1、過労死です。はい。
処女作です。
よろしくお願いします。
カタカタカタ……
真っ暗なオフィスに1人分の音が響く。
「お、終わった……」
タンッとなるエンターキーの音が、一時間後が締め切りの資料の制作と、一つの儚い命の終わりを告げた。
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ここはどこだろう。私は何をしてたんだっけ。……確か、上司に言われた仕事を片付けてて、それで……
瞬間、脳が覚醒した。
「はっ!締め切り!!」
「ほぉ、目覚めて第一声がそれかの?」
「……!?す、すみません……!」
え、誰だろう。この老人…見るからに怪しいな。そう思ってついその老人を凝視してしまった。
「謝らなくてもいいわい。東峯空さん?」
「!!」
どうして私の名前を知ってるんだろう?あなたは誰?ここはどこ?
たくさんの疑問が頭を刺激するが、質問は決して声となることはない。自他ともに「コミュ障」と評価される、私の対人スキルがそこまで優秀なわけがないのだ。優秀だったらもっと幸せだったはずだ。
まったく、どうして自分はこんなにも人との付き合いが下手なんだ。目の前の老人をも忘れて、私は考え続けた。
次第に、自己嫌悪までしだす。
あの時、こうしてたら、もっと可愛げがあったら。
5分くらいだろうか、老人をほっといてしまっていたのを思い出す。
「あ、ごめん……なさい……」
なんでだ?いくら対人スキルが低くてもここまで非常識じゃなかったはずだ。人を待たすみたいなことはしないように心掛けていたんだ。なんで?あと、さっきから、なぜか私の生きていた25年間がフラッシュバックしてくるんだけど。
まるで死んだときに見える、走馬灯みたいに。
え?走馬灯?あれ?もしかして、私……?
聞きたくない、知りたくない、そう思ってるはずなのに、気づいた時には私は口を開き、老人に問いかけていた。
「私は……死んだ……でしょうか?」
ずいぶん情けない声が出た。しかし、その声には確かな確信があった。
老人は一瞬驚いた顔をして、そして答えた。
「あぁ。そうじゃよ。君は死んだんじゃ」
老人は、申し訳ないと言わんばかりだ。どうして、この老人がそんな顔をしてるんだ?
ん?まて、この老人は誰?
「わしは、君の世界でいう神様じゃよ」
「!!」
この老人が神様?さっきから新しい情報が多くて理解が追い付かない。えっと、まず、この、いかにも神様って感じの白い長いお鬚の老人が神様。うん。さっきナチュラルに思考読んでたね。納得。
そして、私は、死んだ?どうして?
「過労死じゃ」
意外にも自分が死んだと知ってもあまり驚かなかった。まぁ、死因が死因だし。いつか過労死で死ぬなーと思ってたのが大きいだろう。
ていうか、あの、さっきから、ちょくちょく思考読まないでください。
「す、すまんのう……。しかし、お主、さっきからあまり話してくれないじゃろ?会話が成立しないんじゃ」
あ、私のせいですね。ごめんなさい。どうも昔から、言葉を発するのが不得意なんですよ。頭の中にはきちんと言葉が出てくるんですけどね……。
「!……それなんじゃが……」
神様は、一度苦虫を噛み潰したような顔をして、それからいきなり……
「すまん!!実は、お主のその体質はわしら神のミスなんじゃよ!!」
と、勢いよく頭を下げた。
目を通してくださりありがとうございます!
投稿して、誰かが見てくれるだけでこれからも頑張ろうと思えます!
誤字脱字、注意していますがもしあったら、お手数ですが指摘お願いします。
これ、学校でネタを裏紙に書いてるんですけど…
はたから見たら、重度の厨二ですよね。
やだなあ。怖いなあ。