4、地の精霊王です。はい。
さようなら。作者。中間により、蒸発します。
ど、どうしよう。こんな美人に話しかけられて冷静に対応できるわけがない!
そうやって私があわあわしていると……
「えと、美人なんて……ありがとう。私は【リーナ】。もしよかったら、あなたのお名前を教えてくれるかしら」
うわわわわっ!り、リーナさん!?さらっと思考よんだぞ?!美人だから何でもありなのかな。そ、それよりも!えっと、私の名前を、お、教えなきゃ!
自己紹介なんて何年ぶりだろう。私、しっかりできた試しないし。そもそも、仕事でも一方的な会話だけだったから、ちゃんと話したのは神様抜けば結構久しぶりだよなぁ。
と、とりあえず、じ、自己紹介!大丈夫!神様は”コミュニケーション能力<皆無>”をとっといたっていってたもん!
私の名前は東峯 空です。うん。これだけ。
「私の……な……」
あ。この感覚知ってる。言いたいことは決まってるのに、何かが突っかかって言葉にならない。
そっか。そうだよね。25年間ずっと付き合ってたこの感覚に、すぐにバイバイなんてできないよね。
あぁ。こうやってモジモジしてるから、私は友達があまりできなかったんだ。
ごめんなさい。リーナさん。せっかく名前聞いてもらったのに。
こんなどんくさい女嫌ですよね。
そう思って、私は下を向き、言葉を発することをあきらめる。
こうすれば、相手はどっかに行くんだ。
こんな感じの悪い女なんかにかかわらないほうがいいよ。にげていいよ、リーナさん。
そう思って、リーナさんがどっかに行くのを待つ。
でも待ってたのは
思っていたのと違うリーナさんの行動だった。
「大丈夫よ。落ち着いて。ゆっくりでいいわ。ゆっくり、あなたのお名前教えて?」
そういってリーナさんは微笑んでくれた。
あ。だんだん突っかかってたものが溶けてくる。
リーナさんが待ってくれてる。私なんかを待っててくれる。
温かい気持ちになる。
言おう。待っててくれるリーナさんと、これからの自分のために。
「トウミネ……ソ、ソラ…私の、名前……ソラ……」
思ったようには言えなかったけど、確かにつたえた。
おそるおそるリーナさんを見る。
リーナさんは私なんかと、友達になってくれるかな。
「当り前よ!よろしくね。ソラ?」
あ、目頭が熱くなるのを感じる。
泣きそうなのを悟られないように、そして今の幸せをのせて。
「よろし……く……です!リーナ…さん……!」
自然と笑顔になる。
ありったけの感謝、届いたかな。
思考が読めるリーナさんだけど、言葉にすることが大切だと思うの。
そう思ってると、私の周りが輝き始めた。比喩表現ではない。本当に輝いてるのだ。
この暖かさは……!私をここに導いたオーラだ!
それを見たリーナさんは言った。
「うふふ。ソラは本当に<地の妖精>に愛されてるのね。確かにソラの魔力には惹かれるものがあるもの」
え?<地の妖精>?なんですかそれ?
「あら?知らなかったの?この世界には妖精がいるのよ。<地の妖精><海の妖精><空の妖精>がね。さっきソラを招いてたオーラがあったでしょう?それはまだ、具現化してない妖精達よ。
これから何年という月日をかけて妖精たちは私のように具現化するの。」
へー。そうなんだー。すごいなあ妖精って。ん?まってよ。え?
「リーナさん……妖精?」
「うふふ。そうよ。私は<地の妖精>の精霊王なの。妖精は具現化して加護を与えれるようになると精霊になるの。驚いた?」
ええ!!すごい!私すごい人とお友達になったなあ。あれ?この場合はすごい精霊と?
そんなバカみたいなことを考えてると、リーナさんが言った。
「うーん。そうねえ。こんなにも他の妖精もソラを愛してるし、私の友達だから、ソラには加護をつけましょうか!うふふ。加護なんて何百年ぶりかしら。」
ええ!そんな私なんかには勿体ないです!
「だーめ!もうつけちゃったわ!ほら!ステータス確認してみなさい」
あ!そういえば、神様に<ステータス>確認しろって言われてたなあ
うーん。<ステータス>!!
―――――――――
トウミネ ソラ
人族
女
MP 23445/23445
HP 352/239
スキル・加護 【地球】の創造神の加護/【地】の精霊王の加護/<異世界宅配便>
――――――――
うーん?よくわからない……。加護ってなんだ?ってうおあ!
―――――――
【地球】の創造神の加護
……鑑定(物の詳細が分かる。発動条件・頭の中で知りたいと思うこと)
言語理解(文字と言葉が分かる・常時発動)
異空間(物を出し入れすることができる。中は時間が止まっている。生きているものは不可。発動条件・入れる時は触りながら入れたいと思うこと 出すときは出したいと思うこと
【地】の精霊王の加護
……癒し魔法(自身の魔力でケガ、病気を治す。光魔法と水魔法の合成魔術。発動条件・「ダス・フェアヘイレン」と唱えること。)
錬金術(自身の魔力で物を変形、作成できる。想像力が必要。発動条件・作りたいものをイメージして「作成」と唱えること。)
―――――――
うわ。なんかすごいなあ。私なんかには勿体ない感あるけど、死にたくないからなぁ。ありがたく貰おうかな。
「あ、ありがとう……ござ……リーナさん……」
あれ?友達からの初めてのプレゼントなんじゃ……!!えへへ。加護とか、それよりも、プレゼントって言うことがうれしい……!
すると、いきなりリーナさんに抱き着かれました。
「!?」
「なんなの……。この可愛い生物……。心が読めるから……可愛い」
なんかボソボソ言ってるけど聞こえないよ!?
「リー……苦しっ」
「あっ!もう時間がないわ!ごめんなさいソラ。人族のソラはあんまり此処にいると、体に悪いの。えっと。そうだ!」
離してくれたリーナさんは慌てたように早口で話す。そしてそこら辺をきょろきょろして、いきなりタンポポみたいな草を引っこ抜いた!
「これはね、薬草よ。これに綺麗な水を混ぜて、錬金術でポーションを作りなさい。きっと役に立つわ」
「え……リーナ、さん?」
「ごめんなさい。もう行くわ。ソラ?忘れないで?私はいつもソラを見守ってるわ」
そういったリーナさんからタンポポ?薬草をもらう。瞬きしたら、そこにいたリーナさんはいなかった。
「え?……リーナさん?」
ねえ?どこ?なんで、リーナさん「も」いなくなっちゃうの?なえ。まだ話してないことが沢山あるの。
どこ?リーナさん……。
ポタポタ垂れる水。それが自分の涙なんて理解するのに時間はいらなかった。
『大丈夫よ、落ち着いて。』
リーナさんの声が頭の中をぐるぐるする。
「!!!」
なに泣いてるんだ私。リーナさんは私の友達だ。リーナさんが消えたのだって私の体を気遣ったからじゃないか。
涙をふく。前を向く。
うーん。この世界に来てから、なんか成長したな!わたし!いや、まだ、人とは話してないからかな?心読める人しかあってなくね?
っと、とりあえず!
「リーナさん、私、頑張ります」
その宣言は、たぶん、自分に言ったものじゃないだろうか。
深呼吸をする。
ふぅ。ま、まずは、リーナさんに貰った薬草でポーション?をつくってみよう!
私は、その場に座った。
勉強からの現実逃避で戻ってくるかもです。