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第59話 舞台の上で

 人型機械ネフィリムの改修。色々な事が決まっていてやる気もあるとは言っても、その実作業はとてもやる事が多い。更に307(サンマルナナ)の整備員達は、もちろん普段の仕事もある。なので、一気呵成に舞踏号の改修が終わりとはいかないから、何日もかける事になる。

 それでも毎日少しづつ進めていった結果。舞踏号の容姿は多少変化した。


 まずは爪先。人間で言う足の親指と人差し指の間で分割され、今までの靴を履いたような姿から、ゴツイ足袋を履いたような姿になっていた。

 膝や肘関節、肩の装甲は少し大きくなり、堅牢だが動きを阻害しない作りに変更されている。こちらも人で言うなら、関節の安定性を上げるサポーターの上から、頑丈なプロテクターを付けているような見た目だ。

 全体的に。全方向に一定だった装甲の厚みは、正面、側面、背面の順で厚みに差を設けられ、総合的には少し軽くしてもある。

 手の装甲板も取り替えられ。3本指に見える姿から変わり、きちんと修理した5本の指全てに装甲が施された。もちろん拳を守る追加装甲などは継続されているので、壁を殴っても指が折れたりはしない。

 加えて。脛や太もも、前腕や二の腕の部分は今までの戦いを鑑みて、良く攻撃が当たる部分を分厚くされていた。特に前腕と二の腕は頑丈にされており、俺が防御に腕を使う事も多いのが還元されている。とはいえその辺りの装甲が大きくなっている訳では無く、元のサイズとほぼ変わりない。むしろ締まっているようにも見えるのは、技術者メカニック達の腕のおかげだろう。

 そして舞踏号の顔だが、不敵な笑みに見える口元のスリットや、目元の戦化粧はそのまま。顎と頬に沿って補強部材が組まれており、細い面頬をしたような顔になった。額の部分も少し分厚く頑丈になり、後頭部にも少しだけ吸排気口が増設された。頭部は鉄兜を被った見た目から、凹凸の少ないオフロードバイクのヘルメットのような見た目になったと言えるだろう。


 総合すると。古めかしい鉛色の甲冑を纏った巨人は、近代的なプロテクタを身に纏った兵士に近くなった。肘や膝、肩が少し大きくなっているので、メリハリのある体型にも見える。

 これは俺が戦闘服バトルドレスにプロテクタを付けた時と似たバランスで、シルベーヌの考案した、生身の時との差異を無くす工夫の一つだ。


 最後に。肝心の色であるが――


「赤と黒のツートン!」

「黒と黄色のストライプ!」

「黄色に緑のチェック柄!」

「緑にピンクの唐草模様で!」

「ピンクと青の矢絣だろ!」


 舞踏号をどう染めるか、どういう柄にするか。整備員達がやいのやいのと言い合い、これが中々決まらない。時折危険そうな案が出て来るが、そこは流石に戒められているようで安心だ。

 塗装と言うのは結構重要なのだという。たかが塗料と侮ってはならず、錆止めや装甲本来の部分に傷を付くのを防いだりと、防護の面でも大切らしい。

 例えば海で使われる船舶。その船底にフジツボや海藻類が付くと船のスピードに影響を及ぼしたりするから、それらが付かないように特殊な塗料を塗るのだとか。


 そういった実利の面はあるけれど、やはり塗装は見る者に与える印象が一番大きいだろう。アルさんの依頼でやった動く広告塔でも感じたが、見る相手に与える印象と言うのは本当に大きい。鉛色の舞踏号ですら広告という塗装にまみれていた間は、人々にどこか奇妙でありつつも、好奇心に満ちた目で見られていたのは事実だ。

 仮に真っ黒な舞踏号が広告や看板も無しに呼び込みをしていたとしたら、危険そうな雰囲気を与えていただけになっていたに違いない。

 そして舞踏号のカラーリングは、騎士団の人型機械ネフィリム達よりも自由に出来る。だからこそ、皆色合いと塗り方で喧々諤々としているのだ。

 俺は『カッコイイ感じで』と漠然とした意見を出しておいたので、後はなるようになれ状態である。



 そんな訳で案が決まるまで。俺は改修された舞踏号に乗り込み、修復された指先の確認をしている。

 具体的には指先をグルグル回したり、前のミルファのようにVサインを作ってみたりした後。指先の感覚をフルに使うために用意されたのは、ロープで作った「あやとり」だ。


『ぐっ……おおっ……小指だけを動かせねえ……! 薬指が連動する……!』


 (舞踏号)はガレージの隅に座り込み、ロープが掛かった指先をぶるぶると震わせる。両手で10本の指を的確に、個別に、正しく動かすのは物凄く難しい。

 唸りつつあやとりをする(舞踏号)の膝の前。そこでコンテナを椅子代わりに座るミルファがたおやかに微笑み、巨人の巨大な手があやとりをする様を見ながら言う。


「とある敏腕整備員は言ったそうです。『あやとりは哲学』だと。特に中指の第二関節にポリシーが無いとダメだそうですよ?」

『ポリシーったって……ぐおおっ……! 人工筋肉が攣りそうな気がしてくる……!』

「親指でそこの紐を取ったら、もう少しであやとりの梯子が作れるようですよ。頑張っ――」


 ミルファの応援も虚しく、ぶるぶる震える(舞踏号)の指から糸が外れる。口のスリットからため息が漏れ、ミルファの銀髪を揺らした。彼女はガックリする(舞踏号)を見て、優しく笑う。


「外れちゃいましたね。哲学は大変です」

『意外と難しいんだよなぁ。でも、もう1回だ!』


 こんがらがったロープを解し。もう一度最初から、梯子を作るべく”哲学”を始める。以後もミルファに応援はされるものの、哲学の道は中々に険しかったのだった。

 結局。舞踏号の色については決まらず、装甲はいつも通りの鉛色。皮膚カバーは黒のまま。鮮やかな目元の赤い戦化粧と、両肩の赤いラインが継続される感じだ。全身の要所に赤字で描かれた注意書きのおかげで、前よりもほんの少し鮮やかにも見え。舞踏号の体型の変化も相まって、スポーティーにも感じられた。



 そんな騒がしくも忙しい日常の中。俺は休憩中のダースさんに聞いてみる。聞くのはもちろん、ジャンク市で見た『四角い友達』。テトラについてだ。


「テトラのソフトウェア? まあ、触れない事も無いけど」

「本当ですか!」

「これでも親父さんに鍛えられてるからね! 307(サンマルナナ)小隊が愚連隊だから、騎士団で持て余してる戦前の発掘品とかも回ってくるからねえ。そのプログラム解析とかもよくするんだよ。すぐには理解できない物でも、時間をかければ分かると思うぞ!」


 ダースさんはカメラ頭を自慢げにして胸を張った。そしてふと小首を傾げる。


「でも、テトラなんて珍しい物。どこで見かけたんだい?」

「この前行ったジャンク市です。シルベーヌが欲しがってて。けど、今は節約してるからって我慢したんです」

「ほほー。じゃあブラン君はあれかい? シルベーヌちゃんにプレゼントしようと?」

「まあ。シルベーヌ本人は甘えるのは良くないって言ってましたし、ちょっと事情があって、お金を節約しないといけないんですけど……。でも話を聞く限りだと貴重な労働力になりそうですから、俺とミルファの小遣いで買おうと」

「2人からのプレゼントって事かい。良いねえ……」


 店員から聞いたテトラの来歴なども話すと、ダースさんはどこかしみじみとした雰囲気で頷く。そして少ししてから顔を上げ、自分の胸を叩いた。


「よし分かった。オレも一枚噛ませてくれないかい! いやなに! そのテトラの修理を請け負うだけさ! 話から察するに、中身が良く分かんなくて売られてる感じでしょ? シルベーヌちゃんが自分で直したいって言ったら別だけど、修理の目処くらいは立ってた方が良いだろうし」

「それは助かります! あ、でも。ミルファにも聞いて来ます」


 渡りに船とはこの事だろう。俺がミルファを呼びに行くと、彼女もダースさんの話を聞くいてパッと顔を明るくし、小さく頷きながら口を開く。


「なるほど。ダースさんの協力が仰げるなら、テトラの稼働についても問題ないでしょう。こっそりとシルベーヌに聞いてみましたが、あの子が興味を持っているのは、テトラのハードウェアなどについてでしたしね。それに。ブランが買ってくれそうだったのを断って、未だに残念そうでした」

「なら贈ったら喜ばれそうだな。安心だ」


 ミルファの微笑ましいものを思い出すような顔に、俺も頷いて腕を組む。余計な物を送って迷惑がられる。と言う事も無いようだ。

 そこでダースさんが、俺をからかうような口調で笑う。


「シルベーヌちゃんには似合ってるけど、女の子に機械をプレゼントなんてのは、ちょっと色気が無いねえ。ブラン君はもう少しそういうところも気にしないと! イイ男にはなれないぞ!」

「何言ってんですか……。これはそういうのじゃないです!」

「またまたぁ。まあ。いつ買ってくるか分かんないけど、その時は声かけてね! オレも資料くらい集めとくから!」


 ダースさんは俺の肩を軽く叩き、舞踏号の整備に戻って行った。


 そしてまた幾日かの後。足りない部品がいくらか出て来たので、買い出しが必要になる。ここぞとばかりに、シルベーヌやダースさん。307(サンマルナナ)の整備員達は舞踏号の調整でやる事が多いので、手隙のパイロットと歩兵である俺とミルファが向かうと立候補した。

 買い出し品のメモを受け取った後、俺とミルファは再び軽トラでジャンク市に向かう。

 ミルファはデートだとは言うが、作業着の2人でメモを片手に機械部品を探し回るのは、それほど色っぽい雰囲気ではない。きちんと品定めをしないといけないので、余計な事に気を取られる余裕が無いのもあるだろう。

 それでも時には雑談をしたり、少しだけ寄り道をしたりもした。意外だったのは、本屋に寄った時のミルファだった。


「あっ」


 明るい気づきの声と共に、目を輝かせて手に取ったのは、子供向けの絵本だ。赤と青の帽子を被った野ねずみの2人組が、大きなカステラを作るという内容である。


「意外だなぁ。ミルファは専門書とか、もっと小難しそうな本を読むとばっかり」

「技術書などは、あくまで実用知識の蓄積のためです。好みで言えば、私はこういった絵本の方が好きです。内容もとても面白いですし」


 俺が聞くと頬を綻ばせてそう語り、心底嬉しそうに絵本のページをめくるミルファの横顔は、小さな子供のそれに近い。本当に絵本を楽しんでいるのだ。


 そういえば。いつぞやシルベーヌは、アンドロイドの精神面について話してくれた。『特にミルファは、鉄のカバーをされたガラスのハートみたいな感じ。普段は大人びてるかもしれないけど、根っこの部分は10才くらいだと思う』という話。この話が指すのは、見た目と内面の剥離に違いない。

 人間の身体をハードウェアとして。心をソフトウェアとして見た場合。生身である自分の事は、明文化された事象として分からずとも、ぼんやりと曖昧に感じ取れている。

 しかしアンドロイドの場合はどうなのだろう? そして意識と言うべきか、魂と言うべきか。『ヒト』としての部分がどうなっているのかなどを考えだすと頭がこんがらがって来る。

 ともかく。実際にミルファの根っこの部分が10才程かどうかは知るべくも無いが。生まれて5年――5才だという事を鑑みると、生身の人間ならまだまだ絵本と親しい頃であろう。


 小難しい事を考えるのをやめた俺は、にこにこと笑ったまま絵本を眺めるミルファに優しく言う。


「その絵本も買って帰ろう。俺からミルファにプレゼントって事で」

「……良いのですか?」

「遠慮しないでくれよ? それにさ。その絵本のカステラ美味しそうだから、皆で作ってみたいし」


 絵本に描かれたフライパン全体から盛り上がる黄色いカステラを見て、俺は笑って返した。するとミルファは、先ほどよりも嬉しそうな顔で俺に満面の笑みを見せた。


「分かりました。ブラン。ありがとうございます」


 会計を済ませて紙袋に包まれた絵本は、ミルファがたおやかに微笑み、ぎゅっと胸に大事そうに抱えた。そこまで大事にしなくとも良いと思うが、喜んでくれているようで何よりだ。


 

 その後も人ごみをかき分け、はぐれないように店舗を回りながら用事を済ませると。最後に荷物を抱えたまま、テトラが置いてあった店に歩を進めた。

 しかしなんだか、先日よりもざわざわしている。そして喧騒の中心は、どうやら俺達の進む先にあるようなのだ。


「何だろうな?」

「何ですかね?」


 俺に続いてミルファが小首を傾げ、人ごみを抜けていく。すると。テトラを置いていた店の前に、どこかで見たような3人組が、腕を組んで立っていた。

 どこかで見たような。と言うよりも、アルさんの店でミルファとシルベーヌが相対した、いかにもガラの悪そうな3人組である。全員が腰にナイフや拳銃をチラつかせているのと、何やらキツイ形相で店員さんに詰め寄っており、それを周りの人が遠巻きに見ているという有様だ。このせいで、今日のジャンク市はどうにもざわついた感じだったのである。


「うわぁお……」


 俺が何となく嫌な予感がして呟いたかどうかという時。3人組の1人が俺に気付いた。そして他の2人の肩を叩くと、大股で勇ましくこちらに歩いて来る。

 隣で僅かにミルファが構え、俺も荷物を片手で持ち直して警戒する――が。


「あのあの。失礼ですが。制服は着てませんけど、この前ロボットのホットドッグ屋さんで働いていた方達ですよね? 探索者シーカーさん達だって言う……」


 3人の中でも屈強な男。拳を振るった男が、その大きな体躯に似合わない消え入りそうな声で言った。熊の姿をしているのに子犬の声を出しているような、金属だと思ったら発泡スチロールだったような。前回と違いすぎる声に、物凄い肩透かしである。

 思わず気の抜けた顔をする俺とミルファだったが、男達は自分達が狭い道の往来の邪魔になっているのを察し、物凄く申し訳無さそうに道の端に寄るように俺達に言い、自分達もいそいそと道の端に寄った。

 屈強な男は再び、申し訳なさそうに口を開く。


「あの。急に呼び止めてごめんなさい。それと、この前のもごめんなさい。あれには色々と事情がありまして……」

「事情ですか? 他人に迷惑を掛ける事に、何の事情があるというのです。私や友人に報復をするというのなら、私はそれ相応の対応をします」


 隣のミルファが答え、彼女は一度気が緩んだものの、再び警戒を強めていく。

 敵意を露わにしつつあるミルファに、屈強な男が肩身狭そうに、しかし真剣に言う。


「ま、待ってください! 俺達はそういう事をしたいんじゃなくて、探索者シーカーさん達にお願いがあって探してたんです!」

「拳銃とナイフを持ってですか? 適当な事を言わないで下さい」

「これは偽物です! 俺達はそもそも、普段武器なんて触りもしません!」


 ミルファが返した言葉に男は必死に返すと、俺とミルファに断ってから、ゆっくりと腰のナイフと拳銃を外して俺に差し出して来た。

 俺は怪訝な顔でそれらを受け取ると、すぐに違和感に気付く。拳銃は見た目こそ普通だが妙に軽いし、ナイフもなんだかペラペラしているのだ。

 武器を検めてみると、拳銃は外観こそ本物だが、発射機構は潰されている。弾倉に弾だって入っていない。ナイフに至っては刃はついていないし、そもそも突くと刃が引っ込む、バネの仕込まれた『おもちゃ』である。


「なんだこりゃ?」

「これは……何故わざわざこんな偽物を」


 流石にミルファも肩の力が抜けたのか、いささか警戒が弱まった。ミルファの言葉と同様に、今の時代、武器などいくらでも手に入るのに、わざわざこんなものを持つ理由が分からないのは俺もだ。

 それを見て少しホッとしたのか、屈強な男がたどたどしく口を開く。


「とにかく。俺達は『ガラの悪い悪漢』って訳じゃないんです。いえ、それを演じていたのは事実ですけど……。ええと、立ち話も悪いですね。近くに喫茶店があるんです。そちらで椅子に座ってお話をしませんか? 怪しまれていますし、変な奴らだと思われているのは分かってます。それでもどうかお願いします!」


 俺とミルファは顔を見合わせた後、訳が分からないという顔で申し訳なさそうな男達を見たのだった。



 言われるままに案内された喫茶店は広々としていて、暖かい色で彩られて洒落た、多少なりとも着飾った男女が来るような店だ。

 ともすれば作業着の俺とミルファは場違いで、屈強でガラの悪い3人に至っては、別世界の住人のようにすら見える。

 店の隅に案内された後。目の前の花柄のテーブルクロスが敷かれた机の上に、俺とミルファにはこの店で一番高い紅茶が。そして更に、塔のように高いパフェがそびえていた。もちろん。店員はまるで珍獣でも見るかのような目で俺達を見つつ去って行った。


「どうぞ! 代金は俺達が持ちますから!」

「はぁ……ありがとうございます……?」


 机の反対側に座る3人組。その中でも特に屈強な男に促されはするものの、いまいち手が出しにくい。周りの客からも奇妙な目で見られているのも感じられ、どうにも居心地が悪い。

 しかしそんな事を意に介さず。ミルファが警戒したまま口を開く。


「それで。私達に何の用でしょうか。それと貴方達は何者なのかをお教えください」


 いささか尋問するような口調でミルファが言った言葉に、屈強な男が怯む。そして大きな身体を少しだけ揺すると、おずおずと話始める。


「まず俺達の事ですね。俺達は劇団員なんです」

「劇団員、ですか?」

「はい。いわゆるサクラって言ったらいいでしょうか。葬式で泣いたり、逆に結婚式で盛り上げ役を担ったり、治安の悪い場所なら用心棒の真似をして立ってたり……分かってます。変な仕事だと思ってるんですよね。俺もその通りだと思いますし、こんな事してちゃいけないって思います」


 俺の顔から心の声を聞き取ったのか、屈強な男が寂しそうに答えた。しかし、その口ぶりにじわじわと熱が篭って来る。


「あのホットドッグ屋さんに因縁を付けるのだって、変な仕事だとは思ってたんです。捕まりたくないって断ろうしたら、話を聞いたからにはやってもらわないと困るだとか脅されて。騎士団員の巡回時間とルートが書かれた紙を渡されて、捕まりたくないなら自分で考えろだとか……」

「話がずれています。冷静に話して頂けないなら、私達は帰らさせてもらいますが」


 ミルファが冷たく言い放つと、屈強な男はハッとして姿勢を正した。


「すみません! そうですね、落ち着かないといけません」


 そう言って深呼吸をした後。3人の”劇団員”達は顔を見合わせ、ゆっくりと話し始める。

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