第63話 闇夜の救出作戦 赤錆の巨人
全身のセンサが震える。
頭では無く、身体に染みついた記憶。自分の記憶とは違う、舞踏号の記憶。それが目の前に立ち上がった赤錆色の人型機械を、『敵軍機』だと大声で叫んだ。警告が舞踏号の神経繊維を駆け巡り、憤りにも似た熱さが骨格の芯を焼く。
舞踏号は知っている。これと同じ人型機械の事を。あれは倒すべき敵であり、あれは憎むべき敵であり、あれは殺すべき敵だと。
俺は一度距離を取るべく退こうと体を動かそうとしたが、舞踏号は迷わず敵に攻撃を加えようした。その頭と体の舌戦に運動神経は混濁し、一瞬だけ身体の動きが止まってしまう。
「人型機械!? しかもこれって、発掘品の――!」
シルベーヌの叫びが無線に聞こえたのと、目の前に立つ赤錆色の巨人が動くのは同時だった。錆色の巨人の腕が鞭のように振るわれ、指先が空気を鈍く裂く音が響く。
その攻撃に我を取り戻した俺は、咄嗟に片腕でその攻撃を防いだ。金属同士のぶつかる音が鳴り、衝撃は改修された装甲がキッチリと吸収してくれる。
だが即座に錆色の巨人は片足を上げ、俺の膝を前から折ろうと蹴り飛ばす。鈍い衝撃と痛みが右膝を痛めるが、こちらも装甲などが幸いしたのか無事だ。
『このッ……!』
反撃するべく、小さく腕を引いて右ストレート。
しかし、錆色の巨人の顔面目掛けたその拳はあっさりと交わされ、俺の腕が絡み取られる。更にそのまま腕を引かれ、俺の重心がふわりと浮き上がった。投げ飛ばされそうなのだ。
自分でもミノタウロスにした事がある、不格好だが確かな投げ。刹那の感覚でそう理解した瞬間、投げ飛ばされる直前に錆色の巨人にしがみつく。
舞踏号と錆色の巨人は、夜の闇の中もつれ合って道路に転がった。古いアスファルトにはヒビが入り、廃工場からは瓦礫が舞い、周りに居た人々が身を屈める。
俺は倒れ込んでもすぐさま立ち上がり、ひとまず下がって距離を取った。錆色の巨人も立ち上がろうとしているが、その動きがおかしい。というよりも異様だった。
仰向けに地面に倒れ込んだ錆色の巨人は、そのまま腰を曲げる事無く、手足だけで身体を支えてぬるりと立ち上がる。その動きも異様だったが、錆色の巨人は、俺の方に背を向けていた。だが顔はこちらを向いており、赤い左目が真っすぐに俺を睨みつけているのだ。
錆色の巨人は全身のダクトから鋭く息を吐いた後。顔は俺を睨んだまま、顔を全く動かさずに身体を俺に向け直した。
まるで関節に制限の無い人形のような、人型としては異形の動きに、思わず俺は目を疑う。舞踏号以外の人型機械と言えば、騎士団のパラディンだ。あれが動くところも見ていたけれど、こんな人間離れした動きは初めて見る。
「ブラン! その人型機械はAI制御の自立型よ! 中に人なんて乗ってない!」
再び無線に響いたシルベーヌの声。
その声にハッとした瞬間、錆色の巨人は再び腕を鞭のように振るった。右から腕を振るってフック、次に左からフック。そして次に右手でストレート。大振りに見えてその動きは迷いが無く、正面からでは隙が無い。
俺はその攻撃を捌きつつ、一歩また一歩と下がる。殴り合うには場所が足りない。足元に居るシルベーヌやメアさん達。そして捕縛された盗賊達から、もう少し引き離すのが先決だ。瓦礫の下敷きになったであろうミルファやザクビー中尉の事も、頭をよぎってしまう。
シルベーヌの声が再度響く。
「立ち上がる時の動きを見たでしょ! あんなのは生身の人が乗ってる人型機械じゃ無理! 人型だけど、動きは人間じゃない事してくるはず! 気を付けて!」
『瓦礫の下に居る人たちは無事か!』
「多分大丈夫! こっちの収拾付いたら援護するから、ブランはその人型機械をお願い!」
『分かった!』
返事はしたものの、踏み込みと共に左右から延々と繰り返される殴打に、じわじわと下がる以外出来ない。けれど、足元に居た皆から距離は十分に取った。4車線の古い道路と、左右には廃屋と空家。大暴れしても問題無い場所のはずだ。
それに、さっきからの攻撃がワンパターンなのだ。右フック、左フック、右ストレート。姿勢が多少変わったりもするけれど、この繰り返し以外にしてこない。
307小隊で訓練を受けていた時にちらりと聞いた事がある『3番機はAI制御の砲台代わりだと』いう言葉。つまりは単純な行動しか出来ないのか?
『だったら!』
右、左、右ストレート。真っすぐに突き出された拳をいなし、錆色の巨人の腕を掴んだ。さっきのお返しとばかりに、そのまま背負うように腰を落とし、思い切り足払いを――したはずだった。
一瞬だけ錆色の巨人の重量が掛かったはずが、相手は俺を支点に思い切り跳んだのだ。肩や腕が捻じれるという事も無い。微かに感じる手の感覚から、関節などが外れて、その可動域を何倍にも広げているのが察せられた。
錆色の巨人は悠々と俺の背を超え、正面に軽やかに着地する。
『マジかよ――ぐおっ!?』
投げようとして抜けられ、逆に腕を抑えられたまま、俺は顔にモロに拳を受けた。衝撃と共に視界が揺れ、その隙に更にもう一撃。次いでもう一撃と、容赦のない連打が顔を襲う。
空いた腕で咄嗟にガードをするが、すぐさま拳での殴打をやめてローキックが俺の膝を痛めつけた。更にそのまま膝を折ろうと、前蹴りが襲い掛かる。動きが機械じみているのはもちろん、対応の全てが最初から決められているような迷いの無さだ。
そしてこの動き。舞踏号の中身が人間だと分かっているからこその攻撃だろう。顔を執拗に狙ったのは、人が本能的に防御の姿勢を取らざるを得ないからこそ。本命は脚部で、機動力を奪おうとしているのだ。
そして舞踏号は、これが錆色の巨人の常套手段だと知っている。俺は知らないのに、舞踏号は知っている。
『……こいつっ!』
膝に響く痛みが、じわじわと深刻になっていくのが頭で分かる。このままだと膝を折られて立てなくなるのは明らかだ。
俺は全身のダクトから白い息を吐き、体重を掛けて思い切り錆色の巨人の腕を引いた。背中から地面に転がる。
腕を引かれてバランスを崩した錆色の巨人は前のめりになり、俺はそのまま不格好な巴投げで錆び色の巨人を投げ飛ばした。
俺から離されまいとした丸い指先が、火花を散らせて腕を滑って行く。投げられた錆色の巨人は廃屋へと頭から突っ込み、コンクリートの瓦礫と土埃が舞い上がる。
『よしっ!』
確かな手応えを感じたのも束の間。土埃の中で即座に姿勢を立て直した赤い片目が煌めき、腕をだらりと下げた低い姿勢で錆色の巨人が突っ込んできた。
立ち上がりかけていた俺は、その突進をまともに食らい、地面に叩き付けられる。そのまま首元を抑えられ、杭のように指を立てた拳が俺の顔面に突き刺さった。
右眼が潰れ、視界の右半分が消える。凄まじい量の痛みが走り、更に眼窩に突き込まれた指が頭部の中の電装品を掻き回す。
目の奥から頭の中を掻き回される感覚を生身の脳が錯覚し、吐き気と痛みが俺の身体を痙攣させた。自分でも驚くような悲鳴が漏れ、馬乗りに抑えられたまま、ただ力いっぱい地面で暴れる。
それでも何とか錆色の巨人を蹴り飛ばすと、今度は道路の方へと敵は転がった。俺がすぐさま立ち上がるとと同時に、口元のスリットから熱く白い煙を上げる。
『よくもやったな……!!』
潰れた右眼からは機械油が漏れ、鈍痛と化したエラーが頭をじりじりと灼く。殴られたから殴り返す。その単純な論理が、剥離しかけていた頭と体を一致させた。
立ち上がった赤錆色の巨人が、地面を蹴って再び突進をしてくる。そして俺に向けて腕と指を伸ばす――直前に。赤錆色の巨人の顔に俺の拳が叩き付けられた。
改修されて機敏になった舞踏号の、地面を蹴って距離を詰めた一撃だ。真正面からぶつかった重質量の金属同士が、呻き声にも似た叫びをあげる。錆色の装甲が砕け、拳が眉間を割り、骨格を歪ませた。人間ならばこのままふら付く事は確実だ。
だが赤錆色の巨人は殴られた反動で完全に止まるよりも早く、グッと踏み込んで俺に肉薄する。そして左腕で俺に抱き付き、右腕をしならせると、杭のように立てた指先で俺の装甲が薄い脇腹を抉った。鋭い痛みと共に人工筋肉の一部が千切れ、白いタンパク燃料が漏れだしていく。
密着した状態になった俺は拳を引き、肘を畳んで赤錆色の巨人の顔に打ち付ける。顔の装甲が砕け散り、髑髏のような骨格が僅かに露出した。
対して赤錆色の巨人は、俺の脇腹に突き込んだままの指先を無理矢理に動かし、人工筋肉を惨たらしく千切っていく。傷口に指を入れられているようで、痛みがひっきりなしに警告を叫び続けた。
頭が錆色の巨人の動きに、異常すぎる物を感じる。まるでひたすら喉笛を噛みちぎろうとする闘犬か、足止めをしようとする捨て石のような必死さだ。
体が錆色の巨人の動きに、過去とは違う物を感じる。これは粗雑な戦い方だけを仕込まれた子供のような、”知っている”敵とは違う練度の低い敵だ。
そうやって俺の頭と体にズレが生じ、そのズレが戸惑いを生み、戦う事以外にも思考が回っていく。
『何なんだお前は……!!』
自然と口からついて出た言葉だったが、それは俺の疑問を全て表していた。
返事は無い。だが俺に組み付く錆色の巨人は、歪んだ骨格が剥き出しになり、目すらも見えているのか分からない壊れた顔を俺に向ける。
その視線に怒りや憎しみは無い。ただそれが自分の存在意義だという虚ろな意識。最低限与えられた自我がほんの少し見え、更にその奥に微かに光る何かがあり、頭だけがそれを理解した。
これは、この人型機械は。この『人』は生きている――?
今の今までただの機械だと思っていた物が、微かにでも生きる者の息吹のようなモノを持っているのに、一瞬だけ戸惑った。その隙を、赤錆色の巨人が見逃すはずもない。
脇腹に突き込まれた指がグッと押し込まれ、内部の器官にまで達する。壮絶な痛みに脳が痺れ、呻き声を上げて怯む他無い。
「ブラン!! こっちはもう大丈夫! よく聞いて!!」
耳に響くシルベーヌの声。それは痛み中でもハッキリと聞こえる。
「その人型機械はAI制御機! 腕とか足がもげても、這って攻撃してくるわよ! 完全に停止させる以外無いわ!」
『ぐおッ……! どうしたら良い!?』
「首の付け根! 頸椎の胴側の所に中枢回路があるわ! 真上からの衝撃に弱いから、何とかそこを叩いて! 腕と足の関節の自由度は高いみたいだけど、腰はそうなってないわ!」
そして更に、無線からダースさんの冷静だが熱の篭った声が響く。
「聞こえるかいブラン君。あの機体の動きはぎこちない。多分、発掘品の整備とプログラムが甘いからだ。それでも恐らく、一度見せた動きには対応してくる。今も抱き付いたままで動かないのは、対応する動きを構築してる最中だろう。やるなら今だ。今まで見せた事も無い派手な動きなら、AIだろうと虚を突けるはず」
痛みを堪え、敵が引きずり倒そうとしてくるのも堪えつつも、赤錆色の巨人の首を見る。そこにあるのは首が見えないようにも見える装甲。この過多とも思える程に分厚い装甲は、弱点を守る為の物だったのだ。
しかし上から殴り付けようにも、脇腹に指を突き込まれて抱き付かれた状態で動けない。一度身を離して上から殴り付けようにも、腕の振り程度では、首元の装甲で満足なダメージは与えられないだろう。
それに対応するために、見せた事も無い動きをすれば良いという言葉。つまりは伊達と酔狂だ。そういう事なら大歓迎だ!
『分かった! 皆離れてて下さい!!』
「頼むわよブラン!」
『おう!!』
返事の後に深呼吸を一度。口元のスリットから熱い息を吐き、潰れた右眼から染み出す油を吐き散らす。そして一瞬だけ勢いをつけ、思い切り頭突きをぶちかました。
衝撃で錆色の巨人の首が一瞬だけ揺れるが、これは牽制だ。その勢いでほんの少しだけ抱き付く力が緩んだ瞬間。思い切り膝蹴りを腹に叩き込む。再び怯んだ刹那、俺の身体が自由になった。
すぐさま錆色の巨人の腰を掴むと、そのまま相手の背に滑りこむ。そして腰を落とし、足を踏ん張り、相手のへその辺りで力いっぱい両手を繋ぎ合わせた。
そして背筋を反らしてブリッジをする形で、ただ力いっぱい後方へと反り投げる――!
『うおおおぉぉッ!!』
渾身の力を込めたバックドロップ。その威力を物語るように、闇に包まれた深夜の街へ、凄まじい地響きと金属の破壊音が轟いた。
頭の天辺からアスファルトに叩きつけられた錆色の人型機械は、首元まで地面に突き刺さったような状態になると、一瞬だけ手足をビクリとさせてから、力なく四肢を垂らす。
俺はしばらくバックドロップを掛けた姿勢のまま固まり、相手が動かないかを警戒していたが――
「ワ、ワン! ……ツー! ……スリー!」
「だ、大勝利!! で、本当に良いのかしら……? と、ともかく! ブランはその人型機械を見張ってて! すぐミルファが来るから!」
どこからか聞こえるダースさんの3カウント。それに続いて心底戸惑ったシルベーヌの声が聞こえ、俺は力を抜いたのだった。
しばらくの後。
捕縛された盗賊達を、ザクビー中尉の部下が護送する準備をしたり。エリーゼさん救出のために尽力してくれた人々が喜びに包まれつつも、疲労で静かに休んでいる頃。
シルベーヌとダースさん。そしてザクビー中尉が中心となって、色々な対応に大わらわだ。これからは事後処理などで忙しくなるけれど、ひと段落なのは間違いない。
俺はトレーラーの上に座り込むと、ゆっくりとコクピットから抜け出した。生身の感覚が戻ってくると共に舞踏号の背から降りて、その被害状況を確認する。
右眼は抉られて無残な事に。左の脇腹は、腰骨の辺りから肋骨の下辺りまで凄惨な傷が広がっていた。大小様々な傷も全身に無数に。改修してピカピカだったけれど、あっという間にボロボロだ。バックドロップのせいで自分の腰にも負担が掛かっていたのが分かるので、内部も中々に酷い有様だろう。
そして俺自身も変だ。傷付いたのは舞踏号だけれど、俺も同じ個所に痛みが走っているような気がするのだ。特に右眼を抉られ、指を入れられて頭の中を掻き回された感覚。それと脇腹を指で突き刺され、その指が内臓まで達したような心地。
その幻の痛み達に気分が悪くなり、俺はトレーラーのタイヤに寄りかかるように座り込んだ。ゆっくりと深呼吸をしても、その感触は抜けない。今もなお眼窩を指で掻き回され、脇腹から内臓をつつかれているような気がする。
夜なのもあって空気がグッと冷え込み。吐く息が白い。
「ブラン? 大丈夫ですか?」
俺の名前を呼んで心配する、凛とした少女の声。その声に縋るように顔を上げると、追加腕を付けたままのミルファの姿が月明りに照らされていた。
「ああ、ミルファ……大丈夫……」
「顔色が良くありませんね。怪我をしたんですか? 今、救急箱を――」
「いや。大丈夫。怪我じゃないんだ。なんだか、舞踏号の怪我が、俺にも響いてるみたいな感じがするだけで……」
心配させまいと慌ててにこやかに返したが、それはミルファをかえって心配させたようだった。追加腕を背に畳み、ミルファが俺の前にゆっくりと座る。
「舞踏号の怪我がブランに。ですか? あり得ないとは思いますが……」
「うん。あり得ない。だって俺はコクピットに居て、実際怪我してるのは舞踏号なんだから」
「操縦系統の問題でしょうか……。後でシルベーヌやダースさん達にも相談しましょう」
「おう……」
ここで気を張るべきなのだろうけれど、力なく返事をする事しか出来ない。違和感と幻の痛みのままに、右眼を片手で覆って脇腹をさする。
しばらくそうしていると、ミルファが何かを思いついたようだった。彼女は俺が右眼を覆う手にそっと触れ、手をどけさせた。そして俺の顔を覗き込み、静かに両手で俺の頬に触れたまま言う。
「ブラン。両目で真っすぐに私を見て下さい。見えますか?」
「……もちろん」
半ばぼんやりしたまま俺が答えると、ミルファが優しく俺の右目を覆った。視界の半分が消え、片目だけでミルファの顔が見える。
「では右眼を隠しましょう。左眼だけで見えますか?」
「うん、見える」
「では左眼を隠します。右眼だけでも見えますか?」
「……見える」
「何が見えますか?」
「……ミルファの顔が見える」
俺が静かに答えると、ミルファはたおやかに微笑んだ。
「そうです。見えているんです。ブランの身体は健康に機能しています。右眼は付いていますし、脇腹だって怪我をしていません。今感じているのは幻。幻の奥にあるのは、確かな本当の姿です。健康で健全な身体が、そこにはあります」
彼女はそう言うと瞼の上から俺の右眼に触れる。瞼に感じる仄かな温もりが、見えない傷の痛みを吸い取ってくれるような気がして、スッと気色悪さが抜けていく。それに他人に無事だと言われる事と、ミルファの優しい微笑み。その2つになんだか安心してしまう。
そしてミルファは、ほんの少しだけいじわるに微笑む。
「もう大丈夫ですよ。痛いのは飛んで行きました」
彼女としては子供扱いのような冗談なのだろうけど、今の俺にとっては本当に痛みを飛ばしてくれたように思えて他ならない。
深呼吸を一度。健康な体から漏れる、熱が混じった息を吐き、俺はミルファに笑う。
「ありがとう。本当に楽になった」
「いいんですよ。立てますか? ザクビー中尉が支援の要請をしたものの、増援が来るまではまだまだ事後処理がありますし、人手が足りません」
「もちろん! 俺も色々手伝うよ!」
そう元気に言うと俺は立ち上がり、ミルファと共に色々な手伝いを始めたのだった。




