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本戦2回戦 決着

 突撃したギンセイとハーブルムーンの攻撃はティア達に当たる事無く空を切った。



「なにっ!?」



 攻撃の瞬間、突然目の前から消えてしまったティアとハイネをギンセイは辺りを見渡して探すが、どこにも姿を見つけることは出来なかった。



「どこに行きやがった!?」



 ギンセイは叫びながら地面に潜ったのかと考えて地面に攻撃をするがティア達の姿はなかった。

 ハーブルムーンもティア達を探すがギンセイと同じように見つけることが出来なかった。

 しばらくギンセイ達が闘技場内を探していると、突然ティア達の声がギンセイの耳に入ってくる。



「シェスティアそんなにもたないから早くして」

「そ、そんなに急かさないでよ。・・・よ~し、充分魔力も溜まったから大丈夫だよ!!」



 ギンセイが声がした方向、頭上を見上げるとティアとハイネが黒い衣を纏って空中に浮いていたのであった。



『な、な、な、なんとシェスティア選手、ハイネ選手の両名が空中に浮いているぞ!』



 ティアは空中に浮いている間に右手に魔力を集中させて徐々に右腕が光り輝き、その輝きはさらに増していた。



「いっくよー!!」



 ティアがそう言って右腕を回転させながら拳を構えると、ティアを空中へ支えていた黒い衣が消滅しティアは重力を利用してものすごい速度で急落下してきた。



「まずい!!ハーブルムーン避けろ!!」



 ギンセイがティアが何をするつもりなのかに気が付いたのだが、それはすでに遅かった。

 ティアはハーブルムーンに向かって急速落下してくると魔力を込めた右拳をはハーブルムーンに振り下ろした。



「『夜叉天破砕拳!!』」



 突然の事で反応しきれなかったハーブルムーンにティアの拳が頭上から命中する。

 ハーブルムーン当たっても尚も地面が抉れる程の威力がある攻撃を受けたハーブルムーンは、その場で苦しそうに倒れて動けなくなると次第に体が輝きだし闘技場内から消滅していった。



「まさかハーブルムーンがやられるなんて・・・」



 ギンセイは一撃でハーブルムーンが倒された事に動揺して動きが止まっていた。そこにまだ空中に浮いていたハイネが隙をついて炎弾を叩き込んでいく。



「くっ!!」



 呆然としていたギンセイはハイネの炎弾をギリギリの所で回避するがその先にはティアが待ち構えていた。



「ここで決着をつけるよ」

「負けてたまるかぁ!!」



 ギンセイはそう言って斬りかかって来るが先程までの勢いはなかった。

 ハーブルムーンを倒されるとは思っていなかったギンセイはその衝撃で実力を出し切れなくなってしまっていたのだった。

 勢いの失ったギンセイの切り込みをティアは簡単にいなしていき半歩後ろに下がった。



「これで決めるよ」



 ティアの言葉にギンセイは構えをとる。ティアの大技にカウンターを仕掛けて戦いの流れを変えるつもりでいたギンセイだったのだが、その思惑はうまくいかなかった。



「『双竜猛襲脚!!』」

「な、なに!?」



 ティアは今まで見せたことがなかった足技でギンセイの腹部を貫いていった。

 ギンセイは拳打に対応する構えをしていたので予想外のティアの攻撃に完全に虚を突かれて攻撃をモロに受けてしまった。

 攻撃を受けたギンセイは後方へ吹っ飛んでいき闘技場の壁にぶつかるとその場から動かなくなってしまう。

 急ぎ審判がギンセイに駆け寄ると、ギンセイの状態を確認してから、立ち上がると右腕を上げて高らかに宣言した。



「ギンセイ選手試合続行不能。よって『淡紅の氷姫』の勝利です!!」



「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」



『決まったー!!この激闘を勝利したのは『淡紅の氷姫』素晴らしい戦いだったぞー!!』



 審判が勝利の宣言をしたその瞬間闘技場内が大いに盛り上がった。それ程今回のリナ達の戦いは見所があったようだった。

 場内が盛り上がる中、ティア達と合流したリナは宙に浮いているハイネに言う。



「お疲れ様です。ハイネ、空を飛べたんですね。すごいです」

「そんなに長くは飛べない」



 ハイネは頬を少し赤くしながらそう言うと、衣を消して地上に降りてきた。



「お姉ちゃんも二人倒した。すごい」

「ふふ。ありがとうございます」



 試合が終わりグローブを外していたティアにも同じように声をかける。



「ティアさん足技も使えたんですね」

「うん。ヴェストレームさんにはいろいろと教えてもらったからね、まだまだ技はあるよ」



 そう言ってティアは元気よく拳を作って空を切った。

 ティアとハイネは自慢げに今回使った技についてリナに説明していたのだが、リナは未だに魔力切れでの体力低下が治っていなかったのだが、勝利を喜んでいるティア達に気づかれないように元気に振舞っていた。

 しかし、次に実況から聞こえてきた言葉にリナは動揺を隠しきれなくなってしまった。



『『淡紅の氷姫』は午後に三回戦を行います。相手は『新選組』との試合です。次はどういった戦術を見せてくれるのか楽しみだぞ!!』



「え?『し、新選組』?」

「リナちゃんどうしたの?」



 リナはティアの質問に答えることが出来ずに、この世界では聞くことがないはずの、元の世界で有名な名前を聞いた衝撃でその場から動けなくなってしまっていたのだった。

コメント、ブックマークありがとうございます。


最近体調を崩してしまい投稿が遅れて申し訳ありません。

体調が戻り次第徐々に投稿ペースを戻していきますのでよろしくお願いいたします。

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