〜Fancy Love〜
はぁー…!ドキドキした〜!もう本当デートみたいだったじゃん!なに「好きな人いる?」って!隣にいるって!と・な・り!隣に私の好きな人いるって!
そんな事を心の中で思っていた。あの時言ってたらどうなったんだろう…
顔を赤らめてニヤニヤしている萌香。他から見たら変な人に思われそうだ。
そうしているうちに、家へ着いた。家へ着くなり自分の部屋に行きベットへ飛び込んだ。
「あー、もうどうしようどうしようどうしよう!好きな人とあんなに近づいたし話せたし、もー颯斗君ったら!もう!余計好きになっちゃったじゃん!あーもう颯斗くん…好き…好き好き好…」
と、頭を枕にうずめて言った。
萌香は体を仰向けにして天井を見上げた。「はぁ…颯斗君……」とつぶやく。
「もしかして…颯斗君…私の事…………そんなわけないっか。ただ聞いてきただけだよね…」
その時、枕の横に置いた携帯が鳴った。
コミニュケーションアプリの通知だった。相手は颯斗。
《よっ、萌香。》と簡潔な文だった。
クラスのトークグループから追加したらしい。
《こんにちは。颯斗君》と返信した。
なんで堅苦しいこんな文送っちゃったの!?私どうしたの!?緊張してるの!?まぁ、好きな人相手だから緊張してないわけじゃないけど!はぁー…颯斗君どう思ってるのかな?
《そんな堅くなるなって。同級生でしょ?リラックスしなって》
その文を颯斗の声で脳内再生する萌香。
きゃー!颯斗君超イケメン!そんな声で言われたら誰でも好きになっちゃうって!!あーもう颯斗君颯斗君颯斗君颯斗君……
《うん、そうだった!話すの初めてだから緊張で…》と返信する。
携帯を持ちながらベットの上でゴロゴロと転がる。
《リラックスしてよー。こっちも緊張するじゃないか笑 あぁ、あと明日の朝一緒に学校行かね?帰りのところで集合してさ。》
颯斗君も緊張するの!?意外……明日の朝一緒に行こう……?え!?な、な、なんで!?もうこれ私付き合ってもいいのかな?告白していいのかな?告白待ちなのかな?いや…みんなにとって普通の事…なのかな?
《うん、いいよ!》と返信する。
そして、颯斗から《よかった。じゃー明日ね。」と返信が来た。
萌香は携帯を枕の横に置いた。そしてうつ伏せになり、足をバタバタとさせる。
自分でもわかる。顔が熱い事を。
体を仰向け戻し、天井を見る。まばたきをしているうちに睡魔が萌香を襲った。
気がついたら、萌香は夢の中に入っていた。