第97話 選ぶ先には
地下道から帰還して数日の後。
今日は底冷えする寒空である。太陽は出ているのに、陽の光の暖かさなど微塵も無いくらいに寒い昼。
ウーアシュプルング家の屋敷の図書室に、探索者3人とガナッシュさん。兎耳を揺らす双子にシェイプス先生。他にも数名の代表者が集まった。
図書室は少しだけ様変わりしている。ほんの数日前まで広々としていた部屋の中央に、机が何台も引っ張られ繋げられ、一台の大きな机と化しており。その上にはホワイトポートの詳細な地図や、地下を走る水道管や電線などを含めた共同溝の図面。そして更に下に広がる地下道遺跡の地図が広げてあった。
加えて土壌のデータや、周辺施設の情報などを記したメモ。地図上では分からない事に関して、実際に確認した上でのポイントなどが無数に記されている。
作戦机。あるいは指揮卓とでも言うのだろうか。地下に潜む生体兵器達を倒す為に、人々が団結して練り上げた知恵。それらが見える形になっているような気がした。
「さて! 皆に集まってもらったのは他でもない。今後の動きについての確認の為だ。シャルロッテ、頼めるか」
「はい。旦那様」
ガナッシュさんが力のある声で言うと、この場に居る全員の背筋が伸びた。
声を掛けられたシャルロッテさんは、左手に紙束を、右手に伸縮式の指し棒を持っている。長いスカートのメイド服が似合っているのも相まって、どこか知的にも見えた。
「僭越ながら、私が今回の会議の進行を務めさせて頂きます。屋敷の皆様。ケレンの民の皆様。探索者の皆様。事の進展については全員がご承知の事とは思いますが、再確認だと思い、何卒お付き合いくださいませ」
粛々とした一礼の後。シャルロッテさんは顔を引き締めて左手の紙束を一瞥し、すぐに顔を上げてこの場に居る皆に言う。
「まず、今回の業務……作戦の目的についてです。皆様との協議の結果、”ホワイトポート地下に広がる、生体兵器が生息する地下遺跡を封鎖する事”。こちらを最終目標とさせて頂いております」
指し棒が伸ばされ、作戦卓の上に広げられた地図を示す。
「次に現在の状況について。数々の調査の結果。現在ホワイトポートの地下で稼働しているライフラインの共同溝は、一部が更に下層にある地下遺跡と繋がっている事が判明しました。具体的には、約100年より以前に建造されたであろう地下空間と、それに準ずる施設の存在する区画が、戦前の地下遺跡と繋がっています。これらの区画のうち、完全な意味で地下遺跡との間を封鎖されているのはごく僅か。封鎖の殆どは簡単な施錠で終了しているか、粗雑な工事と経年劣化で意味を成していない壁などです」
シャルロッテさんは粛々と続け、ホワイトポートの地下道と、更に下の遺跡を繋ぐ部分を指し棒で指しながら確認していく。当然。俺とミルファが通って来た場所もだ。
「また。地下遺跡は非常に広大なのも判明しており。その規模はホワイトポートの下に留まらず、都市の外にも及んでいると推測されています」
そこで、シルベーヌが静かに手を挙げた。
それに気づいたシャルロッテさんが一礼し、発言を促す。
「一応、探索者側から補足をします。地下遺跡は確かに戦前の建造物で、微弱ですけど電源も生きている未発見の物。上から地表、地下道、土、かなり深度があってから地下遺跡。という感じで、範囲は確実にホワイトポートの街の下だけに留まっていません。他の今分かる詳細は、皆さん手元の資料を確認してください」
言い終わるとシルベーヌは一礼。どこかホッとした様子で、小さく深呼吸をした。
シャルロッテさんが周りを確認した後、再び話始める。
「では、続きに参ります。地下遺跡には、かなりの数の生体兵器が存在しています。現在のところ小型の生体兵器以外に確認されていませんが、遺跡の範囲が広大なため。別の場所から侵入、あるいは移動してきた中型、大型の生体兵器が居る可能性はあり得るというのが、探索者の皆様のご意見です」
探索者3人が頷くと、他の皆さんも小さく頷きかえしてくれた。
「よって。都市の地下に存在する地下遺跡は、生体兵器の巣窟であると考えられます。この地下遺跡の存在は、ホワイトポートに住む人々にとって非常に危険です。現在被害が出ていないとはいえ、可及的速やかに何らかの対処を行うべき存在で間違いありません」
「わしからも補足をしたい」
ガナッシュさんが手を挙げる。安くて丈夫そうなジャージを着たこの屋敷の主からは、朱い髪も相まって、確かな熱気を感じられる。
そしてシャルロッテさんが一礼して発言を促すと、一度咳ばらいをしてから、この耳順の男性は大きな身振りを交えて言う。
「皆知っているだろうが、生体兵器は明確な敵だ。戦後の時代に混乱を招いている、分かりやすい要因と言えるだろう。それらから人々を守る為に、騎士団のような軍事力のある存在との協力は必要不可欠だ。しかし――」
ガナッシュさんは手に握られていた分厚いファイルを開き、指でなぞる。
「この事について騎士団に情報を流しても、全く動く気配はない。それなりに信頼ある伝手を頼ってもみたが、被害が出ていない状態では、ホワイトポートの騎士達は動かないそうだ。加えて。騎士団の頭脳たる統合作戦本部は、現地の実戦部隊の大半が地上の都市防衛に手一杯で、地下への攻勢的な作戦を取るには不十分”だろう”と判断している。騎士団の援護は期待できん」
ビッテに直接言えれば話は違ったのだろうがな。
一度顔を下げ、消え入りそうな声でぽつりとそう言うと。ガナッシュさんは顔を上げた。
「ようするに。わしらの戦力は探索者の少年少女達。屋敷の皆。ケレンの民達だけになる。他の探索者達に掛け合う事も考えたが、事情を知り、信頼できる者が良いと考えられるので無しだ。それに、あまり大人数で物々しく都市の地下へ向かうのは、市民に無用の混乱を招くはず」
そこまで続けると、ガナッシュさんは一礼して話を終わらせた。
シャルロッテさんは話が終わったのを確認すると、再び口を開く。
「シルベーヌさん、旦那様。ありがとうございます。以上で現状の説明は終了です。そして、ここからが本題となります」
図書室の空気が緊迫し。シャルロッテさんの握る指し棒が、地下遺跡の地図へと向けられる。
「では、どうやって地下遺跡を封鎖するのか? それについては皆様ご存じの通り。地下遺跡の末端、ホワイトポートの湾港部に存在するであろう取水口を操作、あるいは破壊して地下遺跡を水没させる方法。いわゆる水攻めをご提案頂いております」
そこでシェイプス先生が緩やかに手を挙げた。いつものロングコートでは無く、襟のあるシャツにネクタイ、下はスラックスという整った格好である。
伊達に着替えている訳では無く、これにはちゃんとした理由がある。ホワイトポートの街の地下を調べる際に街へ赴くのだが、余所者達のロングコートは目立つのだ。
なんせ防寒防風といった実利的な部分に傾倒した物な上、生体兵器の鱗などを加工した防弾チョッキのような機能も併せ持つ、ちょっとした戦闘用の服でもある。見た目も、言ってしまえば小汚すぎ。街全体がどこか洒落ている事も多いホワイトポートではかなり異質な存在になって、注目を集めてしまう。
なので、余所者の皆さんが街へ赴く際は、屋敷の人々が服を貸したり贈ったりしたのだ。清貧を是とする彼らだが、無用の誤解を招く必要は無いので、街へ赴く際は丁寧な御礼と共に服を着替えたものだ。
シャルロッテさんが一礼と共に手で発言を促すと、シェイプス先生は猛禽のような目で自分の手帳を覗きつつ言う。
「失礼致します。問題点であった諸々の地上への影響は、皆様の集めた様々な資料と調査によって、まずあり得ないと言うのが判明しております。そして我らは、遺跡自体が堅牢な上に、今現在稼働している古い地下道にも、人知れずそう言った事への対策が為されているのを確認してまいりました。古の人々に感謝をせねばなりません」
粛々と告げると、シェイプス先生は自分の隣に居る、椅子の上に膝立ちになっている兎耳の双子を見た。
双子もまた、いつもの小汚いコートでは無い。タムは胸のところに大きな足跡がプリントされたTシャツを着ており、寒くないようにもう一枚カーディガンを羽織らせてもらっていた。動きやすいけれど、色彩や作りが女の子らしい。
ティムもタムと似たような、足跡がプリントされたTシャツを着ているけれど。上に羽織って居るのはパーカーだ。こちらも可愛らしいけれど、色合いや服の作りが、きちんと男の子な感じがするものだ。
双子には屋敷の皆さんが色々と着せたがり。双子は軽く目を回しそうになりつつも非常に楽しそうだった。
そんなタムが栗色の兎耳を震わせ、真剣な表情で周りに立つ人々に言う。
「ワタシとティムからも言いたい。皆と違って、ちゃんとウラヅケとかがある訳じゃねえ。けど、街の下と遺跡は、繋がっちゃいるけど全く別モンって感じがするんだ。間でぶっつり途切れてる。遺跡がぶっ壊れても、街には何も起きねえと思う」
「地上から遺跡に繋がる道は、後から掘って行った物って感じがするんです。昔の人も多分、地下の遺跡を見つけたけど、どうしようもないから塞いだりしたんじゃないかなって気がします」
周りを自分達よりも年上で、体が大きな人々に囲まれてなお物怖じせず。栗色の髪をした兎耳の双子は断言した。
曖昧な事だけれど、絶対に伝えたい。きちんと皆に知っておいて欲しい。そう言った想いの詰まった視線には、子供では無く『神子』という一つの象徴としての矜持や想いが真摯に感じられる。
双子とシェイプス先生の話が終わったのを確認すると、シャルロッテさんは一礼し、再び会議の進行に戻る。
「今神子様達と先生が仰られたように、地下遺跡では多少の無理が効くという事が判明しております。よって、水攻めをする事が決定され、皆様はその準備に奔走しておられました」
皆が様々な準備を思い出す。
情報収集はもちろん。実際に街中に出てひっそりとマンホールを降り、何か無いかを下調べした事。武器弾薬の買い出しにテショーヤさんの店に赴いた事。街中で噂に聞き耳を立てた事。港の方に向かって、海中を調べられないかを考えた事。関係者に根回しをしておく事――本当に様々な事が行われ、今も続いている。
「では次に。実際の作戦はどうなる予定なのか。と言う事の確認に移らさせて頂きます」
シャルロッテさんが左手の紙束を何枚か捲り、改めて指し棒で地図を指しつつ語る。
「目的地はこちら。地下遺跡の港側末端部。取水口になります。類似の施設情報を統合した結果、海水を取り込む取水口は巨大な水門のような物だと推測され、稼働するのであれば門を全開にするか、破壊を行うのが目標となります」
地下遺跡とホワイトポート地上の地図を、指し棒が動いた。
「次に進入経路。調査の結果、遺跡への進入経路自体は地下道の中に複数存在しますが。目的地に近くかつ、不意に倒壊や分断のされないしっかりとした物となると、自ずと限られてまいります。そこで使用するべきだと考えられるのが――」
地図上の指し棒がグッと動き。街の中の一点を指し示す。
地下川の本流。その川辺。少し距離があるが、目的地の末端まで真っすぐ繋がる場所の近くにある赤い丸。
「こちらの赤丸。少々大きな工事現場でございます。こちらの工事現場は、現在新たに地下階のあるビルを建設するために深く土が掘られている、いわば吹き抜けのような縦穴です。そしてこの縦穴の近くには、地下遺跡の川の近くへと繋がる、遺跡の大きな縦穴が存在するのが分かっています」
そこでちらりと、シャルロッテさんがガナッシュさんを見た。
ガナッシュさんが小さく頷き、にっこりとした微笑みで答えると。シャルロッテさんはどこか安心した様子で顔を上げる。
「幸い、こちらの工事現場はウーアシュプルング商会の影響ある企業が施工しております。よって、少々無理を言って工事現場の縦穴を利用させて頂き。短い横穴を掘って、遺跡に繋がる縦穴に繋げ、進入する事になるでしょう」
言い切ったシャルロッテさんは、作戦卓に目を落としていた皆をぐるりと見渡した。
「こちらの縦穴を使う、大きな理由は2つございます。1つ。それなりに頑丈な場所であり、目的地まで近い事。2つ目は、人型機械を地下で運用する為でございます」
この場の全員の目が、俺に注がれる。様々な色の期待が篭った、力ある視線だ。
俺はそれに負けないよう胸を張り。顎を軽く引いて背筋を伸ばした。
「人が進入するのは特に問題ありません。しかし遺跡の内部は何が起こるか分からない場所。道中と取水口部分に生体兵器が居るにしろ居ないにしろ、各種の障害を押し退けて突き進む必要がございます。その為の重機兼戦闘車両として、人型機械の使用を行う予定です。当然。出来うるなら軽車両等も地下に下ろす予定でございます」
今言われたように。俺と舞踏号は、障害物があれば腕で取り除く重機として。大量の生体兵器が立ち塞がった場合は、機関砲で掃除をする戦闘車両としての活躍。
人間型だからこその『やろうと思えば色々な事が出来る』部分を期待されているのだ。
「遺跡内部に人型機械を搬入したら、後は目的地まで突き進むのみです。地下の川に沿って遡るだけなので、まず迷う事も無いでしょうが、目的地の周辺がどうなっているかは未だ不明です。そして目的地に到着後は、施設が操作できるのであれば、脱出まで時間を置いて水量を増やせるように。操作が不可能であれば、タイマーを仕掛けた爆薬などで破壊等を行います。脱出までの時間を考え、猶予は長くです」
シャルロッテさんが大きく息を吐いた。額には微かに汗が見え、相当に緊張していたのが誰の目にも明らかだった。
「作戦実行の時間は、街中に人の少ない深夜。実行日は遺跡に繋がる縦穴に、人型機械を搬入する準備が出来次第となるでしょう。以上が今作戦の概要と確認です。ご清聴、誠にありがとうございました」
誰からともなく、小さな拍手が始まった。シャルロッテさんの働きに対する、皆の敬意や労いの念が強い暖かな物だ。
そして作戦に関しては。皆が何度も確認した事だ。今更異論はない。すぐさまそれぞれが必要な事を詳細に確認し始め、図書室がガヤガヤし出す。
1つの目的に向けて多くの人々が動く一体感が、この場を緩くも暖かく繋げているのが感じられ。本当にありがたく。皆さんに出会えて良かったと心の底から俺は思う。
でも俺は、これで良かったのかを疑問にも思う。
自分でも出来うる限りはしたはずだし、周りの人々も懸命に手伝ってくれた。その努力を理解しているし、こんな疑問を抱くのは、俺に期待してくれている人々に失礼だ。
それでも俺は、これで善かったのかを疑問に想う。
もっと良い方法があったのではないか? もっと確実な方法があったのではないか? もっと安全な方法があったのではないか? もっと皆に頼らなくても良い方法があったのではないか? 俺がもっと頑張れば良かったのではないか?
どんな想いがあるにしろ、俺は色々な人に期待されているのだ。もっと。もっと俺が――
「まーた小難しい事考えてるわね?」
いつのまにか隣に来ていたシルベーヌが、分厚いファイルで俺の右肩を優しく小突いた。
俺が顔を上げると、彼女はぼさぼさの金髪を揺らしてファイルを胸に抱き、明るく笑いかける。
「不安だったりする? でも大丈夫よ。皆が頑張ってくれてるし、私とミルファが付いてるんだもの。失敗なんてさせないし、する気なんて全くしないわ」
「ありがとう。俺も失敗なんてする気は無いし、何が出ても絶対勝つ自信はある。けど、やっぱり不安はあるんだ」
そう。皆を信頼しているけれど、同時に不安や心配がある。
未来への漠然とした不安。命を失うような恐怖とは違う、もっと曖昧で、だけれど暗い不安。
未来の可能性と無数の選択肢の先に、栄光と勝利が必ずしもあるとは限らない。絶対の自信を持って選び取った道が、破滅への片道切符の事だってあるのだ。
俺の目の前には、色々な人の手で磨かれた、たくさんの選択肢が輝いている。だがその輝きの先に繋がっているモノは見えない。先にあるのは、黒くどんよりした闇の霧だけ。目を凝らしても闇を見通す事は叶わず、光の無い虚ろばかりがある。
未来がどうなるかは誰にも分からない。いっそこのまま何も選ばない方が楽なのでは無いか? 流れに流されるまま行けば良い。悲惨な未来に至ったとしても諦められる。流れたんだから仕方がないと納得できる。
そんな考えがよぎり。俺は目の前の選択肢に手を伸ばすのを躊躇っているのだ。
なんせ選択肢の先には闇しか見えないのだから、どれを選んだとて同じだろう。
だが。明るく生気のある声が、躊躇う俺の手に添えられる。
「不安だって良いのよ! リスクを感じて躊躇うのは、もっと良い未来を探してる証拠で間違いないわ! ビビっちゃっても良いじゃない! それもあり!」
シルベーヌの声が、薄っすらと掛かっていた不安の霧を吹き飛ばした。そして彼女はぼさぼさの金髪を揺らし、少しだけ恥ずかしそうに微笑む。
「何よりもさ。ブランは私のパイロットなんだもの。色んな事に押し潰されそうでも、一緒に支える。悩みがあるなら一緒に悩むし、発破が欲しいならお尻叩いてあげる。私が付いててあげるから、しっかり前向いてなさい」
ぼさぼさの金髪が揺れ、温もりのある笑顔でシルベーヌが笑った。
機械の整備や、情報処理だけでは無い。この子は俺の事を、本当にバックアップしてくれている。
「何ちょっと泣きそうになってるのよ」
「ああいや! ごめん! 何かさ、嬉しくて」
皆確認事項や相談で忙しく、若干泣きそうな俺には目もくれていない。
だが1人。ミルファだけが俺とシルベーヌに気付き、武装に関する事で話し合いをしていた一団から離れてこちらに来た。
ミルファは俺とシルベーヌを見ると、すぐに色々な事を察したようで。たおやかに微笑むと、俺とシルベーヌの手を取って優しく言う。
「何かあったのなら、私だって居ます。もっと頼って下さいね? 私は2人の為なら、空だって飛んで見せるんですから」
ミルファの優しい声に当てられて。再び涙腺が緩みかけるが、深呼吸を一度。
俺は気合を入れ直し、背筋を伸ばして視線を真っすぐに据える。
「ありがとう2人共。今の俺がこんな事言うのも何だけど、2人も何かあったら俺を頼って欲しい。何だってやるよ」
「ありがと! でも、何でもって言われたら……ねえ?」
「はい。して欲しい事はたくさんあります」
2人が意地悪に笑って顔を見合わせたので、俺は頬を書いてしまい、それを見たシルベーヌが笑って言う。
「まあそう言うのは後! 舞踏号の武装を確認するわよ! ついでにちょっと動かして、あの子も準備体操! 工事現場の方の準備が出来たら、舞踏号で横穴掘るんだから!」
「おう! 任せろ!」




