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孤島奮起  作者: つふら
トカゲが現れた
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出来ることを探せ

「ふぅ、食べたなぁ。拙者のお腹がはち切れそうである。」


「おでも腹さパンパンだぁ。」


人が作ってくれる料理は本当に美味しい。しかも一から全部作ってくれたものを食べたのは久しぶりだ。白いのは食べなかったけど。


「ちょっと、タケル!また脳ミソ食べなかったでしょ。」


「え!・・・・うん。」


「どうして食べないのよ美味しいのに。」


「見た目から無理。」


俺は即答。


「タケルにーちゃん、好き嫌いしてると大人になれないって、とーちゃんが言ってたぞ。」


「クジタ、無理なものは無理だ。なら、子供でいい。」


「なっ、そこまで拒否することないでしょ!食わず嫌いはよくないわよ。」


「まぁまぁ、ルルどんもそんなに怒らないでな。」


いつも通りの朝。


「いやはや、仲がよろしいんですね。」


「仲がいい?ホントによいなら脳ミソ食べてもいいはずよ。」


「ハハハ、それとこれとは別問題だと自分は思いますけど・・・・。」


「ビー、貴方は食べたの?」


「いやぁ、自分もちょっと脳ミソは、遠慮いたします。」


「なら食べてから言いなさいよ!」


「ジーは?」


「喰えるか!」


「ジー、潰す。」


「ルルは脳ミソになると熱くなるもんな。僕にはさっぱりわかんないけど。」


「シャインも好きでしょう?」


「僕は好きだけど、無理やり食べさせるのはどうかと思うよ?だって僕の好きな鉱石の話をしてもルルは聞かないじゃない。」


お、シャインも言うようになったな。こいつも前のような空気読めない発言は減ってきたし・・・


「それに、脳ミソ食べても頭はよくならないしね。」


前言撤回。


「ちょっと、シャイン。それは私がバカ?バカってこと?」


「はいはい!その辺にしてちょうだい。私は午前中の仕事を始めたいの。さっさと自分の食べたものは洗って片付けて。」


ハナがサッと閉めた。


「じゃあ、朝の仕事にいこうか。ビーとジーは何が出来るんだろうな。」


「自分は機械操作しかしたことがないので・・・・。」


「ミーもよくわからん!」


「なら、午前中は俺達と海へ行くか。ディディの時みたいに色々やってみて、合う仕事を任せようか。」


こうして、それぞれ朝の仕事を始める。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「いやぁ、漁も畑作業も・・・・いや、日々を過ごすための仕事とは重労働なんですね。初めて知りました。」


ビーとジーは見ているだけだった。というか、この2人サイズの魚をいきなり捌いてみろというのは、長々難しいだろう。もちろん、俺も分かってて連れていっている。


午後は俺と一緒に田んぼに連れていったが、やっぱりほとんど見ているだけだった。緑の稲に紛れてトカゲがどこにいるのか分からなかったからな。


だから、カムイの畑に連れていったけど、力がないので、野菜を回収することは出来なかった。


一応、ルルやハナやシャインのところにも連れていったけど、やっぱりなにも出来なかった。


「自分は役立たずでした。」


「ミーもなにもできなかった。」


しょぼんとしている。とある日のディディを思い出す。でもなぁ。ディディとはサイズが違うからなぁ。何をやれるんだろうか。


「よし、明日は拙者と一緒に城作りへ参ろう。」


「え、なにかできそうなことでもあるの?」


「うむ。体が小さい故、細かいものなら出来そうですからな。屏風の絵でも書いてもらおうかと思ってな。」


「え、絵ですか?」


「ビー殿、ここではシャレど笑ってくれるヒトは誰もおりませんぞ。心に深いダメージを負うだけですぞ。」


ごめん、レビルさん。ダメージを感じてたんですね。でも、笑えないくらい下らないので、そこは勘弁してくださいよ。


「絵か。やってみましょう。ですが、どんな絵を描けばよろしいのでしょうか。」


「ハナ殿のデータバンクになにかありますかな。」


「そうね・・・・なんだかわからないけどオガタコウリン?カリノ?マルヤマオウキョ?古くてわからないけど、作者みたいよ。」


「なら、その作者と屏風というワードで調べてみましょうか。」


ビーはフォログラフィーをだすと、オガタコウリンと打ち込んだらしいが、文字はさっぱり読めない。


すると、屏風のフォログラフィーが浮かび上がる。


「これは見事な屏風である。こういうの、こういうのを描いて欲しいのだ!」


「これはなんというか古くさいタッチの絵ですね。しかし、古くさいのに目を離せなくなる。」


「えー、面倒なことはやり・・・・ギュフィ。」


ビーが鼻に平手打ち。


「やってみましょう。」


「他にも見せてくれぬか!なっなっ!」


やけに興奮し出したレビルさんとやや乗ってきたビー、え?私も付き合うの?という顔をしたハナと、地面をのたうち回っているジーにあとは任せてよう。


「じゃ、よく4人で話し合ってくれ。」


「ちょっと!タケル!」


それ以外の皆は自室に戻っていった。


その夜、居間の方から遅くまで話し声と叫び声と感嘆の声が聞こえていたが、俺は無視して早々に眠りについた。



屏風なー。全然にこの城作りの目的には関係ないんですけどね。

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