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知りたかった情報

 オキタ達と合流したリナ達はオキタの同意を得てティアとハイネと共にオキタ達の案内で闘技場近くにあるカフェで話を聞くことになった。

 到着したカフェは上等な造りになっていて、奥の席はリナ達が全員座れて尚且つ他に会話が漏れにくい位置にあったため密談するのには充分な場所だった。



「リナさん、話を始める前にいくつか確認したいことがあるのですがいいですか?」



 席に着くとオキタがそう言って話を切り出した。



「まずリナさんは僕達のチーム名『新選組』に聞き覚えがあるんですよね?」

「はい」

「そして僕の名前オキタにも聞き覚えある」



 オキタの問いにリナは無言で頷いた。



「なるほど・・・ではもう一つ確認なのですが、僕の仲間この二人の名はナガクラとサイトウと言うのですが聞き覚えは?」

「・・・あります」



 リナがそう返すとオキタ達はお互いに顔を見合わせて何かを確認し合う。



「では最後にリナさん、僕達の名前を聞いて始めに連想された他の名前はありますか?」



 オキタの問いに対してリナは静かに頷くとゆっくりと口を開いた。



「ボクが連想する名前は近藤や土方と言う名前です」



 リナは新選組の事に関してはそんなに深い知識があるわけではなかったが、有名なこの名前はすぐに思いだすことが出来た。

 オキタ達はリナの答えに対して驚きの表情を一瞬浮かべたのだが、すぐに元の表情に戻った。



「コンドウにヒジカタですか。なるほどリナさんは僕達が探していた人物なのかもしれませんね」

「え?それはどういう・・・」



 リナが聞き返すとオキタ達は姿勢を正して説明を始めた。



「まず初めに言っておかなければならないのですが、おそらく僕達はリナさんが知りたい情報を持ってはいません」

「え?それはどういうことですか?」



 リナはオキタの言葉に慌てて聞き返した。やっと見つかった手がかりだったのでこれが肩透かしとは思いたくなかったのであった。



「実は僕達のこの名前は偽名なんですよ。ある方の命によってこの名前に反応する人物を探していたのですよ。今回の大会に参加したのもそれが目的です。『新選組』という名前もその方が我々に伝えた名前なのです」

「オキタさん達は何かの命令で動いていたのですか?もしかして他にもいたり?」

「はい。今は僕達三人で行動していますが、今回の命令で行動している者は他にもたくさんいるんですよ。その中にリナさんが言ったコンドウやヒジカタもいます。もちろんそれも偽名なのですがね」

「・・それでオキタさん達は何が目的で行動しているんですか?」

「そうですね。リナさんには初めから説明します。まず僕達は北の大陸にある隠れた場所にある町からやってきました。我々はその町の長の命令に従って僕達の名前に反応する人を探しに来ました。その目的としてはその人物を町に案内して情報を集める事、あとは意味を教えてはもらえませんでしたが、二ホンの事で助けがいると言っていました」



(日本。オキタさん達は知らないみたいですが、話を聞く限りその町の長さんはボクと同じ日本からこちらに来た人物に違いありません)



 リナは間違いなく同じプレイヤーだった人物の手がかりを見るけることができたのだった。

 内心大いに喜んでいたリナだったのだが、オキタの話はまだ続いていた。



「もちろん我々の町に悪人を呼ぶわけにはいきませんでしたから、この名前に反応した人物でも問題のない人物を厳選する事になっていました。まあこの名に反応したのは今の所リナさんが初めてでしたが三人で話し合いリナさんは問題ないと判断してこうして話をする事にしました」

「それって秘密の任務みたいなものなんだよね?リナちゃんはそれを知っていたからいいとしても私とハイネちゃんは何も知らなかったんだけどそんな話を聞いていいの?」

「お二人はリナさんの仲間という事ですので、どちらにせよ我々の事を知ることになると思いますのでそれなら聞かれても同じことですので」

「まあそっか」



 ティアは秘密の話なら無理矢理聞くつもりはなかったのだが、この話の流れだったらリナは北の大陸に行くと言い出すはず、ティア自身はリナがどこに行こうとついて行くつもりだからいずれ知ることになると思いオキタの言葉にも納得したのだった。



「まあ三人にはお話はしますけどこの事は他言無用でお願いしますね」



 リナ達三人が頷くとオキタは話に戻った。



「ここからが本題になるんですが、おそらくリナさんが知りたい情報は我々の町の長なら知っていると思います。もちろん僕達が知っている情報はお伝えすることは出来ますが満足させることが出来るかはわかりませんが・・・」



 リナはオキタに聞きたいことをいくつか聞いてみたが、リナが聞いた限りオキタはこの世界の住人で元プレイヤーではなくリナの聞きたい情報も知らなかった。

 それは仕方が無かったので話を変えてオキタ達が別の大陸から来たという事だったのでその辺りの話を詳しく聞くことにした。



「確かに僕達は大陸を渡りましたけどそれはコンドウさんやヒジカタさんそれにセリザワさんがいたので問題なく渡れました。あの三人の実力は僕の何段も上ですからね」

「オキタさん達からみてボク達は大陸を渡れそうでしょうか?」

「正直な話難しいと思います。大会で見せて頂いた皆さんの実力は僕達と大きな差は無いように感じました。まあリナさんのあの魔法をいつでもすぐに撃てるのでしたら話は変わってきますが」

「ではオキタさん達の町に行くことは難しいですか?」

「いえ、今から約一年後にこの大陸のとある場所に集まることになっていますので、その時に来ていただければ一緒に移動することはできます。もちろん先に行って頂いてもいいのですが」



 オキタはそう言ってカードを一枚テーブルの上に取り出した。



「これは?」

「差し上げます。リナさんの魔力を通してみてください」



 リナは言われた通りにカードに魔力を通すとカードに北側をさす矢印が浮かび上がった。リナがカードを手に取るとカードに浮かび上がった矢印はカードをどこに動かしても北側を指していた。



「このカードには僕達の町を記す魔法がかかっています。それを持っていれば魔力を通すだけで町までの目印になります。それと一応このカードを持っている事が任務を受けた我々が見つけた信頼できる者の証になりますので町に着いた時の紹介状の代わりになります」

「これを頂いてもいいのですか?」

「はい。僕達の町に入るのに必要になりますから、あと一応説明しておきますが、そのカードはすでにリナさんの魔力で登録されましたから他の方の魔力では何の反応もしませんので注意してくださいね」



 試しにティアにカードを渡してみたがティアの魔力に反応することは無く何も浮かばなかった。

 その後、オキタ達からこれからの事の説明を聞いてから解散することになった。



「僕達はしばらくこの町に滞在していますので、何かありましたら聞きに来てください」

「はい。今回はいろいろとありがとうございました」

「いえ、こちらもリナさんのおかげでこの町に来たかいもありましたから・・・ではまた」



 オキタ達と別れたリナ達も宿に戻って今日の疲れを癒すことにした。



「リナちゃん今日は良かったね」



 部屋に戻るとティアがそう言ってリナの頭を撫でた。



「ティアさん?」

「あっと、オキタさん達と別れてからずっと嬉しそうだったからついね」



 ティアがそう言っておどけてみせると、リナも肩の力が抜けてようやく一息つけたのであった。

 リナは自分が知らず知らずのうちに体に力が入っていた事に驚くと共にティアがいつも自分を見ていてくれている事に感謝するのであった。





 その日の夜リナ達の次の対戦相手が決まった。



『妖精の剣』



 それはリナ達のよく知っている者、ラウラ達のチーム名だった。

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