった。


城作りの方も順調なようで、今は屋根瓦を敷く作業をレビルさんはしている。


最初は土から本格的な屋根瓦を作りたかったようだが、出来上がるまでに相当時間がかかるので、型に鉄を入れた模造品で作成している。


地下を掘ったときに大量に出てきた鉄鉱石は、ここで大盤振る舞いだ。


たがら、本来の瓦より薄く且つ強度のある屋根瓦となっているらしい。どうやって屋根に接着してるのかは俺もわからない。


俺の方も、稲刈りや麦刈りが忙しい為、あまり様子は見に行ってないけど。


そうそう、麦酒。そろそろ完成しそうだ。なので、今回の収穫が終わったら皆で飲もうと思っている。


地下に作った氷室には大量の氷がストックしてあり、本当に冷凍庫のように寒い。これはレビルさんが定期的に氷を運んできている。


野菜保管庫にもカムイが着々と野菜を詰め込んでいる。その横に新たに作った鉄製肉保管庫にも冷凍肉が保管されている。お陰で干し肉を作る量が減った。


酒蔵には麦酒以外にもワインや焼酎、日本酒の樽が入っている。最初のうちは俺が作っていたんだけど、


「見てられないわ!」


と、ルルが口をだし、手をだし・・・・ついにはほとんどの仕事を取られた。ルルはこういう食品加工は好きなんだよな。味噌や醤油、味醂なんかの調味料作りなんかもしてるし。


それに比べてハナは塩や砂糖といった単純加工はよくやってくれる。というか専門家域に達しているかも。


そうそう、アニーのお腹の中にはまた新しい命が宿っており、テリーとドリーは春には弟か妹が出来る予定だ。テリーとドリーも体が大きくなり母乳から牧草を食べるようになっていた。


羊・・・あ、クジタが『ソラ』と『ダイチ』と名付けたつがいの羊のお腹にも春には子供が生まれる予定だ。


牛・・・あ、これもクジタが『ウミ』と『フウ』と名付けたが、まだ雌のフウのほうが子供なんで、子供は来年になるだろうとのこと。


鶏・・・流石に多過ぎて名前はつけてないけど、飼育は順調。無精卵を生む鶏と有精卵を生む鶏を分け、さらに種鶏と食鶏をわけて育てている。まだ6歳児のクジタから、


「そろそろあの食鶏、食べ頃だよ。」


と言われると、こう、何か、複雑な気持ちになる。食べるけど。あ、でも捌くのはキヌコさんだ。俺はやっぱりまだ動物を捌くのはできないまま。


それにしてもクジタはホープの面倒をみながら、よく家畜の世話をしてくれている。


一時見られた突然笑い出す症状が収まったあとからは、特になにもなく落ち着いている。 双子のことも可愛がってるし、よかったよ。


双子は最近、喃語(なんご)を話すようになってきた。『あー』とか『うー』とか。よだれでベッタベタだけど、やはり赤ん坊は可愛い。


ホープもお姉さんの自覚が出てきたのか、


「いい子ねー」


とかいって双子を可愛がるようになった。それもこれもカムイとキヌコさんとクジタの努力だと思う。あの3人は絶対に『もうお姉ちゃんなんだから』的なよくあるテンプレ台詞を1度も使わなかった。


「ホープも可愛いよ。」とか「ホープは一人で出来て偉い」とかアゲアゲ台詞ばかりを駆使し、ホープの赤ちゃん返りを見事おさめてしまった。


俺はよく母親に言われたよ。


『お兄ちゃんなんだから我慢しろ』とか『お兄ちゃんなんだから妹に譲れ』とか。あれ、よくないよな。子供ながらに理不尽を感じていたよ。


あと、子猫のライト・センター・レフトもかわいい盛りだし、ダイヤのとヨーメの子のピッチ・キャッチ・ファースト・セカンド・サード(命名は俺)も、すくすく育っている。


ダイヤは相変わらずヨーメの尻にひかれているっぽいけど、まあ、夫婦の問題だから。


問題はルビーとサファイアとエメラルドの相方探しだな。こればっかは俺は祈ることしか出来ないけど、いい狼に出会えるといいな。


そんなこんなで俺達はかなりの大所帯になってきた。


明日も収穫、頑張ろう。


スマホが壊れた。

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