ソフィアと合流
「もうすぐでおばあ様が戦っているところに着くはずだよ」
リナとティアはソフィアが戦っている戦場へと急いでいた。
「そうですね。急がない・・・っと?」
ティアの言葉にリナが言葉を返したその時にリナの体がふらついた。
「リナちゃん!?」
隣を走っていたティアはその場に倒れかけたリナを支えた。
「す、すみません」
「リナちゃん、やっぱり少し休んだ方がいいと思うんだけど・・・」
「いえ、ボクは大丈夫ですから先を急ぎましょう」
リナはそう言って立ち上がると先を急ごうと足を進める。
「あっ!リナちゃん!!はぁ・・とりあえずは急ぐけど次にふらついたりしたら絶対に休憩するからね!」
ティアはリナにそう言いながらもその後ろについて言った。
(すみませんティアさん。でもこの世界に来て初めての魔法使いとの戦いで神経を使いすぎましたね。少しだけ疲れているみたいですけどここで休んでいるわけにはいきません。早くソフィアさんと合流しなくては)
リナは気合を入れなおし先に足を進めた。
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「あれは、あばあ様!!」
しばらく進んでいるとティアがソフィアの姿を視界に捉えた。
ティアの言葉と共にリナもソフィアの姿を視界に入れた。
「おばあ様まだ戦ってる・・・」
「そうですね・・・」
視界の先にはソフィアと戦っている魔闘士と思われる男が戦っていた。
「ちょっと押されてるみたいですね」
「リナちゃん何とかならないかな?」
「不意打ちになりますけど仕方がありませんよね」
リナはティアの願いを聞き入れその場に立ち止まり魔法の詠唱を始めた。
「『氷精よ、我に力を与え三つの刃よ、敵を切り裂け。アイスソード!!』」
魔闘士の男の死角を狙いリナは魔法を放った。
死角を狙った攻撃は魔闘士の男の肩口を狙ったあくまでも殺さずに捕らえようとするリナの考えがわかる攻撃だった。
「っと!!」
しかしそんな攻撃を魔闘士の男はすぐさま反応し裏拳でアイスソードを弾き飛ばした。
「なんだぁ?」
魔闘士の男が魔法が放たれた方向、リナたちがいる方向へと視線が向いた。
「気づかれた!?」
ティアはリナを抱え上げるとその場から離れソフィアの近くに降り立った。
「リナ、ティアも無事じゃったか」
「すみません。お待たせしました」
「おばあ様こっちは終わったよ。でも不意打ちできなくてごめんなさい」
「それは良いんじゃが、魔法使いは二人とも殺したのかの?」
「いえ。こちらの魔法使い二名は生かして捕らえておきました」
「生かして捕らえたのか?」
「はい、なんとか」
「そうかわかった」
ソフィアはリナの説明を聞き終わると魔闘士の男と向き合った。
「これで残りはお主ともう一人のみになったみたいじゃの」
「みたいだな」
「それにわざわざお主を生かして捕らえる必要も無くなったようだしの。すぐに終わらせてしまうとするかの」
「たしかにこの状況は良くは無いわな」
「諦めるんじゃな。もうお主はここで終わりじゃ」
「黙ってやられるかよ!!」
魔闘士の男は地面に黒い球体を叩きつけると煙幕が立ち上がり魔闘士の男の姿が隠されてしまった。
「しまっ!?」
一瞬の合間に魔闘士の男はその場から逃げ出しリナたちの前から姿を消した。
「逃げられてしまいましたね。どうしますか?」
リナがそう言うとティアがリナの肩に手を置いて笑顔で答えた。
「大丈夫だよ。忘れた?私は魔力を詳しく感じることが出来るからしばらくの間だったら魔力を追うこともできるのよ」
「そうなんですか?」
「うん、すごいでしょ?」
リナの驚いた様子にウィンクをしてティアは答えた。
「してティア。さっきの男はどこに行ったのじゃ?」
「あっち、けっこうな速度で移動してるから追いかけるなら早くした方がいいよ」
ティアはちょうど魔闘士の男が立っていた場所の真後ろを指さした。
「そうか・・・ふむ」
ソフィアは少し考え込むとバッと顔をあげリナたちに視線を向けた。
「あまり時間をかけてはおれぬからの。リナ、悪いがもう少し付き合ってもらっても良いかの?」
ソフィアの問いにリナは笑顔で答えた。
「もちろん付き合いますよ」
「ありがとう」
ソフィアは深々と頭を下げていた。
「おばあ様、私は~?」
「お前は案内役として付いてきてもらう」
「は~い」
ティアの返事を聞き流して「少し待っておれと」言ったソフィアは残ったエルフたちに何やらいろいろと命令を出していた。
エドアルドの方も戦闘が終わり相手を捕縛したようだった。
「おばあ様、そろそろ行かないと・・」
しばらくするとティアはソフィアの袖を引きそう言った。
「そうじゃな、相手も手練れじゃし、罠を考えてわしとティアとリナ3人だけで追うことにする」
「わかりました」「了解!!」
「残ったものは警戒を解かずに待っておれ有事の際はエドアルドの指示に従え」
「「はい!!」」
リナはうなずき、ティアは敬礼していた。
「では、ゆくぞ!!」




