12、しょっぱいご飯でした。はい。
更新がなぜ上手くいかないのだああ!
「む?甘酸っぱい匂いがするな。ラズベリーか?」
私がごはんの準備をしてると、身体をゆっくり起こしてファールが布団から出てきた。
因みに、机を買う余裕はなかった。なんという失態。いや、しょうがない、机高いもん!
「うん。ラズベリージャムだよ。あ、ごめん。机がないね。明日にはどうにかするよ」
「うむ?特に問題はないぞ」
なんという、懐の広さ。前世の部長に、ファールの爪の垢を煎じて飲ンでほしい。切実に。
あ、でも、元々、床で食べてたのかな?それなら、別にいいのか?うー、ファールのことを全然知らんなぁ。
ファール検定とかあったら、5級も取れないかも。
そんなことを考えてても、しっかり手は動いているので、準備はできました。ファールは平皿で、食べやすくカットしてます。ぬかりなしだぞ!
「じゃあ、今日のごはんを言います。フワフワパンケーキに、ラズベリージャム、オレンジジュースです!たぶん美味しい、はず!よし、いただきます!」
オレンジジュースは買いました。怠けました。えへ。
「ま?い、ただします?」
ふふ、頑張って真似するファール可愛い。モフモフしたい。
いただします、だって。この世界にはない文化だったみたい。そうだよねー。
あとで意味を教えてあげよう。
では。いざ実食!
パク。
すっぱい。
パク。
甘い。
パク。
やっぱりすっぱい。
この世界にきて、初めてまともなもの口にしたな。
うー。フワフワが足りない。きっと、メレンゲが、しっかり泡立ってないんだな。うん。ダメだったな。やっぱり、電動泡だて器がないと。ケチったなあ。
次からは、出し惜しみはしないぞ!金はいくら使ってもよい!最高級のものを~!
なんてね。稼ぎがないので、コツコツ貯めます。魔力を使いすぎて、ファールに心配かけたらだめだからね。
てか、ファールさん、あなた、静かすぎやしないかい?
あれ?まずかった?甘いものは苦手じゃないって、言ってたのは、お世辞?
いや、この世界の食文化を知らない私がつくったんだ。
合わないと、なぜ思わなかったんだ!やばい!味覚が世界共通なわけないのに!
いや、だって、ほら?言語も一緒だったから、感覚同じって思うじゃん。
違うわ!合わせたのは、私で、この世界じゃない!うわああ!
どうしよう神様ぁぁ!そういえば、言語合わせてくれてありがとうございますううう!
内心パニックに陥りながら、ファールを見る。
バクバク。ばく。
うわあ。食べるのはや。足りるかな。でもそんなに食べてくれるって美味しいってことだよね。よかったぁ。安心!
「うむ。美味い。んぐ。うまいぞ。主、初めて我はこんなに美味いものを食べた。主は、すごいな。んぐ。うまいぞ」
ファールさん、食べるか、しゃべるか、はっきりしてほしい。いや、さっきまで、不安になってた奴が言うことじゃないけど。
コミュニケーション大事。コミュニケーション皆無だった私が言うことじゃないけど。
そして、語彙力乏しくないか?美味いしかいってないぞ。
でも、うれしい。うん。うれしい。
「ありがと、う?」
あれ?視界がぼやける。病気?え?この世界、病院あるの?やばくない?
あ、だんだん息が苦しくなってきた。鼻水もでそう。死ぬの?早くない?
混乱する。
「主?!なぜ泣いている?!どこか痛いか?!」
え?
「泣い、て、るの?私?」
我が何かしたのだろうか、と慌てるファールをみて、それが本当だと分かった。
泣く、涙、いつぶりかな。久しぶりすぎて、泣いてるなんて思わなかった。まだ泣けたのか、ずっと我慢してたら、いつの間にかでなくなったと思ったのに。
泣いても、何も変わらないって分かったから、諦めたのに。
泣いた理由は、なんだろう。
美味しかったから。
誰かと食べたから。
褒めてくれたから。
味がして、ここが現実だともう一度思ったから。
もう、日本に帰れないから。
ファールが温かかったから。
たくさん、理由がある。一つじゃない。良いこと、悪いこと、悲しいこと、嬉しいこと。
それが混ざりあって、どうしようもなくて、涙が出る。
止まらない。我慢できない。我慢したくない。
う、うぅ。言葉にならない何かが、声になる。
そんな私を、何かを察したファールが、尻尾で抱きしめる。モフル余裕がないことが悔やまれる。
そういえば、こんな言葉を聞いた事があるな。恋をしたら、世界が輝く、だっけ。
今、まさに、それ。
とらえた景色は、ぼやけてるくせに、見たことがないくらい綺麗で、透き通ってる気がした。
木の緑も、空の青も、こちらを覗く、ワインレッドと、紫色の瞳も。
怖かった森が、怖かった世界が、輝く。
あぁ、私は恋をしたんだな、って理解した。
前世を含めて、色恋にまったく関係しなかった私が。
なんでもない、私を受け入れてくれた気がする
ーーーーーーーーーーーーーーこの世界に。
苦いものも、甘いものもこの世界には溢れてる。
地球では受け入れられなかった、甘さと苦さ。この世界のなら大丈夫。
「ありがとう。ファール。私、幸せかも。私、この世界で生きるよ」
この世界にきて、柔らかくなった表情筋が動いて笑顔を作る。
食べたパンケーキは少ししょっぱくなっていた。
ーーーーー
さて、決意したはいいけど、展開早くないですか?
誰か、説明お願いします。
あれから、1週間たった。
して、これはどういう状況だろう。
ファル(なるべく真名は避けたいそう)と話し合いながら、テーブルやら、椅子やら、スキルで置いて、住みやすくした我が家に、
見知らぬ騎士?が3人。
騎士が、3人。
えっと、どちら様でしょうか。
完全にイタイ発言ですかね。
しかし、ソラはこれを素でやってるんです!
そう、信じたい。




