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チートな私は趣味に生きたい  作者: 刻遊びチルドレン
8/13

8、忠誠を誓う *ファールSIDE

前回あげたのが色々矛盾していたので書き直しました。

編集にしなかったのは、あまりにも内容が付け足されているからです。

「主!?」

ああ!我がついていながら!なんと情けない!倒れた主に駆け寄る。

怪我もない、熱もない。一体どうしたというのか!

とりあえず、主が倒れる前に出していた<べっと>に主を寝かせる。

ふう。










不思議な少女だった。


いきなり現れた高い魔力をたどっていき見つけた少女。

黒い髪に黒と金のオッドアイ。神の使いか。と思ってしまうほどの容姿。

12歳程度だろうか。我を見て怯えてこそいるが、泣き叫ばない。

なかなか肝の据わった子供だとおもった。


魔力量をみて改めて驚く。

これは……敵わないな。まあ、元々争う気なんてないが。


こちらを見て動かない少女をなるべく怖がらせないように、会話を試みる。

少し、いや、かなり怪しいことを言った自覚があるが、

返ってきたのは


「ま、まず、ケガを、な、……治す…です…」


私の怪我を心配する声だった。





まさか怪我について言われるとは思わなかった我は固まってしまった。

それを了承と勘違いした少女は何かをを<異空間>から取り出した。


初めて会った獣(神獣ではあるが)に躊躇いもな<異空間>を使うところに危うさを感じる。

それがどれほど危ないことか、分かっているのだろうか。

奴隷商人などという輩には少女はさぞ珍しい商品だろう。

さらわれてしまう未来が見え、あってばかりの少女を守りたい、と思ってしまう。



我が呆けていると、心地よい感覚が我を襲った。


これは、ポーションか?

異空間から出したのはポーションだったのか。

いや、なぜだ?

ポーションは貴重なものではなかったか?

なぜ、少女はそんな貴重なものを、初めて会った獣に渡しているんだ?

ああ。我が神獣だからか?

いや。怯えられるならまだしも、助けられるようなことは、してないぞ?


それに、これは、本当に、ポーションか?


そう思ってしまうほど規格外な回復率だ。

少女にばれないように、そっと、ステータスで体力と魔力を確認する。


――――――――――――――――


HP 30986/30986

MP 13345/13345


――――――――――――――――


ぜ、全快だと……?

確か、HPは残り15000くらいだったはずだ!

ことの異常さに気づき、少女をみる。

そして、今日何度目かの衝撃を受ける。


そう、少女は1本しかポーションを出していなかったのだ。


ポーションとは3口程度の量が入ったもので、特殊なビンに入れられている。

少女のはそれよりも遥かに量が多いが、今はそこじゃない。


いくつか種類があって、一番上級ので、確か、



HP回復ポーション 1500~2000回復。

MP回復ポーション 800~1000回復。

状態異常解除ポーション 病気、呪い、怪我に対応。怪我は傷が塞がってないことを条件に千切られた身体を再び作ることが可能。



だったはず。そして大事なのは

1本につき1つの効果が常識なことだった。

しかし、少女が今かけられているのは一種類。だが、HPと怪我が回復している。


つまり。


普通のポーションの10倍はあるポーションを惜しげもなく使う。

上級以上の効き目、2つ以上の効果。

という考えられない行動を少女は当たり前のようにしているのだ。

まるで、それしか知らないように。



ゾクッ



ああ。これは歓喜か。


怪我が治ったことに安堵し、我に水浴びをしろという少女。

その目には我に対する恐怖はない。



これが、我の主か。



2000年ほど生きていて決して埋まらなかったソレ。

空いている事すら忘れていたソレが


今、埋まった。











それからの我の行動は早かったと思う。

苦し紛れの説明をし、契約を結んだ。

あの状況ですぐに契約してしまう主が少し心配だ。


まるで、我のことを信じ切ってるようだ。

いや、ありえない。そんなに時間が経ってないはずだ。

人族は<運命>を感じるのが上手くないと聞く。

だったら……仲間や、従魔を増やすことをすぐに決めるほど、焦っていた?

大切な決め事をすぐに決めるほど、「何か」に怯えていた?

あの主が?

恐ろしいほど濃く、大きい魔力を持つ主が?


はぁ。我は伊達に長く生きてる訳じゃないと思っていたのだがな。分からないこともあるものだ。



そんなことを考えながら、

主の金色の目のオーラを隠す。




……「まだ」





ふう。さて、分からないことも沢山あるが主と少し話して分かったことがある。


<主は物知りで何も知らない>


川の傍に落ちている石を見つけては「上流ね。つまりここは意外と高いのね」

と、独り言を言っていた。はて、それはドワーフのしか知らない知識じゃなかったか?

学んだ?誰から?ドワーフは自分の知識は誇りとするため、教えることなんてないはずだ。


分かることは主は博識だということか。


いや、でも主は、我がホワイトフェンリルと気づいなかった。ふむ、地域によっては子供を早く寝かす脅し文句にもなっていると言われたんだが……。

いや、しかし、それにしても、魔力の平均など、子供すら知っていることも知らないとは。


知識に偏りがある?


これの理由は早めに知ったほうがいいな。

誘拐、監禁、記憶消失、

そういった類だった場合、原因となるものは始末するべきだからだ。


契約した今、主の喜びは我の喜び、主の悲しみは我の悲しみだ。



我は主と話す時間が欲しく、自分の住処に来ないか、と言ってみる。

すると驚くことに、主は行くと即答し、しかもお礼まで言ったのだ。


……ありえない。


ここまで価値観が違うのはおかしい。

何か根本的なものが違う。


……打算か。


主はお礼を言うのは打算からだという。


おかしな主だ。契約をしたら離れられないと知らないわけではあるまいに。


しかし、ふむ。


お礼を言われるのは嬉しいものだ。

魔力や、出会いで決まった契約。我は今もう一度

主、ソラで良かった、と、そう思いながら

住処へ走った




21時にもう一話投稿します。


コメント……

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